【インタビュー】アラマーイルマン・ヴァサラット、あらゆる音楽ファンのド肝を抜く唯一無二のサウンドの秘密
■チューバックスの最大の魅力は何と言っても音さ
■バリバリの低音からソプラノみたいな高い音だって出せる
◆アラマーイルマン・ヴァサラット~拡大画像~
――すごく色々な楽器が入ってるようですが、どんな楽器を使ったか教えてください。
スタクラ:まずドラムだね。それからパーカッションは普通のじゃなくて、割れたシンバルとかキッチングッズとか。マルコとトゥーカはチェロで、ディスト―ションとかエフェクトも使った。新メンバーのヤルッコは、トランペットとアルトホルン。アルトホルンはチューバみたいな楽器さ。ミーカは主にパンプオルガン担当だけど、今回は19世紀の古いピアノも弾いてる。パンプオルガンといえば、僕らの曲ではいつもこれが鳴っていて特徴になってる。メロディはシンプルでも、その後ろにオルガンを中心とした色々な楽器が深く絡んでいて、けっこう凝ったコード進行になってるんだ。ここをよく聴いてほしいね。
――で、あなたはサックス各種、ですね。
スタクラ:ライヴではソプラノサックスがメインなんだけど、チューバックスももちろん吹くよ。1曲目のダブルベースとチェロみたいに聞こえるところは、チェロとチューバックスの音さ。ほかにソプラニーノやテナーサックスもちょっと使ったな。
――チューバックスの魅力ってどんなところですか?
スタクラ:もちろん音さ。音域はコントラバスクラリネットと同じなんだけど、色々なことができるんだ。ちょっと吹いてみようか? 耳ふさいでてよ(笑)。(しばらく色々吹きながら)たとえばこんなバリバリの低い音とか……こんな感じのテナーサックスみたいな美しい音も……ほら、こんなソプラノみたいな高い音だって出るんだ。
――楽器以外の音も色々入ってるそうですが?
スタクラ:うん、色々入れた。チェロで、古い棺のフタを開けるような、ギギギイイッって音を出したり、ドラマーが椅子をギシギシいわせる音とかね。9曲目では“ワイン・メトロノーム”を使ったよ。ワインを4メートルくらい上からポタポタたらして、滴る音をメトロノーム代わりにしたんだ。最初はポタポタ落ちるけど、残り少なくなるとポタ…ポタ…って遅くなるだろ? それに合わせてエンディングをスローダウンしたんだ。
――そのワイン、メトロノームだけに使ったんですか?
スタクラ:もちろん飲んだに決まってる(笑)。栓を抜いてあったから、いい具合に空気が入ってうまかったよ。
――さて、来日も今度でもう5度目になります。日本にもファンがどんどん増えてきていますね。
スタクラ:そうだね。来るたびに演奏する会場が大きくなってきてるし、手ごたえも感じてる。ファンと言えば、前回来たとき、初日に一人のお客さんが一緒に写真を撮ってくれって来たんだけど、その人、次の日もその次の日も、ショウに毎回来てくれて写真をねだるんだ。フィンランドでもあんなに熱心なファンはいないから、すごくうれしかったよ!
――日本で好きなところは?
スタクラ:東京に来たらいつも行く居酒屋があるんだ。実にうまい酒を出してくれるんで、もう止まらなくなっちゃう(笑)。あと、今度イベントをやる浅草も大好き。昨日も行ってきたけど、すごくいいところだね。色々なものが混在していて、いかにも僕らに似合いそうな街だと思う。
――“浅草ヴァサラット”のイベントが予定されている4月上旬は、ちょうど桜の一番いい時期ですよ。
スタクラ:そうらしいね。満開の桜ってまだ見たことがないんで、本当に楽しみだよ。日本のみんなには、ライヴにも浅草のイベントにもぜひ来てほしい。すごく楽しいことになると思う。僕たち、できるだけ行儀よくするから、ちょっとくらい羽目を外しても追い出さないでね!
取材・文●田澤仁
写真●Naoki Fujioka
NEW ALBUM 『VALTA 力業』
CD)KICP-1649 ¥2,600(tax in)
2013年3月6日 RELEASE
RIISTOMAASIIRTAJA 制圧
HENKIPATTO 無法
HAJAKAS 布衣
NORSUVALJAKKO 巨象
HAUDANKANTAJA 墳墓
LUU MESSINGILLA 金色
VAARA KAARME 大蛇
UURNILLA 骨壺
HIRMUHALLINTO 暴威
Raahuste 賞与 (日本盤ボーナス・トラック)
<2013年来日情報>
<アラマーイルマン・ヴァサラット presents「浅草ヴァサラット」>
4月6日(土)7日(日) アサヒ・アートスクエア
[問]THE MUSIC PLANT TEL 03-5944-6187
■コンサート以外のイベント
4月5日(金)~7日(日) 浅草の街のコラボレーション企画
●ヴァサラット・カフェ
アラマーイルマン・ヴァサラットの公式ドリンク「緑の触角」
●藤岡直樹フィンランド&ヴァサラット写真展
●北欧マルシェ
マリメッコやフィンランドのコーヒー、関連書籍などが並びます。
●映画「パラダイスの夕暮れ」(アキ・カウリスマキ監督作品)
●レクチャー Visit Finland 「フィンランド白夜紀行」
●レクチャー 坂根シルック「ユニークな人材を育てるフィンランドの教育事情」
●レクチャー ミッコ・コイヴマー「フィンランドのイクメン事情」
●フィンランド料理教室
●お花見ボート
●オリジナル提灯
上記の詳細とお申し込みフォームは、特設ホームページにて2月25日深夜24:00にオープン
◆特設ホームページ