デヴィッド・ゲッタ「音楽の未来はAIに」
ニック・ケイヴは、AIサービスが制作した“ニック・ケイヴ風”の歌詞を「人間の存在をグロテスクなまでに嘲笑している」と非難したが、デヴィッド・ゲッタはAIにこの先の音楽の可能性を見出したという。
◆デヴィッド・ゲッタ動画
ゲッタは最近、「冗談」で、AIを使い“エミネム風のヴァースと声”をフィーチャーした音楽を制作。その出来が「信じられないほど良かった」ことからライヴ・ショウで披露した。
彼はこの体験により、将来、ミュージシャンはAIを一つのトゥールとして活用し、新しいサウンドを作り出すだろうと考えるに至ったそうだ。ゲッタはBBCにこう語った。「僕は音楽の未来はAIにあると確信している。疑いの余地はない。でも、一つのトゥールとしてだ。テイストに代わるものはない。ある特定のテイスト、表現したいと思うある種の感情を持っていることが、そのアーティストを特徴づける。そして、そのために最新の機器を活用することになるだろう」
「もしエレクトリック・ギターがなかったら、多分、ロックンロールはなかっただろう。Roland TB-303(ベース・シンセサイザー)やRoland TR-909ドラム・マシーンがなかったら、アシッド・ハウスはなかっただろうし、サンプラーがなかったらヒップホップはなかっただろう。僕は本当に、AIが新しい音楽のスタイルを規定するんじゃないかと思ってる。僕は新しい音楽のスタイルはどれも新しいテクノロジーから誕生すると信じている」
ゲッタはこの“エミネム風”の曲を正式にリリースするつもりはないものの、SNSで公開した。賛否両論を巻き起こしたが、「議論が始まること、認識をもたらすこと」が彼の狙いだったという。
Ako Suzuki