ショパン伝説のラスト・コンサートをここに再現

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<ラ・フォル・ジュルネ音楽祭>をはじめ、<TOKYO FM開局40周年>記念イベントにおいてピアニスト横山幸雄によるギネス記録が誕生するなど、ショパン生誕200周年の2010年は、ショパン関連で非常に盛り上がっているところだが、また新たに一味違うコンピレーションアルバムがリリースされている。

『ショパン 伝説のラスト・コンサートin Paris 1848.2.16』だ。

このアルバムは、平野啓一郎がショパンを描いた小説『葬送』(新潮文庫)に対応したCDとして2010年2月に発売された『葬送 平野啓一郎が選ぶ”ショパンの真骨頂”』に続く、第2弾の企画となるもの。

今作は小説『葬送』の第二部冒頭で100ページにわたって描き出されたショパンのパリでの最後のコンサート・シーンをCDで再現したものなのである。

そもそも、なぜ伝説のラスト・コンサートと呼ばれるのか。ショパンはたくさんの名曲を世の中に生み出してきているが、故国ポーランドを離れ、パリの社交界のサロンで活躍していた20年のうち、リサイタルは生涯でわずか6回ほどしか行なっていない。母のようにショパンの世話をしてくれた恋人で作家のジョルジュ・サンドとの別れで傷心のショパンに、友人たちが勧めて実現したのがこのコンサート。1848年2月16日にショパンが愛したピアノ商のプレイエルホールで行なわれたが、高額にもかかわらず300席はすぐに完売し、結局このコンサートがショパン最後のコンサートとなってしまった。ファンの間で現在も語り継がれている伝説の一夜のプログラムが、この伝説のラスト・コンサートなのだ。

CDには、平野啓一郎によるライナーノーツ&解説も掲載、作家ならではの視点と想像力で臨場感あふれる見事な書き下ろし原稿が楽しめるのも特筆だ。

『ショパン 伝説のラスト・コンサートin Paris 1848.2.16』
TOCE-56300,01 2枚組 2,800円
CD1 第一部
・モーツァルト:ピアノ三重奏曲 ホ長調K542 / ダニエル・バレンボイム、ニコライ・ズナイダー、キリル・ズロトニコフ・
・ショパン:ノクターン第8番 変ニ長調 作品27-2 / サンソン・フランソワ
・ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 作品60 / ディヌ・リパッティ
・ショパン:エチュード第1番「牧童」作品25-1、25-2、25-7 / アンドレイ・ガヴリーロフ
・ショパン:子守歌 変ニ長調 作品57 / ダニエル・ バレンボイム
CD2 第二部
・ショパン:チェロ・ソナタ 作品65 第2~3楽章 / ジャクリーヌ・デュ・プレ、ダニエル・バレンボイム
・ショパン:プレリュード 作品28-8 / ドミートリ・アレクセーエフ 作品28-10、28-11 / サンソン・フランソワ 作品28-12、28-17 / ギャリック・オールソン
・ショパン:マズルカ 第5番作品7-1 / ウィトルド・マルクジンスキー
第6番7-2 / ロナルド・スミス、
・ショパン:ワルツ第7番作品64-2 / ディヌ・リパッティ 第1番作品18「華麗なる大円舞曲」/ ディヌ・リパッティ
・ショパン:ワルツ第6番「小犬のワルツ」作品64-1 / イングリット・フリッター
※ボーナス・トラック(幻のアンコール曲)
・ショパン:マイヤベーアの「悪魔のロベール」の主題による協奏的大二重奏曲 ホ長調 / アンドレアス・ブランテリド、マリア・シリニアン
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