最新音楽ツールに触れられる「IMSTA FESTA」開催

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●日本初上陸!iPhone用AmpliTube iRigも展示、メディアインテグレーション
◆メディアインテグレーション
鍵盤&ギターも用意して、ピアノ音源「IVORY II」やギターアンプシミュレーター「AmpliTube 3」を試奏可能な状態でスタンバイしたメディアインテグレーションの展示コーナー。セミナーではSURFACEの永谷喬夫氏参加の「AmpliTube 3 Demo, Live & Talk」を開催、多くの参加者を集めた。同じくIK Multimedia製品ではiPhone用バージョン「AmpliTube iRig」も初お披露目。iPhoneにギターを接続できるようにするハードウェア「iRig」とソフトウェア「AmpliTube Free for iPhone」を含むパッケージは夏ごろ4,830円で発売予定。ソフトウェアはアンプ数などでグレードを複数用意、iTunes App Storeで公開される予定。つまみなどは通常のiPhoneアプリ同様にタッチやスライドして操作。ただし、ワウワウはiPhoneのセンサーを利用して傾きを検知することで、ギターを演奏しながらでもパラメーター変更が可能になるのだとか。

▲SURFACEの永谷喬夫氏による演奏とトークを交えたセミナーを開催。AmpliTube 3には非常に満足しており、とくにORANGEのアンプをモデリングしたものがお気に入りとのこと。

▲初お目見えのiRig。iPhoneと接続、コネクタはギター用とヘッドフォン用を備える。ソフトウェアは小さくともAmpliTube。

●iPhoneでも動作!クラウド型VSTを紹介するビープラッツ
◆ビープラッツ
一般発売される製品がまったくなく異色の展示となったのがビープラッツの展示スペース。参加企業はビープラッツとなっているが、内容的にはヤマハとの共同展示となっており、「遂にベールを脱いだクラウド型VST」と題して、クラウドコンピューティング時代の音楽制作のあり方を紹介するという内容(ちなみにヤマハはIMSTAには参加していない)。セミナーはヤマハの開発者によるテクノロジープレビューの形式で、クラウド型VSTの動作デモのほか、メリットやビジネススキームなどの紹介が行われた。音楽制作の現場だけで使われてきたVSTを、ゲームやウェブサービス、携帯電話向けアプリケーションなどへ活用できるようにするという目的で開発されており、クラウド型とすることで、インストール不要で試用できる、他人のプロジェクトファイルの再現ができる、さまざまなプラットフォームで共通のものが使えるといったメリットがあるという。もちろん課金の面でのメリットもいうまでもない。開発や機能提供はヤマハ、プラグインベンダーやユーザーの窓口および課金管理などはビープラッツが行う。動作デモは、CubaseのVSTプラグインとしてリバーブやピッチ修正のPitchFixなどのプラグインをインターネット側サーバーを経由してかけるというシンプルなもの。VSTプラグインのほか、FlashやiPhoneアプリでも利用可能ということで、さまざまな活用方法が見出せそうな内容だった。

▲展示スペースはCubaseが動作するPCが1台。VST PLUGIN DOCKにより、サーバー側に用意されたEQやリバーブ、Pitch Fixが動作している。レイテンシは2秒、ローカル処理をONにすることも可能。

▲iPhoneでもすでに動作。Web上のMP3ファイルをクラウドを介して再生すると、エフェクトがかかった状態で再生されるというもの。サウンド用プロクシーといった趣き。

●Arturiaによるビンテージシンセのソフト版を多数揃えたフックアップ
◆フックアップ
DJ CONTROL E2+などHerculesのDJギアも多数展示したフックアップのブースを彩っていたのは、ビンテージシンセサイザーのサウンドを再現するAuturiaのソフトウェアシンセサイザー。数多くのシンセサウンドのプリセットと専用のUSB/MIDIキーボードをセットにした「Analog Experience」シリーズを中心に、minimoog、CS-80、ARP 2600、Prophet、Jupiter-8など、名前を見ただけでその特徴あるサウンドがイメージできそうな単体ソフトもズラリ。実際の音色も70~80年代の名機そのものといった感じだし、演奏および音色の編集を行えるコントローラーキーボードの使い勝手もよさそう。また、オーディオピッチ編集ソフトの「Melodyne」については目黒真二氏のセミナーも開かれ、ギターのコード演奏やオーケストラのオーディオ素材を使い、1音1音のピッチやビブラート、タイミングをまるでMIDIデータのようにドラッグ操作だけで簡単に変更、修正できる様子が実演された。

▲右手前がAnalog ExperienceシリーズのUSB/MIDIコントローラーキーボード。つまみやフェーダーで素早く音色を編集できる。

▲手前からICON社のiシリーズ3モデル、HerculesのDJ CONTROL E2+、パッケージはオーディオ解析性能に定評あるMelodyne。和音の構成音ひとつひとつのピッチやリズム、ビブラートなどを簡単に編集可能だ。

●Liveに加えMOTU製品も取り扱い開始、ハイ・リゾリューション
◆ハイ・リゾリューション
ハイ・リゾリューションのブースは、独自のインターフェイスを持つオーディオループソフトのLiveが中心。最新版のLive 8とともに、Liveを活用するためのギアも多数展示。マトリクス表示が目を引くNovationのLaunchPadは、Liveと組み合わせられるコントローラで、クリップの状態を表示する64のマルチカラーパッドから各クリップの操作を素早く行えるほか、ミキサーモードではボリュームやパンのコントロールも可能。また、つまみやボタンにLEDを配して視認性のよいMIDIコントローラのZERO SL MK IIやNocturnコントローラ、鍵盤付きのNocturn KeyboardなどNovationらしい革新的な製品も多数。そしてDP7を中心とするMOTU製品で目立っていたのが発表されたばかりのギター入力用の「Zbox」。Hi-ZとLo-Zの2つの入力を装備した、ドライバー不要のシンプルな「インピーダンスマッチボックス」だ。同じくMOTUの民族楽器専用音源「Ethono 2」も注目を集めていた。

▲Novationのコントローラ。手前右が64個のマルチカラーパッドを搭載したLaunchPad、その左はNocturn Keyboard。

▲MOTUのインターフェイスは下から896 mk3、828 mk3。その上に乗っているのがZbox。画面の音源はは「Ethino 2」。

●V-STUDIO 20はMacにも対応、IMSTA FESTA初参加のローランド
◆ローランド
DAWソフトのSONARを中核にソフトウェア/ハードウェアを統合したDAWシステムV-STUDIOシリーズを中心とした展示したローランド。フラッグシップモデルとなるV-STUDIO 700は、19イン/24アウト、マイクプリアンプ等も備える24ビット/192kHz対応のI/Oモジュール、タッチセンス付きムービングフェーダー搭載のコンソール、さらにはFantomシンセも内蔵するという豪華な仕様。それよりコンパクトなV-STUDIO 100は8イン/6アウト仕様で、単体レコーダーとしてスタンドアロン動作も可能。さらに、これら既発売の製品とともに今年登場したばかりのもっともコンパクトなギタリスト向けバージョンV-STUDIO 20も、Mac対応バージョンということで来場者の興味を引いていたようだ。

▲中央はムービングフェーダー搭載のV-STUDIO 700のコンソール。その右はレコーダーとして単体動作も可能なV-STUDIO 100。

▲BOSSのエフェクトも搭載するギタリスト向けのV-STUDIO 20はMac対応版を初披露。エディターやコントローラー付属でLogicからも利用可能に。
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