スタインバーグからDSP搭載USBオーディオI/O、6イン8アウトデスクトップ型「UR28M」&24イン24アウト1Uラック「U824」
ヤマハは、Steinberg Media Technologies GmbH(スタインバーグ)との共同開発によるスタインバーグブランドのUSBオーディオインターフェース「UR28M」(写真:左)を10月1日より、「UR824」(写真:右)を11月15日より発売する。
「UR28M」「UR824」は、ヤマハとスタインバーグの共同開発によるUSB2.0接続タイプのマルチ入出力型オーディオインターフェース。「UR28M」は6イン8アウトのデスクトップ型、「UR824」は24イン24アウトの1Uラックマウント型となっている。両モデルとも「MR816」で培った技術を惜しみなく投入、高音質かつモニタリング音の遅れを感じさせない録音環境を実現、強力なDSPエフェクトも搭載しているのがポイント。
また、豊富な入出力を備え、高品位なマイクプリアンプ「D-Pre」を搭載。これらのハードウェアの機能を余すことなく直感的に操作可能にするため「Cubase」シリーズとの高い親和性も図っている。そして、音楽制作ソフトウェア「Cubase AI 6」が初めてバンドルされるのも注目。購入後すぐに音楽制作がはじめられるパッケージになっている。各機種の概要は以下のとおり。
●「UR28M」はデスクトップ型の6イン8アウト
「UR28M」は、操作子を上面に集約、自宅の制作環境で使いやすいデスクトップ型のデザイン。入出力は6イン8アウト。2つのノイトリック製TRS/XLRコンボジャック入力にはマイクプリアンプ「D-Pre」を搭載。コンデンサーマイク用48Vファンタム電源供給対応、エレキギターやベースを直接接続するためのハイインピーダンス切り替えスイッチも備える。ギターとベースを同時録音といった用途もOKというわけだ。さらに2つのTRSによる計4アナログ入力、6アナログ出力に加え、2TR IN(ステレオミニ端子、録音用に使用不可、モニタリング専用)とS/P DIF(COAXIAL)のステレオデジタル入出力を備えてる。
ユニークなのが出力まわり。独立した6系統出力(3ステレオ)として使えるほか、最大3セットのモニタースピーカーを接続して、ワンタッチで異なるモニター環境で聴き比べるといったことが可能なのだ。本体のボタンやノブで、ボリューム、ミュート、モノラルミックスなどもコントロール可能。さらに独立した2つのヘッドホンアウトも装備。その操作感、環境はまさにプロスタジオのコンソールだ。
●「UR824」は高音質録音を追求したラックマウント型24イン24アウト
「UR824」は、24イン24アウトの1Uラックマウント型。8つのノイトリック製TRS/XLRコンボジャックによる入力、8つのTRS出力で構成される計8アナログ入出力、2系統のADAT入出力を備え、デジタル16チャンネル入出力をカバー。8つすべてのアナログ入力には高品位なマイクプリアンプ「D-Pre」を搭載、48Vファンタム電源供給対応、1/2chにはハイインピーダンス切り替えスイッチも備える。デジタル入出力には、オーディオ周波数帯のジッターを除去し、音質向上効果をもたらす「JetPLL」技術を採用。ADATデジタル接続の際にも、高いクロック同期性能を持つ。ワードクロック信号送受信用のBNC端子も搭載。「True Integrated Monitoring」を実現するDSPミキサーにより、最大24チャンネルの入力信号を4つのステレオにミックスして出力することができ、その中の2つのステレオを別々のヘッドホンでモニターすることが可能。また、任意のステレオ入力を任意のステレオ出力に直接割り当てることもできるようになっている。
「UR28M」「UR824」は、ともに2種類のDSPエフェクトを内蔵しているのも大きなウリだ。「Sweet Spot Morphing Channel Strip」(SSMCS)と「REV-X」がそれ。「Sweet Spot Morphing Channel Strip」は、ヤマハの技術開発グループ「K's LAB」が世界で名機と呼ばれるさまざまなコンプレッサーとイコライザーを徹底的に研究して開発し、それらを組み合わせたエフェクト。「REV-X」は、ヤマハがプロオーディオ機器用に開発し、デジタルミキサーなどに搭載されている高品位なデジタルリバーブエフェクトだ。
