【インタビュー】NIGHTMARE、新作『SCUMS』に漲る“負のパワー”とは? 愛すべきSCUMSの“LOVE”をさぐる
1月30日にリリースされたNIGHTMAREのニューアルバム『SCUMS』。SCUM=クズという意味を持つ言葉をタイトルに据えたこのアルバムは、NIGHTMAREのバンドとしての心意気を表わすものであり、現在の彼らにしか昇華しえない“負のパワー”を原動力にした、とてつもないエネルギーに満ち溢れている。今回のインタビューでは、ニューアルバム『SCUMS』を貫く強烈な負のパワーの正体を分析するとともに、愛すべきSCUMS=NIGHTMAREの“LOVE”をさぐる特別インタビュー【LOVE LOVE ナイトメア】の2本立てでお届けする。さらに、柩(G)が寝坊でインタビューに欠席したため、バツゲームとして、2月10日(日)仙台RENSAからスタートする<NIGHTMARE TOUR 2013 beautiful SCUMS>のツアー日報を柩に寄稿してもらう短期集中連載の実施も決定したので、こちらも楽しみにしていてほしい。
取材・文●東條祥恵
【インタビューpart1】アルバム『SCUMS』を貫く強烈な負のパワー、その正体を分析
◆「負のパワーってネガティブなイメージだと思うけど、エネルギーを持った武器にもなるんだよ」(咲人)
――アルバム名の『SCUMS』は“クズ”というような意味だそうですが。タイトル自体、誰かに向けていってるんですか?
咲人(G):どいらかというと、自分たちのケツ叩く意味。イメージでいったら、陶芸家のおっさんが山にこもって一所懸命ろくろを回して作品を作っては割っていく、そういうイメージ。一所懸命作ったものを破壊していく面白さ。それが俺のなかでは、このアルバムの負の感情であったり、パッと聴きの音の印象につながってて。
――そうなんですよね。今回のアルバムって、とにかく負のパワーに満ち溢れているというか。しかも、それが淀んでる程度じゃなくて漲っちゃってるから、ナイトメア何かあったの? ってちょっと心配しちゃいました。
YOM(Vo)I:“何かあったの?”とはよくいわれる(笑)。
咲人:でも、負のパワーっていうとすごくマイナスとかネガティブなイメージだと思うけど。負のパワーって、エネルギーを持った武器にもなるんだよ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「デロリアン」(発明家ドクがタイムマシンに改造した車)があるでしょ? あれ、一番最初はゴミを燃料にして走ってたのね。そういうイメージ。だから、決して(アルバム自体)後ろ向きではない。
――うんうん。後ろ向きではないけど、アルバムの源には負のパワーがあるでしょ? 負のパワーって、ナイトメアのエネルギー源なんですかね。
咲人:常に希望に満ち溢れてる人って、ウチのメンバーにはいない気がするからね。
――だけど、外から見たらこのバンド、10年以上メンバーチェンジもなく続いてて、いまだにメジャーで活動できて、武道館もできてる訳だから“お前らいいよな”って十分幸せそうなイメージで見られてると思うんですけど。
Ni〜ya(B):いやぁ……つってもね?
YOMI:自分たちが一人一人大金持って満たされてたら、いまみたいな作品は創らないでしょう。
RUKA(Dr):じゃあ逆に聞くけどさ、そもそも幸せな希望に満ち溢れたバンドって見た事ある?
全員:………。
Ni〜ya:だからさ、ミュージシャンに限らず人間誰しも負の部分を持った生き物なんじゃないかな。
咲人:別に俺ら、お金目的でバンドやってる訳じゃないしね。
◆「下の世代? 引っぱり上げるぐらいなら引きずり下ろしてやりたいよっ!!」(RUKA)
――じゃあいまのナイトメアを突き動かしてるエネルギーって何なんですかね。
咲人:それぞれ違うと思うけど。
RUKA:俺は“幸せになりたい”って気持ち。それだけ。幸せってものがどんなものなのか知りたい。
Ni〜ya:いちミュージシャン、いちベーシストとして、もっともっとスキルアップしたいって気持ちかな。たまに動画サイトとか見てると、すっげー上手い人とかいるじゃん? 俺も弾けるようになりたいって練習するもんね。弾けないけど(笑)。
YOMI:俺はレコーディングでいいテイクがとれたり、いいライブができたりっていうことかな。それで、いいお酒が飲みたい。
Ni〜ya:そうだよな。ゾジー(YOMI)はそのときの出来次第で(酒の)飲み方も酔い方も変わるもんな? いいライブした後はデカい声で下ネタいうし。(一同笑)
――うわっ、まさにSCUMS!!(笑)
RUKA:複数形にしないでくれる? SCUMなのはコイツだけなんだから。
YOMI:んー、このバンドで一番SCUMSなのは……。
RUKA:だから、SCUMでいいんだよっ!(怒)
YOMI:そっか。SCUMなのはっていわれたら、確かに俺かも!?(笑顔)
RUKA:一番このバンドでSCUMなのに、なぜか周りにはそうは見られてなくて、得してるんだよ。俺らがSCUMだっていっても、周りには俺らがコイツをいじってるようにしか見えないところがまたムカつく!!
