your gold, my pinkがみせる、自由なセンスとドリーミーな多幸感
2009年にミニアルバム『parade』でデビュー、自由かつ祝祭感あるポップセンスで注目を集めたツイン・ヴォーカルの4人組、your gold, my pink。2ndミニアルバム『pray』はバンドにとって本領発揮となる一枚だ。ドリーミーな白昼夢を思わせるサイケデリックなバンド・サウンド。甘くとろけそうなメロディ。トライバルなダンス・ビート。爽やかなハーモニー。全8曲のバラエティは幅広いが、そのどれもに聴いた人を笑顔にするような高揚感が満ちている。
◆「star fall」PV映像&your gold, my pink画像
結成は2007年。それぞれ別のバンドでフロントマンだった小塚(Vo、G)と板持(Vo、G)が合流することで、ツイン・ヴォーカルのバンドとして始動したyour gold, my pink。2人の個性が融け合うことで徐々に今の音楽性が出来上がってきた。
「2人とも曲を書くので、とりあえず曲を持ち寄って、やりながらだんだん今の形に研ぎ澄まされていった感じですね」──板持
「特に何も縛られず、やりたいことをやろうと。シンセも弾いたし、サンプラーもあった。やりたい放題やってきたなかで、だんだん今のような音楽になってきた感じですね」──小塚
MGMTやヴァンパイア・ウィークエンドなどインディ・ポップの現在進行形ともリンクするようなセンスも感じさせる彼ら。そのルーツは90年代の洋楽ロックシーンにあるという。
「僕はアメリカのインディロックを結構聴いてきていて。ソニック・ユースみたいな、グランジやオルタナがルーツなんです。で、小塚はイギリスの音楽をよく聴いてきた。USとUK混じり合ってる感じですね」──板持
「オアシスやブラーも好きですけれど、1番はマンチェスターですね。ザ・ストーン・ローゼズとかハッピー・マンデーズとか」──小塚
メンバーの脱退と加入もあり、2010年に入ってバンドを取り巻く環境は大きく変化。新作のムードには、そのことも強く影響を与えているという。
「今回のアルバムはメロウというか、メランコリックな感じがあると思いますね。メンバーも変わったし、自然な流れで、センチメンタルな曲が出てきた感じがします」──板持
トロピカルなリズムのダンス・ナンバー「froth on the daydream」に始まり、4つ打ちのダンス・アンセム「twinkle steps」など、キャッチーな楽曲も多数収録した本作。ラストの「twilight, twilight」など、ギターノイズが心地よい余韻を残す曲も印象的。アルバムは、独特の多幸感をもたらしてくれる1枚に仕上がっている。
「ふわっとした、ドリーミーな感じですよね。そういうのは好みですね」──小塚
「メランコリックだとしても最終的に一筋の光は見せたいし、そういうところにいきたいと自分たちも思ってやってるから。それを感じてもらえるのは嬉しいです。“祈り”というタイトルも、そういう思いでつけたので」──板持
「ただ暗い方向にいくんじゃなくて、幸福感に繋がっていくような。そういうことは意識しましたね」──小塚
ロック、ポップス、USインディーやシューゲイザー、ニューウェーブ、J-POPまであらゆる音楽性を詰め込みながらも、あくまでポップに昇華した全8曲。ツインヴォーカルはそれぞれの個性を放ち、耳に残る鮮やかなメロディーを紡ぎだす。バンドサウンドもスケールアップし、カラフルでドリーミーな音から垣間見える変態性が、より遊び心の効いたサウンドを鳴らしていて、思わずニヤリとしてさせてくれる。聴けば聴くほど癖になる、ももいろの黄金ポップ、是非チェックを。
『pray』
2010年7月7日発売
UKDZ-0102 ¥2,100(税込)
1.froth on the daydream
2.adolescence
3.twinkle steps
4.demon's hole
5.star fall
6.jelly beans are dancing, we are starting over
7.sail moon
8.twilight, twilight
◆your gold, my pinkオフィシャルサイト
◆your gold, my pinkマイスペース
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