秋吉敏子ジャズ・オーケストラ、東京公演開催

ポスト

78歳の現在も現役、世界的名声を得ているジャズピアニニストの秋吉敏子。ニューヨークを拠点に活動する彼女が、1973年にフルート、テナーサックスの名手であり、夫でもあるルー・タバキンと結成したジャズ・オーケストラを率いてこの度来日し、魂のコンサートを行なう。

◆秋吉敏子画像

曲は、代表作である「ロング・イエロー・ロード」ほか。スペシャルゲストに、実娘であるマンディ満ちるを迎える。今後もソロでの演奏活動は精力的に行なうことと思われるが、ビッグバンドを引き連れての、来日公演の機会は貴重なもの。秋吉の迫力ある演奏を聴く貴重なコンサートを、お見逃しなく。

<秋吉敏子ジャズ・オーケストラ東京公演>
2010年10月18日(月)
@浜離宮朝日ホール(東京・築地)
18時30分開場、19時開演
秋吉敏子ジャズ・オーケストラ
Featuring ルー・タバキン
With マンディ・満ちる

2010年10月18日
@浜離宮朝日ホール
PROGRAM
1.ロング・イエローロード(Long Yellow Road) 1961年
秋吉敏子の代表作であり、オープニングを飾るテーマ曲ともなっている。生まれ故郷である旧満州の真直ぐに伸びた黄色い道のイメージ、渡米して体験した黄色人種故に味わった苦難の道のり、ジャズで志を遂げるまでの道程は長く遠いという心情が込められている。秋吉の類稀なる個性が打ち出された傑作である。
2.砂漠の女(Desert Lady Fantasy) 1993年
ルー・タバキンが、砂丘に住む女性を主人公とした日本映画に着想を得て書いた作品で、元々はルーのカルテットで演奏していた曲を秋吉がビッグバンド用にアレンジした。秋吉自身はこの曲を聴いたとき、近東のイメージや以前見た北アフリカのドキュメンタリー映画を思い出したとのこと。テナー・サックスとトロンボーンによるソロを含めて、張り詰めるような緊張感を持った曲である。
3.ワーニング!サクセス・メイ・ビー・ハザードゥス・トゥ・ユア・ヘルス(Warning! Success May Be Hazardous to Your Health) 1976年
“注意:成功はあなたの健康に良くないかもしれない”という意味で、タバコの注意書きをもじった曲名である。この曲が書かれたころは、アルバム「孤軍」の成功もあり、秋吉にとって大変多忙で、まさに「成功が彼女の健康に害をもたらすかも…」という時期であり、「成功に浮かれるな」と自戒を込めたのであろうか。
4.康定情歌(中国民謡)
中国の四川省康定県に伝わる民謡を、今回の中国公演のために秋吉自身がアレンジした。康定県は四川省のカンゼ・チベット族自治州に位置する。跑馬山を臨む風光明媚な康定の情景と1組の男女の恋をシンプルに歌い上げた民謡で、中国全土に知られる人気曲である。
5.ダンス・オブ・ザ・グレムリン(Dance of The Gremlins) 1996年
4分の3拍子で快調にスイングするオープナーとして書かれ、アルバム「フォー・シーズンズ」の一曲目に収録された。秋吉は、CDの時代になり長時間通して聴くことを踏まえて、聴衆がコンサートを聴いているという考えでアルバム制作をするようになったという。最初「ワルツはいかが?」という曲名も考えていたこの曲は、ビッグバンドの迫力とダイナミズムに溢れている。
6.ミラノの饗宴(Feast in Milano) 1982年
イタリアに演奏旅行に行った際、公演の後で、やっとの思いで皆がナポリタン・スパゲッティにありついた時の想いを曲にしたと、後に秋吉自身が語っている。5拍子のラテンのリズムを使った明るい曲で、バリトン・サックスによる「げっぷ」が聞こえてくるような愉快なアレンジから、コンサート後のメンバーの陽気な宴の様子が伝わってくる。
7.ユーロジー(Eulogy/2nd Movement from Tribute to Duke Ellington) 1999年
組曲「トリビュート・トゥ・デューク・エリントン」の中の一曲。デューク・エリントンの生誕100周年を記念して、米カリフォルニア州のモントレー・ジャズ祭は、エリントンに捧げる30分の大作を秋吉に依頼した。三部構成のパート2にあたるユーロジーは“思い出”といった意味。ルー・タバキンのテナーをフィーチャーし、雅楽風の響きがジャズ・サウンドに溶け合う。
8.孤軍 (Kogun) 1974年
第二次大戦後、フィリピンのルバング島で30年近く任務解除を待ち続けた小野田少尉のエピソードに感動して書いた曲。当時、秋吉自身もアメリカで“孤軍"だった。マイノリティである日本人がジャズを創作し、演奏することの意味を問い続けた苦闘の結晶として完成した曲である。バンドのデビューアルバムのタイトルともなったこの曲がヒットし、バンドの輝かしい歴史は幕を開けた。
9.チェイシング・アフター・ラブ(Chasing After love) 1978年
アルバム「塩銀杏」の中の曲で、ルー・タバキンのテナー・サックスを大きくフィーチャーした曲。リチャード・ロジャースの書いた映画主題曲でスタンダード・ナンバーにもなっている「Lover」のコード進行に基づいて、全面的にルーのテナー・ソロを聴かせる意図で書かれたアップテンポの軽快なナンバー。2003年に東京で行われたラスト・コンサートでも演奏された。

秋吉敏子 Toshiko Akiyoshi (p,cond)
ルー・タバキン Lew Tabackin (ts,fl)
デイブ・ピエトロ Dave Pietro (as,fl)
デビッド・ビクスラー David Bixler (as)
トム・クリステンセン Tom Chiristensen (ts)
マーク・ロープマン Mark Lopeman (bs)
ダン・レヴィン Dan Levin (tb)
アラン・ファーバー Alan Ferber (tb)
アンディ・ハンター Andy Hunter (tb)
ティム・ニューマン Tim Newman (btb)
マイク・ポネーラ Mike Ponella (tp)
ジョー・マグナレリ Joe Magnarelli (tp)
ジョン・エッカート John Eckert (tp)
アレックス・シピアギン Alex Sipiagin (tp)
ポール・ギル Paul Gill (b)
アンディ・ワトソン Andy Watson (ds)
チェンボ・コーニエル Chembo Corniel (conga)
マンディ・満ちる Monday Michiru (vo)

指定席:10,000円 自由席:7,000円
[問](株)テムジン Tel:03-3466-5031
この記事をポスト

この記事の関連情報