【インタビュー】近藤晃央、1stアルバム『ゆえん』が紡ぐ“人と人”「YOU AND(あなたと一緒に)という想いも込めて」

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聴き手をハッとさせるように光る歌詞と、切なさがにじんだ歌声。2012年9月のデビュー以来、着実に、確実に支持層を広げている近藤晃央が1stアルバム『ゆえん』を完成させた。シングルナンバー「フルール」「テテ」「らへん」を含む全15曲を収録した本作は、幅広い楽曲の真ん中をオリジナリティの高い“言葉と歌”が真っ直ぐに貫き、多彩であるがブレのない渾身作となっている。アルバム『ゆえん』に込めた想い、自身の音楽背景、そして真摯に時にユーモアを交えながら話す素顔の魅力に、このインタビューで触れてほしい。

◆近藤晃央 画像

■シングルコレクションを作るような気持ちで臨みました
■左右両極端のサウンドアプローチを“広がり”にするには軸が大切だなと

──デビューして9ヶ月、環境とか気持の上で何か変わってきた部分はありますか?

近藤:そんなに大きな変化はないですけど。でも、たまに街で声をかけてもらうようにはなりましたね。この間はひとりでラーメンを食ってたら、お店の店主から「TOHOシネマズのスクリーンに出てくる人に似てますね」って言われて。ちょっとラーメンが食いづらくなりました(笑)。

──はははは(笑)。

近藤:あと、ライブやキャンペーンで初めての土地に行くとき、この街で俺のことを知ってる人なんかいるんだろうかって、ちょっと半信半疑だったりもするんです。けど、いざ行ってみると人がいっぱい来てくれて、ありがたいことだなって思いますし、そういった部分はデビューして変わったところだと思います。

──そういう状況を目の当たりにすると、自分の音楽はちゃんと届いているんだなって実感します?

近藤:そうですね。僕の曲って、いい意味でも悪い意味でも狭い範囲というか、ただ目の前にあることを歌にしていくという書き方なんです。それを結果的に、広い範囲の人達が聴いてくれているのであれば、きっとその人達も身近なものを歌に重ねて聴いてくれてるのかなと。それは感慨深いですし、音楽をやっていて良かった!と思える瞬間ですね。

──今、“目の前にあることを歌にしていく”という言葉がありましたけど、今回のアルバム『ゆえん』の曲達も、そういうふうに作っていったんですか?

近藤:はい。目の前にあることを書いて、そしてできた曲を最後に並べてみたら、意図したわけではないのに全部“人と人”の曲だったんですよね。そういうことから“関係”とか“理由”という意味を持つ“ゆえん”をアルバムタイトルにしたんです。それに“YOU AND”(ユーエン)というあなたと一緒にという想いも込めてあって、だからアルバムジャケットも、まんま“YOU &”なんです。

──あ、なるほど。今回、近藤さんにとっては初のアルバムになりますけど、作る前に“こんなものを作りたい”というテーマはありましたか?

近藤:1stアルバムということで、1stにしかできないものを、というのはすごく考えましたね。で、他のアーティストさんの作品を見ても、名盤って1stアルバムに多い気がするんですよ。だから僕も、自分で自分の首を絞めるじゃないですけど(笑)、これ以上はないっていうくらいハードルの高いものを作ろうと思って。僕はまだシングルを3枚しか出してないんですけど、シングルコレクションを作るような気持ちで臨みました。

──楽曲的には振り幅の広い15曲が揃いましたね。切ない曲やポップスはもちろん、ロックチューンあり、スパニッシュな曲あり、合唱曲のような曲もあり。それを近藤さんの“歌”がしっかり1つにまとめてる……そんな印象を受けました。

近藤:そうですね。サウンド的にはいろいろやりたいことがあって、それをやろうとしたら結果的に曲数も多くなってしまったって感じなんですけど。左右両極端のサウンドアプローチをブレではなく、“広がり”にするには軸が大切だなと思って。“歌と言葉”が軸になるように作っていったという感じです。

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