咲人:俺は最近、単純に音楽をやってて楽しいんで、原動力はそこかな。いまはダンスミュージックにハマってるんだけど。1度興味を持つと吸収する力も速いじゃない? だから最近常にPCいじってて。そこで打ち込みのシンセの勉強したりしてるんだけど。それが今回のアルバムにもフィードバックできたりするから、アルバム制作期間もすごく楽しかった。クリアな精神状態で作れてるから。こういうタイトルとか負のパワーに反してね(笑)。
――だからだ! 負のパワー全開でもこのアルバム、混沌としてなくてスカッと気持ちいいぐらいエネルギッシュなんですよね。
咲人:グシャッとはしているけど、決して煮詰まってないからね。昔の作品は、あれもやりたいこれもやりたいというのをただぶち込んだだけで、全体の味が整ってない部分があったんだけど。今回は、いろんな食材をすっごい大量にぶち込んではいるけど、最終的に味がまとまってる。それは作り終えてから思ったかな。
◆読者プレゼント「SCUMSイメージ図」
応募締め切り:2013年2月28日まで
――では、アルバムを引っさげて全国を廻るツアーに関しての抱負を。
YOMI:アルバム自体がアップテンポの曲が多いので、ハード目な内容になりそうですね。
咲人:アルバムツアーだからアルバム曲メインにはなるけど、それ以外にやる曲はいろいろ吟味して、来てくれた人に対してナイトメアのライブに対する印象を少しずつ変えていけるツアーにしたい。
――去年(2012年)はバロックと2マンでツアーを廻ったりと新しい扉を開いたナイトメアでしたが。今年はどうなりそうですか?
咲人:そこは徐々に広げていきたいね。海外も含め、まだまだいままでやってなかったフィールドがたくさんあるから。今後はそういう視野を広げていかないと、バンドの可能性も広がらないと思うからやっていきたいけどね。
――そういう活動のなかで、下の世代もどんどん引っぱり上げて音楽シーンを盛り上げて下さい!
RUKA:下の世代? 引っぱり上げるぐらいなら引きずり下ろしてやりたいよっ!!
――もう一人SCUMが……(苦笑)。
⇒インタビューPART2【LOVE LOVE ナイトメア】へ
NewAlbum
『SCUMS』
2013年1月30日発売
【type A】CD+DVD
YICQ-10284/B ¥3,780(tax in)
[DVD]
MUSIC CLIP「Assaulter」
【type B】CD+DVD
YICQ-10285/B ¥3,780(tax in)
[DVD]
MUSIC CLIP「終わる世界の始まりは奇なり」
【type C】
YICQ-10286 ¥3,150(tax in)
[CD]
1_My name is “SCUM”
2_ASSaulter
3_mimic
4_riddle
5_雨と夜に墜ちて
6_DISSEMBLE
7_ERRORs
8_終わる世界の始まりは奇なり
9_Droid
10_404
11_I’m not
12_Deus ex machina
13_BLACK OUT(※type Cのみ収録)
14_BEHIND THE MASK(※type Cのみ収録)
<NIGHTMARE TOUR 2013「beautiful SCUMS」>
2.10(sun)仙台・RENSA
2.12(tue)札幌・ペニーレーン24
2.16(sat)岐阜・club-G
2.17(sun)金沢・EIGHTHALL
2.23(sat)新潟・LOTS
2.24(sun)郡山・HIPSHOT JAPAN
3.2(sat)高松・オリーブホール
3.3(sun)広島・CLUB QUATTRO
3.6(wed)戸田市文化会館
3.9(sat)オリンパスホール八王子
3.10(sun)東京エレクトロンホール宮城
3.16(sat)市川市文化会館
3.20(wed)栃木総合文化センター
3.23(sat)京都・KBSホール
3.24(sun)福岡国際会議場メインホール
3.30(sat)日本特殊陶業市民会館フォレストホール
4.7(sun)大阪オリックス劇場
4.19(fri)中野サンプラザホール
<NIGHTMARE TOUR 2013「beautiful SCUMS」追加公演>
2013.4.20(sat)日比谷野外大音楽堂
OPEN 16:45 / START 17:30
チケット料金 指定席・立見:¥5,500(tax in)
一般発売日 3月9日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
この記事の関連情報
【ライブレポート】中折れしない心を胸に! 仙台貨物の体当たりエンターテインメント
【ライブレポート】NIGHTMARE、最新シングル「Rebel」を掲げ2023年ライブ納め「お前達の本気具合を俺達に聞かせてくれ!」
【インタビュー】NIGHTMARE、“やんちゃ感”を発揮したニューシングル「“まだまだ俺らは尖ってるぜ!”っていう気持ちを持つのも大事」
シドのAKi、誕生日公演はHAZUKIとLM.Cとの3マン+バンドメンバーは一夜限りの特別編成
NIGHTMARE、新曲「Rebel」リリース
【ライヴレポート】MUCC × NIGHTMARE、ツーマンツアー<悪夢69>完遂「夢を見てる奴らに贈るぜ」
【対談 #4】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)が語る、<悪夢69>と確かな関係性「“株式会社ヴィジュアル系”で言ったら社長クラス」
【対談 #3】YUKKE(MUCC) × Ni~yaとRUKA(NIGHTMARE)が語る、<悪夢69>とリズム「V系が流行り廃りではなく文化になった」
【対談 #2】ミヤ(MUCC) × 咲人(NIGHTMARE)が語る、<悪夢69>とギター「空回りしてない?くらいのほうが面白い」