デヴィッド・ゲッタ、ラスベガスのカジノでレジデントDJに
ラスベガスのウィンは今週、4会場(アンコール・ビーチ・クラブ、XS、トリスト、サレンダー)のエクスクルーシブ・レジデンシーとして契約した34アーティストを発表し、いちかばちかのEDMゲームへの掛け金を増やした。リストにはデヴィッド・ゲッタ、スクリレックス、スウェディッシュ・ハウス・マフィアのスティーヴ・アンジェロとセバスチャン・イングロッソ、ティースト、デッドマウスなどが含まれている。
対抗するのはDJに焦点を置いたコスモポリタンのマーキー・ナイトクラブ&デイクラブなどをマネージするストラテジック・グループのみ。カジノホテルへの投資はアーティストを引きつけることになりそうだ。
「カジノは無駄に時間を費やしたりしていない」とウィンのレジデントであるアフロジャックやデッドマウス、マーキーのレジデントであるカスケードをブッキングしているウィリアム・モリス・エレクトロニック社長のジョエル・ジマーマンは言う。「大物だけじゃない。これからのアーティストにとってもカジノは旅行客などに知ってもらういいチャンスになる。カルヴィン・ハリスのようなアーティストはそのおかげで大きく成長したんだ。誰にとっても素晴らしい基盤なんだよ」
DJレジデンシーというのはラスベガスでは比較的新しい発想だ。2年ぐらい前はツアー中のDJがたまに1回限りの出演をして、会場にロイヤルティが払われることもなかった。今や他との競争もあって大きなお金が絡むようになり、マーケティング予算に魅かれてアーティストやエージェントが契約を結ぶようになってきた。
アフロジャックは2010年にウィンとレジデンシー契約を結び、今年更新した。「もちろん、レジデンシーは僕のキャリアの進展に影響を与えたよ。それにもっとも楽しい経験のひとつなんだ。今では自分の家のように感じているよ」。アフロジャックはウィンの現地スタジオで仲間のレジデントであるスティーヴ・アオキと「ノー・ビーフ」をレコーディングし、ウィンの会場であるサレンダーなどでビデオを撮影した。クリップはYouTubeでこれまでに850万のビューを稼いでいる。
これはカジノのためにもなっている。「レジデンシーはパートナーシップのようなものだと思っている」とある経営者は言う。「私たちはこうしたアーティストに投資して、彼らのブランドを打ち立て、マーケティングし、ユニークな取材の機会を与えている。お返しに、クラブは最高のタレントと関係を持つことが可能になる。おかげで世界中に何十万人もいるファンに知ってもらえるようになるんだ」
実際にお金も儲かっていると言っていいようだ。XSは今年20パーセントもアップしている。何もない日曜夜の平均は3000人程度の入りだったのに、昨年10/30のデッドマウスが出演すると8500人が詰めかけた。
しかし、そんな日々も永遠というわけではないかもしれない。「今はウィンとコスモポリタンという二人のプレイヤーがいるから健全だ。それが4人になったら十分な客が集まらなくなるかもしれないね」とジマーマンは語っている。
◆ニュース提供:ビルボード
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