佐野元春、東京公演ついにスタート、親密なクラブ空間で佐野元春の“今”を実感するステージ

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六本木・東京ミッドタウンのビルボードライブ東京で3月28日(水)、29日(木)の2日間、佐野元春によるライヴが行われた。同公演は、30周年のアニヴァーサリーイヤーを終えた佐野元春が、2012年“新たな表現の場”を求めて挑むビルボードライブ東京・大阪での3ヶ月連続ライヴの東京公演初陣であり、1ショウ300人という超プレミア・チケットを手にした熱狂的なファンたちは、親密なクラブ空間の中で佐野元春の“今”を存分に堪能した。

さらに、3ヶ月連続ライヴのファイナルを飾る5月公演には、2013年にデビュー60周年を迎える雪村いづみとの共演が決定。ふたりはかねてから交流があり、この3月、NHK-FM「元春レイディオ・ショー」でも貴重な対談をおこない話題となった。現在、彼女のために書きおろした新曲のレコーディングも予定されているとのこと。日本のロック・レジェンドと元祖Jポップ・プリンセスによる夢の共演は、日本の音楽史に新たな伝説として刻まれる特別な夜になることは間違いない。

<Billboard Live 'Smoke & Blue'>2012.3.28 2nd stage

佐野元春にとって初の試みとなる、ビルボードライブでのマンスリー・ライヴ(3ヶ月連続)初日に行ってきた。これまでのアリーナやホールと違い手が届きそうなクラブでのライヴとあって、彼の最良の理解者と思しき熱心なファンが見守る中、常に時代の先を走り続けてきた彼がふと立ち止まり、今という特別な時間を年齢を重ねたファンと一緒に楽しみながら共有しているかのような、終始そんな親密な空気感に包まれたショーだった。

この日演奏した曲は、どちらかというとじっくり聴かせる90年代の隠れ名曲中心で、その選曲にも彼一流の拘りが感じられた。またサポート・メンバーもお馴染みの井上富雄(B)、古田たかし(Dr)、Dr.KyOn(Key)の3人に、今回新たにチェリストの笠原あやの(Cello)が加わったシンプルながら過不足ない編成で、エレクトリックとアコースティックの両方の良さを兼ね備えたアレンジに、言葉本来の意味での“洗練の美”を見出せた。この“洗練”とはソフトで口当たりが良くなったという意味ではなく、徹底的に楽曲を磨き抜いた末の“洗練”で、今の佐野元春だからこそ辿り着いた潔い表現だと実感できるものだった。

そして「7日じゃ足りない」でのギター・ソロ、誕生日を迎えるファンに捧げた「二人のバースディ」でのキーボード・ソロも含め、歌だけではない味のある佐野のパフォーマンスを約20曲も楽しめたのだからファンは誰もが満足したに違いない。そして最後のロックンロール・メドレー~「バイバイ・ハンディラブ」でライヴ終了後、5月にビルボードライブでの共演が予定されている雪村いづみさんを佐野が観客に紹介するサプライズもあり、今後のマンスリーライブがますます楽しみになってきた。

文:保科好宏

佐野元春 and The Hobo King Band<Billboard Live 'Smoke & Blue'>
2012年3月19日(月)、20日(火・祝)大阪 / 3月28日(水)、29日(木)東京<公演終了>
2012年4月9日(月)、10日(火)大阪 / 4月15日(日)、16日(月)東京
2012年5月9日(水)、10日(木)東京 / 5月15日(火)、16日(水)大阪
※5月公演は、雪村いづみを迎えて開催
※大阪公演の雪村いづみゲスト出演は、5月16日(水)のみ。
東京:ビルボードライブ東京
東京都港区赤坂9丁目7番4号
[ご予約・お問い合せ]03-3405-1133
大阪:ビルボードライブ大阪
大阪市北区梅田2丁目2番22号 ハービスPLAZA ENT B2
[ご予約・お問い合せ]06-6342-7722
http://www.billboard-live.com"

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