映画『コックファイター』、思わぬ登場人物に洋楽ファンにやり

ポスト

1月19日(土)より渋谷のシアター・イメージフォーラムにて39年の時を経て映画『コックファイター』が4週間限定で日本初公開となる。一途に闘鶏に命を懸けた呆れるほどお馬鹿でピュアな男を綴った作品なのだが、実はこの映画、音楽も非常に魅力的なのだ。

◆映画『コックファイター』予告編映像

この映画の音楽を担当したのは、マイケル・フランクスだ。フランクスはその後1975年に発表したセカンドアルバム『アート・オブ・ティー』で自らの音楽スタイルをスムースジャズ~AOR路線に転換し、以後一貫して同路線を継続することになるが、1977年発表のアルバム『スリーピング・ジプシー』に収録されたアントニオ・カルロス・ジョビンに捧げられた歌曲「アントニオの歌」がよく知られたところだ。

そしてこの映画には思わぬ人たちが出演している。ひとりはサザン・ロックの大ベテラン、ドニー・フリッツだ。…といっても出演当時はファースト・アルバムが出たかでないかのころで、駆け出し時代の貴重な活動の一端なのだ。ホテルでの闇闘鶏会場を襲うギャングのひとりとしてマスクを被ったままの演技のため、残念ながら素顔はわからない。老人のマスクを被った人物がそうだ。

ちなみに何故彼がこの映画に出演したかといえば、その前に『ガルシアの首』にも出演しており、ウォーレン・オーツの推薦によるものだったのだとか。

登場するのは彼のみにあらず、なんとオールマン・ブラザーズの面々も登場する。闘鶏のシーンを見学にやってきたところ、そのまま闘鶏場の観客として出演することになったのだとか。こちらは、「ジュニア」と呼ばれる青年との闘鶏シーンで青年が反則負けになる場面に注目すると、その会場のどこかにメンバーが映っている。ちなみにディッキー・ベッツはこの映画の音楽を作りたがっていたのだとか。

マイケル・フランクスの音楽に耳を傾け、ドニー・フリッツやオールマン・ブラザーズ・バンドのメンバーをスクリーンで探してみるというのも、音楽好きにとっての『コックファイター』の楽しみ方のひとつだ。ぜひともご注目を。


■モンテ・ヘルマン74年の幻の傑作『コックファイター』ニュープリント版
2013年1月19日(土)より
4週間限定、渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開後、全国順次公開
http://www.cock-f.com/
(C) 1974 Rio Pinto Productions, Inc. and Artists Entertainment Complex, Inc.
この記事をポスト

この記事の関連情報