これらを使えば、録音時にレイテンシーのない、リバーブをかけた状態でのモニタリングができるのが最大の利点。ボーカルレコーディングにおける歌いやすい環境が揃うのだ。また、これらのエフェクトはCPUネイティブのVST3プラグインとしてもバンドル、DSPを使用せずにコンピューターだけでも使用することが可能だ。
「Cubase」シリーズ以外のDAWソフトウェアで「UR28M」「UR824」を使用する際には、付属の「dspMixFx」を使用する。UR本体に搭載しているDSPミキサーやDSPエフェクトの設定が可能。ASIOドライバまたはCoreAudioドライバと互換性のあるDAWソフトウェアで使用することができる。
●UR28Mによるボーカル録音のデモンストレーション
▲発表会で披露されたUR28Mによるボーカル録音のデモ。大小スピーカーをワンタッチで切り替えられたり、会話時にはボタン1つで再生音のボリュームがしぼれるディマーボタンのも便利。 9月13日に行われた発表会では、「UR28M」を使って、実際にボーカルデコーディングを行うというデモが披露された。ゲストとして招かれたのはボーカリスト平川紗絵さん。録音済のバックトラックに合わせてボーカルを録音。モニター音にはもちろん、「UR28M」のDSPによる「REV-X」リバーブが加えられている。録音データのプレイバックにはソフトウェアによる「REV-X」リバーブを使用。まったく同じ音での再現が可能であることが示された。Cubaseで使う分にはまったく同じUIのプラグインで設定でき、プリセットも共有可能だ。これまで大きなスタジオの器材を使ってきたという平川さんは、「UR28M」があれば家でもスタジオ同様のモニタリング環境や操作性などが揃うことや、リバーブのクオリティの高さに驚きつつも感動した様子。
ここで使用されたソフトウェア版のリバーブはDSP版と異なり、CPUが許す限りいくつでも使えるというのもポイントだ。プラグインはVST3対応ということで、使用可能なDAWソフトウェアが限られるのは残念だが、ハードウェアのDSPエフェクトだけでもレコーディング時のモニタリングにおけるアドバンテージは十分享受できるはず。「UR28M」は、このほか、各種ボリュームに加えミュートやワンタッチで音量をしぼれるディマー、モノラルミックスといったボタンも独立して用意するなど、録音時の操作が非常によく考えられているという印象。宅録派は要チェックのオーディオインターフェイスだ。
◆UR28M
価格:オープン(店頭予想価格 34,800円前後)
発売日:2011年10月1日
◆UR824
価格:オープン(店頭予想価格 79,800円前後)
発売日:2011年11月15日
◆URシリーズ 製品詳細ページ
◆プレスリリース
◆ヤマハ
◆スタインバーグ
◆BARKS 楽器チャンネル
「UR28M」「UR824」は、ヤマハとスタインバーグの共同開発によるUSB2.0接続タイプのマルチ入出力型オーディオインターフェース。「UR28M」は6イン8アウトのデスクトップ型、「UR824」は24イン24アウトの1Uラックマウント型となっている。両モデルとも「MR816」で培った技術を惜しみなく投入、高音質かつモニタリング音の遅れを感じさせない録音環境を実現、強力なDSPエフェクトも搭載しているのがポイント。
また、豊富な入出力を備え、高品位なマイクプリアンプ「D-Pre」を搭載。これらのハードウェアの機能を余すことなく直感的に操作可能にするため「Cubase」シリーズとの高い親和性も図っている。そして、音楽制作ソフトウェア「Cubase AI 6」が初めてバンドルされるのも注目。購入後すぐに音楽制作がはじめられるパッケージになっている。各機種の概要は以下のとおり。
●「UR28M」はデスクトップ型の6イン8アウト
「UR28M」は、操作子を上面に集約、自宅の制作環境で使いやすいデスクトップ型のデザイン。入出力は6イン8アウト。2つのノイトリック製TRS/XLRコンボジャック入力にはマイクプリアンプ「D-Pre」を搭載。コンデンサーマイク用48Vファンタム電源供給対応、エレキギターやベースを直接接続するためのハイインピーダンス切り替えスイッチも備える。ギターとベースを同時録音といった用途もOKというわけだ。さらに2つのTRSによる計4アナログ入力、6アナログ出力に加え、2TR IN(ステレオミニ端子、録音用に使用不可、モニタリング専用)とS/P DIF(COAXIAL)のステレオデジタル入出力を備えてる。
