アリス=紗良・オット、新作はベートーヴェン

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ドイツ人の父と日本人の母をもつアリス=紗良・オットが、ドイツ音楽の真髄でありピアノの新約聖書と呼ばれるベートーヴェンのソナタに挑んだ。幾多のコンクールで優勝を勝ち取ってきたアリスがその技巧を駆使し、「ベートーヴェンの傑作の森」に挑むニュー・アルバムは、演奏家としてその真価を問われる勝負作となるものだ。

◆アリス=紗良・オット画像

選曲はハ長調の2曲のソナタを軸に、当初はワルトシュタインの第2楽章として作曲された「アンダンテ・ファヴォリ」と「失われた小銭への怒り」を収録するというこだわりよう。さらに、日本のファンのために「エリーゼのために」を特別収録したという。

アリス=紗良・オットは、先日、ロンドン・バービカン・ホールにて予定されていたラン・ラン(ロンドン交響楽団とリストのピアノ協奏曲第1番を演奏予定であった)の代役を務め、大絶賛された。音楽評論家ヒラリー・フィンチ曰く「彼女の演奏は美しさといたずら心も併せ持ち、自由で流れるように鳴り響き、わざとらしいところがないところが何といってもすがすがしい。オットは室内楽奏者としても熱心で、ロンドン交響楽団の首席クラリネット奏者アンドリュー・マリナーとの親密なデュエットや、その後の2本のヴァイオリンとの演奏でそれが証明された。第3楽章でトライアングルと共に妖術のような低音が躍り出ると、オットの指はまるで地獄の熱でやけどをしたかのように鍵盤の上を跳ね回った…彼女の演奏はまるで人生を謳歌しているようで、アンコールも当然で、ショパンの夜想曲嬰ハ短調をそれまでとはうって変わってとても優美に展開した」とLSO(ロンドン交響楽団)デビューを大絶賛している。

現在オフィシャルサイトでは、アリス=紗良・オットからニュー・アルバム発売の最新のメッセージが公開されているので、是非チェックを。

『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番<ワルトシュタイン>他』
2010年12月15日発売
UCCG-1518 2,800円(税込)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 作品2の3
ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 作品53 「ワルトシュタイン」
アンダンテ・ファヴォリ へ長調 WoO57
ロンド・ア・カプリッチョ ト長調 作品129 「失われた小銭への怒り」
バガテル「エリーゼのために」WoO.59※日本盤のみのボーナス・トラック
※録音:2010年8月 ハンブルク

◆アリス=紗良・オット・オフィシャルサイト
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