【インタビュー】LM.C、カップリングのままじゃもったいない! 新曲をふくむアルバム『B-Side BEST!!』
オリコンウィークリーチャート初登場3位を記録した「88」を始め、数々のヒットシングルを送り出してきたLM.Cがデビュー曲「☆ROCK the LM.C☆」から2012年の最新シングル「DOUBLE DRAGON」まで、カップリングに収録されていた名曲たちを新たにマスタリングして『B-Side BEST!!』をリリースした。未発表の新曲「激FANFARE」が聴けるほか、LM.Cの2人にそっくりな謎のパンクバンド“THE MAD LM.C”名義の2曲、デビュー曲を大胆にリアレンジした“RUN LM.C”名義のナンバーもボーナストラックとして収録。あらためて聴くと“これ、カップリング?”と思うほどキャッチーでフックのあるLM.C流ポップセンスが散りばめられた曲ばかり。maya(Vo)とAiji(G)にとってB-Sideのポジションとは? 渋谷のスクランブル交差点をジオラマ化したジャケットの秘密(?)についても迫ってみた。
■A-SideとB-Sideを分けると“太陽と月”みたいな傾向はあるかもしれない(Aiji)
──アルバム『B-Side BEST!!』を聴いて、いかにLM.Cがキャッチーでロックでいい曲を作ってきたか再認識しました。
Aiji:そうですね。最近よく車を運転しながら聴いてるんですけど、いい曲多いなぁってあらためて思いました。
──LM.Cにとってカップリングのポジションって?
maya:もともと、タイトル曲、カップリング、アルバム曲とか決めて曲を作っているわけじゃないんですが、カップリングに決まったら、そのポジションでいちばん輝くようにアレンジしていく感じですね。シングルのタイトル曲だけでは表現しきれないLM.Cの側面というか、アルバム曲とも、また違う役割を果たしてくれていると思います。
Aiji:自分的にはタイトル曲もカップリングも関係なく、その曲がいちばんいい形になれば、と思って作ってるんですが、こうやって並べてみると、B-Sideってほとんど自分の曲なんですよ。選曲の段階で、隣の芝生は青く見えるじゃないけど、mayaの曲のほうがいいなぁと思っちゃうんですよね(笑)。それと、mayaが持ってくるのはメジャーキーのストレートなロックが多いんですけど、自分の曲はちょっとマイナーで影のある曲が多い。“太陽”と“月”じゃないけど、そういう傾向はあるかもしれないですね。
──LM.Cの“MOON Side”的な?
Aiji:って定義づけると“ジャケット、昼間じゃん”ってことになりますけど(笑)、イメージでいうと歌詞もファンタジックな内容が多いし、夜、聴いたほうが雰囲気がある曲が多いかもしれないですね。
──確かにファンタジックな歌詞が多いですよね。ゴーストたちが主役の曲だったり、ヴァンパイアを待っている女のコの歌があったり、人魚がモチーフの曲もある。Aijiさんの曲にインスパイアされて、そういう詞になるんですか?
maya:そうですね。あらためて聴くと物語調が多いかもしれない。Aijiさんの作る曲って色があるというか、曲のキャラが振り切れているものが多いんですよ。曲そのものに歌詞のヒントがあるから、あとはそれを言葉にする作業というか。
──LM.CのA-Sideが、はじけた背中を押される曲が多いとしたら、B-Sideは気持ちが折れそうになったときに沁みてくる肯定感がある曲が多い印象を受けたんです。
maya:そうかも。A-Sideだろうが、アルバム曲だろうが、メッセージは変わらないんですけど、こうやって並べてみると“やさしさ”みたいなものは感じますね。
──それとサウンドの面白さもLM.Cの魅力。リズムアプローチが多彩で、ワクワクするアイディアに溢れている。
Aiji:音楽のジャンルで言うと4つ打ちのテクノやハウスを取り入れた曲もあるし、「ningyo no namida」のようなパーカッシブでオーガニックな印象な曲もあれば、「YASHA姫」みたいな和風ロックがあったり、「Shibuya Cantabile」は壮大なオーケストラアレンジで間奏の後に「エリーゼのために」をモチーフで使っていたりと、アプローチは面白いと思いますね。
──デジタルとアナログの共存のさせ方がLM.Cって独特というか、そのバランス感覚が個性でもありますよね。
Aiji:そこはすごく意識しています。今の時代、シーケンスは簡単に使えるけど、こういうところに落としこみたいっていう明確なヴィジョンがあって音作りをしているので。
