【異次元連載】トム・ハミルトンが語るエアロスミスの真実 Vol.6「名曲「ワット・クッド・ハヴ・ビーン・ラヴ~愛と呼べたもの」誕生の背景と、エアロスミスにおけるバラードの重要性」



当選ながら彼が言う“あの曲”というのはアルバムの4曲目に収録されている「テル・ミー」のことを指す。そしてトムは、このバンドにおけるバラードの存在理由について、次のように語っている。
「ある意味、僕らがここまで生き延びてこられたのはバラードのおかげともいえるんじゃないかな。当然ながらそれは僕ら自身がプレイしたいものであると同時に、このバンドのキャリアを持続させてくれるものでもあるんだ。よくこういった取材の際に、“40年にもわたって長続きさせることができている理由は?”と訊かれることがあるんだけど、言ってみれば僕らは“生き残るすべ”とでもいうべきものをいくつか見つけてきたんだよ」
つまり、そのひとつがバラードだということである。
「仮にエアロスミスが長ったらしい曲ばかり演奏するようなバンドだったら、誰もアルバムを買ってはくれないと思う。そうじゃないもの、すなわちこういったバラードとかがあるからこそ、僕らは世界中をまわってロックすることができるんだ。それにね、実際、ステージに上がってバラードを演奏したときのオーディエンスの反応を見ていると、いかにそういった曲たちがみんなに愛されているかが伝わってくるんだよ。たとえば『パーマネント・ヴァケイション』(1987年)からの「エンジェル」を演奏しているときにも同じことが起こる。エアロスミスのファンであることを自認する人たちが好きなのは、ファストでラウドな曲ばかりじゃなく、実に多様なんだってことを、僕らは長年の経験のなかで学びとってきたといえるね」

さて、次回はスティーヴンとジョー・ペリー、ブラッド・ウィットフォードの共作によるキラー・チューン、「ストリート・ジーザス」について語ってもらうことにする。どんな発言が飛び出すことになるか、お楽しみに!
取材/文:増田勇一
◆エアロスミス特設チャンネル「 【異次元連載】トム・ハミルトンが語るエアロスミスの真実」
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