「WORLD SONIC NEWS VOL.23」レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「ジョシュはレッチリを恐れてない?」
今回ご紹介するのは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ!世界的に絶大な人気を誇り、これまでのアルバム・セールスは6,000万枚以上。グラミー賞も受賞した史上最強のロック・バンドとして君臨しています。そんなレッチリが8月31日に待望のニュー・アルバム『アイム・ウィズ・ユー』をリリースします。前作『ステイディアム・アーケイディアム』から5年ぶりの新作は新しいギタリスト、ジョシュを迎えて制作された、新生レッチリのアルバムとしても大注目されています。そんなレッチリのメンバー、フリーとチャドのインタビューをお届けします。
◆レッド・ホット・チリ・ペッパーズ画像
まず、日本のファンのために、新作の聞き所を話してもらいました。
「日本のファンにまず言いたいのは、みんなのことを愛してるし、ピース・アンド・ラヴ!みんなが抱きしめ合って、微笑んでいることを願ってるよ。そして日本人の回復力のすごさ、魂、そして人格をリスペクトしているよ。それ以外で言うなら…俺は話すのが得意じゃないから、このアルバムのサウンドを上手く説明できないかもしれない。でもベストを尽くすよ(笑)。この作品には、みんなが大好きなレッド・ホット・チリ・ペッパーズの曲と同じような高いクオリティのソング・ライティングが入っている。美学的にもサウンド的にも、俺たちは新たな方向性へと成長した。このアルバムで、新しいグルーヴと、新しいファンク、新しい荒々しさを見つけることができた。それがファンを感動させることを願ってるよ。そんな感じだね」──フリー
続いて、新メンバーのジョシュを迎えて、アルバム制作の過程で何か変化があったのか、聞きました。
「俺たちは常に成長して、変化しようとしてるし、ミュージシャンとしても、ソングライターとしても常に向上したいと思っている。ジョシュが参加したことで、全てが変化したんだ。いちばん大きな変化は、フリーがピアノで書いた曲を持ち込んだことだった。それは俺たちにとって、初の試みだったよ。ジョシュは色々な楽器が演奏できるんだけど、彼もピアノで書いた曲を持ち込んだ。それは今までと違う試みだったし、俺たちのクリエイティビティをすごく刺激してくれたよ。でもレコーディングに入る前は、一切、既成概念を持ち込まないようにしてるんだ。とにかく、常に誠実で、心を込めた曲を作りたいと思ってるし、今回もそれを実践したんだ。そこから自然にこのアルバムが生まれたんだよ。どんなアーティストも成長し、変化することが大切だし、俺たちはどのアルバムでもそれを実践してきた。だから、新しい要素は取り入れてるけど、曲を演奏しているのはいつもの俺たちだし、このアルバムを誇りに思ってるよ」──チャド
「俺もちょっと付け加えたいんだけど、歴史的にこのバンドが誕生してから、様々な変化があった。いちばん大きくて、聴き比べると、サウンドは進化し、変化してきたのが分かる。でも、俺らが学んだことや、バンドの長所は保つようにしていて、そこに新たな要素を追加してる。チャドが言ったように、俺たちは常に学び、成長しようとしてるんだ。過去にやったことを捨て去るわけじゃなくて、そこに新たな要素を加えていって、俺らの音楽的パレットを拡張させてるんだ。そうすることで、新しい演奏法やアプローチを見つけてるんだ。だから、ファンが期待している作品だと言ってくれて嬉しいよ。曲作りをし始めるときはそれを意識してるわけじゃなくて、とにかくそのときの自分たちの気持ちを正直に表現しようとしてるんだ。でもミュージシャンとしての俺の目標は、人を感動させることさ。バンドとしての俺たちの最大の使命は、人々に孤独ではないという気持ちにさせることなんだよ。人生というのは辛いことがたくさんあるし、俺たちは人々を元気にさせるバンドでありたい。そういう意味で、バンドとして多くの人とコネクトして、その役割を果たしたい」──フリー
ところで新ギタリストにジョシュを選んだ理由は何だったのでしょうか?
「理由はいくつかあったよ。まず第一に、彼は既に俺たちのファミリーの一員だったんだ。世の中には数多くのギタリストがいるけど、彼が17歳のときから友達だったし、ずっと交流があったんだ。それに、彼とジョンは何枚かのアルバムを一緒に作ったんだ。彼のハートは既にレッチリと共にあったんだ。彼のハートがあるところに、肉体を持ってくることは、そんなに難しくなかった(笑)。それに、ジョシュはひとりの自立したミュージシャンさ。俺たちにおべっかを使わないし、一緒にいて緊張するわけじゃないし、俺たちに合わせようと全く思ってないんだよ。実は、ジョシュに“レッチリの一員にならない?”とオファーしたときに“ちょっと考えさせてくれ”と言われて、2週間返事がなかったんだよ(笑)。いや、もっと長かったかもしれない。3週間かかったよ(笑)。普通は“レッチリという有名なロック・バンドの一員になれる!”って二つ返事でOKするけど、彼にとってそういうことは大事じゃないんだ。彼はマジで、そういうことを気にしてない。彼は自分のクリエイティビティを大切にしているし、ひとりのクリエイティブな人間として、いちばん良い決断をしたかったんだと思う。彼は何も恐れてないんだよ。少なくとも俺たちのことを恐れてないね」──フリー
レッチリは今年のサマソニのヘッドライナーを務め、スタジアムに集まったオーディエンスを圧倒的なパフォーマンスで魅了しました。そして、大好きな日本で、新しいレッチリをお披露目できて、とても喜んでいたそうですが、今年、東日本大震災に見舞われた日本に、ベース担当のフリーがこんなメッセージを寄せてくれました。
「俺らは日本のみんなのために祈ってるよ。東北の人々は本当に大変な状況に置かれていることは分かる。アメリカでは数週間は日本の震災がニュースになっていたけど、今はニュースから消えてしまった。でも大変なのはこれからだということは分かるし、色々な事実が明るみになってきたと思う。だから、日本の人々のためにいつも祈ってるし、いつも日本のことを想ってる。この信じられないほど困難な状況において、日本の人々のスピリットがどれだけ強いかに驚かされてるよ。日本についてのニュースを読んだり、見たり聞いたりするときに、日本人のポジティブな姿勢に感動させられる。俺の愛と祈りとサポートを日本に送りたい。俺らが人生で直面している困難は、日本の東北の人々に比べたら何てことないよ。俺らは幸運だと思う」──フリー
新ギタリスト、ジョシュを迎えて制作された新生レッチリのニュー・アルバム『アイム・ウィズ・ユー』をまだ聴いていない方、ぜひチェックしてください。めちゃカッコいいです!新型レッチリの新たな飛翔を感じさせます。
text by kenji kurihara:UNITED PROJECTS
『アイム・ウィズ・ユー』
WPCR-14182 2580円
◆WORLD SONICチャンネル
◆WORLD SONIC オフィシャルサイト
◆J-WAVE SATURDAY SONICサイト
◆BARKS洋楽チャンネル
この記事の関連情報
【ライブレポート】レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、キッズから年配の方まで全世代歓喜
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテ「僕は握手はしない」
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、アンソニー・キーディスの自伝が映画化
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、オーディションでのチャド・スミスの第一印象は最悪
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、イベント出演中止を歌で謝罪
グレン・ヒューズ、チャド・スミス&ジョー・ボナマッサとディープ・パープルの楽曲をプレイ
【ライブレポート】レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、約16年ぶり単独公演“東京ドームに還ってきた”
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ来日公演、追加席の発売決定
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス、パブで17人を前にパフォーマンス