maya:今回の作品は楽曲はヴァラエティに富んでいて、オリジナルアルバムじゃないから統一感はないけど、LM.Cの歴史として並べたときに見えてくる世界があると思うし、1曲、1曲の完成度にバラつきがないのが幸せですね。
Aiji:マスタリングし直して、LM.Cの7年弱の歴史の中での差もいい意味で埋まって最新の音になっているし、自信を持ってお届けできるアルバムです。
■今まで以上にもっとわかりやすい言葉で伝えたいと思ったのが新曲「激FANFARE」(maya)
──それとアルバムの1曲目が新曲「激FANFARE」で始まるのも、最高ですね。今のLM.Cのアンセムかなと。
Aiji:前回のシングルを作ったときに何曲か新曲をレコーディングしたんですけど、その中の1曲です。「DOUBLE DRAGON」に次ぐ生ドラムのカッコいいロック。ただ、この曲をシングルにするなら、おそらくカップリングにしてたと思うんです。そういう意味でもバッチリだなと思いました。
maya:Aijiさんの曲を聴いたときに“ファンファーレ”っていう感じがしたんですよね。いわゆるラッパの音が入ってるわけじゃないんだけど、これから何かが始まる気持ちにさせられる曲だなって。未来へ転がっていくようなメッセージの歌詞は、今まで何曲も書いてきたんですが、あらためて、もっとわかりやすい言葉で伝えられないかなと。
──歌詞でいうと、どの部分になりますか?
maya:サビの“きっと何か変えるのに遅いって事は無いさ何度でもやり直せばいい”っていう下りだったり……。“愛してる”って歌うぐらい、ありふれたフレーズだと思うんだけど、今のLM.Cなら言えるなって。わかりやすいからこそ伝わるんじゃないかっていうのはありましたね。
──で、最終的に“ファンファーレ”に“激”がついて「激FANFARE」っていうタイトルになった?
maya:“激”は、曲のタイプが激しいっていう意味じゃなくて、激励の“激”なんですよ。自分たち自身、LM.Cの曲で励まされたい。そこはずっと変わってないですね。
──なるほど。ボーナストラックとしてRUN LM.Cとパンクバンド、THE MAD LM.C(ボーカルはAiji)の曲が収録されているのもお楽しみの1つですね。
Aiji:特にTHE MAD LM.Cは別バンドの体でやってたので最初は入れようか迷ったんですよ。でも、シングルには収録されてるし、『B-Side BEST!!』ってタイトルだしなぁと(笑)。初めて聴く人はユニットならではのフットワークの軽さとか、余裕感として捉えてもらえたら。
──ずっと聴いている人にとっては、7月から全国ツアーがあるし、また、THE MAD LM.Cもやってくれるんじゃないかと期待しちゃいますけどね。
maya:(Aijiに)どうですか?
Aiji:THE MAD LM.C、ギャラ高いですからね(笑)。
maya:そうですね。よく「今度はいつ、やってくれるんですか?」って期待されるんですが、全国ツアー、全部、見に来てくれたら可能性はゼロではないですね(笑)。
Aiji:ゼロじゃない。初めてTHE MAD LM.Cがスッピンでやる可能性もあります(笑)。
maya:いきなりですよ。いつ、やるかわからない。
──(笑)。全国ツアー<LM.C LIVE TOUR2013 - STRONGSIDE vs POP SIDE - >は“STRONG SIDE”と“POP SIDE”の2ヴァージョンに分かれていますよね。暴れ倒したい人は、STRONG SIDEを見に行けばいい感じですか?
maya:セットリストもまるで違うので、気持ちのモードを変えて見に来てもらうといいかもしれないですね。はしゃいで、カロリー消費しようと思って“STRONG SIDE”のほうに来てもらったっていいし。
Aiji:2本とも見に来られる人はね。自分たちの王道に近いセットリストは“POP SIDE”なので、初めてLM.Cを体験する人はそっちのほうがいいかもしれないし、“STRONG SIDE”は過去の流れからすると少し特殊だと思うんですよ。
maya:そう考えるとやっぱり両方見てほしいですね(笑)。衣装も違うし、見せ方もセットリストも含め、だんだん完成させていければいいなと思っています。両方のサイドがどんどん加速していって、最終的にファイナルの渋谷公会堂で今までのLM.Cが爆発すればいいなって。
■渋谷って日本のランドマーク的な街かなって(Aiji)
──最後に『B-Side BEST!!』のジャケットを渋谷のスクランブル交差点にした理由は?