ユニークなのが出力まわり。独立した6系統出力(3ステレオ)として使えるほか、最大3セットのモニタースピーカーを接続して、ワンタッチで異なるモニター環境で聴き比べるといったことが可能なのだ。本体のボタンやノブで、ボリューム、ミュート、モノラルミックスなどもコントロール可能。さらに独立した2つのヘッドホンアウトも装備。その操作感、環境はまさにプロスタジオのコンソールだ。
●「UR824」は高音質録音を追求したラックマウント型24イン24アウト
「UR824」は、24イン24アウトの1Uラックマウント型。8つのノイトリック製TRS/XLRコンボジャックによる入力、8つのTRS出力で構成される計8アナログ入出力、2系統のADAT入出力を備え、デジタル16チャンネル入出力をカバー。8つすべてのアナログ入力には高品位なマイクプリアンプ「D-Pre」を搭載、48Vファンタム電源供給対応、1/2chにはハイインピーダンス切り替えスイッチも備える。デジタル入出力には、オーディオ周波数帯のジッターを除去し、音質向上効果をもたらす「JetPLL」技術を採用。ADATデジタル接続の際にも、高いクロック同期性能を持つ。ワードクロック信号送受信用のBNC端子も搭載。「True Integrated Monitoring」を実現するDSPミキサーにより、最大24チャンネルの入力信号を4つのステレオにミックスして出力することができ、その中の2つのステレオを別々のヘッドホンでモニターすることが可能。また、任意のステレオ入力を任意のステレオ出力に直接割り当てることもできるようになっている。
「UR28M」「UR824」は、ともに2種類のDSPエフェクトを内蔵しているのも大きなウリだ。「Sweet Spot Morphing Channel Strip」(SSMCS)と「REV-X」がそれ。「Sweet Spot Morphing Channel Strip」は、ヤマハの技術開発グループ「K's LAB」が世界で名機と呼ばれるさまざまなコンプレッサーとイコライザーを徹底的に研究して開発し、それらを組み合わせたエフェクト。「REV-X」は、ヤマハがプロオーディオ機器用に開発し、デジタルミキサーなどに搭載されている高品位なデジタルリバーブエフェクトだ。
これらを使えば、録音時にレイテンシーのない、リバーブをかけた状態でのモニタリングができるのが最大の利点。ボーカルレコーディングにおける歌いやすい環境が揃うのだ。また、これらのエフェクトはCPUネイティブのVST3プラグインとしてもバンドル、DSPを使用せずにコンピューターだけでも使用することが可能だ。
「Cubase」シリーズ以外のDAWソフトウェアで「UR28M」「UR824」を使用する際には、付属の「dspMixFx」を使用する。UR本体に搭載しているDSPミキサーやDSPエフェクトの設定が可能。ASIOドライバまたはCoreAudioドライバと互換性のあるDAWソフトウェアで使用することができる。
●UR28Mによるボーカル録音のデモンストレーション
▲発表会で披露されたUR28Mによるボーカル録音のデモ。大小スピーカーをワンタッチで切り替えられたり、会話時にはボタン1つで再生音のボリュームがしぼれるディマーボタンのも便利。
ここで使用されたソフトウェア版のリバーブはDSP版と異なり、CPUが許す限りいくつでも使えるというのもポイントだ。プラグインはVST3対応ということで、使用可能なDAWソフトウェアが限られるのは残念だが、ハードウェアのDSPエフェクトだけでもレコーディング時のモニタリングにおけるアドバンテージは十分享受できるはず。「UR28M」は、このほか、各種ボリュームに加えミュートやワンタッチで音量をしぼれるディマー、モノラルミックスといったボタンも独立して用意するなど、録音時の操作が非常によく考えられているという印象。宅録派は要チェックのオーディオインターフェイスだ。
◆UR28M
価格:オープン(店頭予想価格 34,800円前後)
発売日:2011年10月1日
◆UR824
価格:オープン(店頭予想価格 79,800円前後)
発売日:2011年11月15日
◆URシリーズ 製品詳細ページ
◆プレスリリース
◆ヤマハ
◆スタインバーグ
◆BARKS 楽器チャンネル
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