【イベントレポート】中しま りん、箏と酒に酔いしれる1日
2012年11月と12月に「和に遊ぶ!竹ノ輪」主催のイベントが開催された。
◆中しま りん画像
最初に、お茶のCMでも流れている「Oriental Wind」をカバー。その後、箏を始めたきっかけ、箏奏者として活動することになった理由などをインタビュー形式で語る。そして、近世箏曲の祖である八橋検校作曲の「六段の調」。演奏後は、箏の歴史や箏が仕組み、箏柱(ことじ)と呼ばれるものや箏の譜面(箏譜)について話す。演奏最後は、オリジナル曲で「流るる」。おしぼり販売・レンタルを行う株式会社藤波タオルサービスの商品のイメージソングとして制作されたこの曲は、おしぼりを渡すという習慣が日本ならではの心づかいであることから、箏との繋がりを感じて書いた曲だ。
演奏後は、参加者が箏に触れる時間。「さくらさくら」のワンフレーズを弾いてみるというもの。爪を付けて、箏の前に向かうと背筋が伸びるような思いだ。中しまのアドバイスにより、ひとりずつ音を奏でていく。日本の伝統楽器でありながら、触れる機会が少ない箏を、多くの人に身近に感じてもらいたいという思いが溢れたワークショップになった。
12月16日(日)には演奏会<年の瀬に古民家で楽しむ箏と八海山>が開催された。会場は大塚にある築80年の古民家「gallery園」。この日は、古典を織り交ぜた選曲。オリジナル曲「永遠なるもの」からスタートし、カバー曲「蘇州夜曲」、ビートルズのカバーで「ノルウェーの森」、そして八橋検校作曲の江戸時代の曲「みだれ」。続けて聴くと、同じ楽器が奏でているとは思えないほど箏での表現の幅広さを感じる。古典では日本に伝わる和の心を、洋楽のカバーでは箏の新たな可能性を感じる。そしてオリジナルでは、中しまが表現したい箏の世界を。楽器はひとつでも、音の表情は無限にある。
後半には、沢井忠夫作曲の現代箏曲「鳥のように」を入れ、もう会うことできない人を思って書いたという「天を仰ぎて君想ふ」をしっとりと。そして、アップテンポな「梅の花」に続く。ラストはクリスマスが近いということで「Happy Xmas」。全10曲の演奏会だ。
洋楽器との共演が多い中しまは、ライブハウスでの演奏が多いが、古民家で座布団に座って聴く箏の音もまた秀逸だ。この日の中しま着物の帯はクリスマス柄。和のなかにひっそりと感じるクリスマスも日本ならではの味わいだ。
演奏会のあとは、麹料理と八海山を楽しむ時間。箏と酒に酔いしれる1日となった。
カメラマン:本間直子
<年の瀬に古民家で楽しむ箏と八海山 2012年12月16日>
第1部
1.永遠なるもの
2.蘇州夜曲
3.ノルウェーの森
4.みだれ
5.風ぐるま
第2部
1.Oriental Wind
2.鳥のように
3.天を仰ぎて君想ふ
4.梅ノ花
5.Happy X'mas(War is Over)
『十三夜月』B0095GIN7M
MIE-0009 \2,000(税込)
特典:「風ぐるま」の箏譜1人弾きver.(中しま りん直筆、解説付き)
1.華やぎ
2.My Favorite Things
3.風ぐるま
4.Oriental Wind
5.流るる
6.里の秋
7.ハシル!
8.歩
9.Point of Blue~蒼の世界~
10.Heal The World
11.環-wa-
12.蘇州夜曲
13.永遠なるもの
<“箏とピアノとバイオリン”りんたま+いづみ ~初春の音~>
2013年1月17日(木)
@六本木softwind(東京都港区六本木4-10-8 六本木パーレットビル6F)
出演:中しま りん(箏)、後藤魂(Pf)、武内いづみ(Vio)
開場19:00~
第1部20:00~21:00
第2部21:30~22:30
※60分×2ステージ・入れ替えなし
3,500円+ご飲食代
http://www.jazz.co.jp/LiveHouse/Cust_Sche/1407/reservation.html?LV_ID=1407&ID=50155
<新春 琴とシャンパーニュの会>
2013年1月26日(土)19:00~21:00
@ザ・ハウス白金(東京都港区白金台4丁目9-19)
会費:BS club 13,000円 / 一般 13,500円
http://www.salon-bonnesoiree.com/prof.html
<箏とフルート 如月の二重奏>
2013年2月16日(土)
@うおがし銘茶 築地新店 茶の実倶楽部 5F SPACE「会」
開場:13:00 開演:13:30
2,000円
http://rin-nakashima.jp/?page_id=6
[寄稿] 伊藤緑 http://www.midoriito.jp/
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◆中しま りんBlog「My life as a cat」