Aiji:自分たちは日本発のアーティストとして、これまでに三度のワールドツアーを廻らせてもらったりしてきましたが、世界中の人が見てもわかりやすいメイドインジャパン感を出したかったんです。LM.Cの歴史を振り返っても、デビューライヴを始め、いちばんライヴやイベントを行ってきた街だし、世界的に見ても今や日本のランドマーク的な街じゃないですか? イギリスで売られてる東京のガイドブックには渋谷の交差点が観光スポットとして載っているらしいんですけど、混乱もなく、こんなに大勢の人たちが渡っているのも日本独特だと思うんですよ。エンターティンメントの発信地でもあるし、日本人の習性やスピリットとか、いろんなものが詰まった場所だっていう気がしたんですよね。
──ウワサによるとジャケットにメンバーが映っているとか。
Aiji:mayaが映ってます。肉眼ではわからないかもしれないけど、開くとわかるんですよ。CDトレイの下に写真があるんですけど、mayaの居る場所が○で囲ってあります(笑)。
maya:mayaを探せ、ですよ(笑)。
──なぜ2人で映らなかったんですか?
Aiji:撮ってるとき、俺はディレクションしてたんです。“アングル、もう少しこっち”とか(笑)。
──(笑)そこもLM.Cらしいですね。
取材・文●山本弘子
『B-Side BEST!!』
PCCA-03835/¥2,500(tax in)
1 : 激FANFARE【未発表新曲】
2 : @FUNNY PHANTOM@
3 : mR.century
4 : Haunted House make a Secret
5 : marble-s
6 : maple leaf
7 : Tiny Circus
8 : ...with VAMPIRE
9 : DAYS
10 : ningyo no namida
11 : A Blueberry Night
12 : YASHA姫
13 : BAD SPIDER
14 : Shibuya Cantabile
【ボーナストラック】
15 : ★Rock the LM.C★ by RUN LM.C
16 : No Fun, No Future.by THE MAD LM.C
17 : MAD or DIE. by THE MAD LM.C
<LM.C LIVE TOUR 2013 -STRONG SIDE vs POP SIDE->
7月11日(木) 神戸VARIT【STRONG SIDE】
[問]キョードーインフォメーション/ TEL 06-7732-8888
7月13日(土)高松DIME【POP SIDE】
[問]DUKE高松 / TEL 087-822-2520
7月14日(日)松山サロンキティ【STRONG SIDE】
[問]DUKE松山 / TEL 089-947-3535
7月16日(火)熊本DRUM Be-9 V2【POP SIDE】
[問]キョードー西日本 / TEL 092-714-0159
7月18日(木)福岡DRUM Be-1【STRONG SIDE】
[問]キョードー西日本 / TEL 092-714-0159
7月20日(土)岡山IMAGE【POP SIDE】
[問]夢番地岡山 / TEL 086-231-3531
7月21日(日) 広島ナミキジャンクション【STRONG SIDE】
[問]夢番地広島 / TEL 082-249-3571
7月23日(火)KYOTO MUSE【POP SIDE】
[問]キョードーインフォメーション / TEL 06-7732-8888
7月27日(土)名古屋ボトムライン【STRONG SIDE】
[問]サンデーフォークプロモーション /TEL 052-320-9100
7月28日(日)ESAKA MUSE【POP SIDE】
[問]キョードーインフォメーション / TEL 06-7732-8888
8月7日(水)札幌クラップスホール【STRONG SIDE】
[問]WESS / TEL 011-614-9999
8月8日(木)札幌クラップスホール【POP SIDE】
[問]WESS / TEL 011-614-9999
8月10日(土) 仙台MACANA【STRONG SIDE】
[問]キョードー東北 / TEL 022-217-7788
8月11日(日) 仙台MACANA【POP SIDE】
[問]キョードー東北 / TEL 022-217-7788
8月13日(火)水戸LIGHT HOUSE【STRONG SIDE】
[問]DISK GARAGE / TEL 050-5533-0888
8月14日(水)柏PALOOZA【POP SIDE】
[問]DISK GARAGE / TEL 050-5533-0888
8月20日(火)長野 CLUB JUNK BOX【STRONG SIDE】
[問]キョードー北陸 / TEL 025-245-5100
8月21日(水)長野 CLUB JUNK BOX【POP SIDE】
[問]キョードー北陸 / TEL 025-245-5100
<LM.C LIVE TOUR FINAL -Stay strong, Stay pop.->
10月5日(土)渋公会堂
ライブに関する総合問合せ:バックステージプロジェクト TEL03-5786-2400(12:00-19:00)
◆LM.C オフィシャルサイト
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