THEATRE BROOK、2年間の活動休止を経てついに再臨

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THEATRE BROOK ロック界の良心、シアターブルック 2年間の活動休止を経て、ついに再臨

シアターブルックがアニメの主題歌ですからね。とうとうこんな時代もきたのねって、こっちもびっくりしましたよ。

――そして、復活したシアターブルックはといえば、なんと1995年にメジャー・デビューを飾ったエピックからのリリースが決まり。こうして20年以上もバンドが続けられて、作品をリリースし続けられるって本当にミラクルなことですし。そういうミラクルを呼び込むパワーを持ってるバンドなんですよね。きっと。

タイジ: 間違いなくそうやと思う。

――デビューしてからずっと、音楽ファン、業界内のファンに愛され続けているというのも、そういうことだと思いますし。

タイジ: 玄人ウケするバンドなんですよ。それは、演奏が上手いから!?(笑)演奏は抜群に上手いと思いますからね。でも、音楽で一番大事なのは、技術だとは俺は思わないですよ。それでも、詩の書き方とか曲の書き方とかアンサンブルの仕方とか、全部“あー、このコ全然練習してへんな”っていうのは嫌やし、聴いてられへんし。そういうのが増えてきたのは事実。そういう後輩のバンド見たら、ホンマに説教するときもあるしね。だからといって、技術だけではない。オモロくないと意味がないんで。

――そうですね。オモロいってところでは、あれですよ。再始動第1弾シングル「裏切りの夕焼け」がアニメ『デュラララ!!』のオープニングでいきなり流れてきて。これには驚きましたよ!!

タイジ: シアターブルックがアニメの主題歌ですからね(微笑)。とうとうこんな時代もきたのねって、こっちもびっくりしましたよ。でも、面白かったのはね“あんまりアニメに寄らないで下さい”っていわれて。俺は最初、がっつり(歌詞をアニメに)寄せて書いてたんですよ。それを引き戻して書き直したり。“なるほど、いまの時代はこういう風にやるのね”って、それは面白かった。だから、今回の(歌詞)は“なんとなく寄ってる”、ぐらいなんですよ。

――曲自体はアニメの主題歌用に書き下ろしたものなんですか?

タイジ: 曲はシアターブルックのアルバム用に書き下ろしたものです。

――楽曲自体はえらくシンプルにきましたね。そこに今回のシアターのプログレッシヴさを感じましたが。

タイジ: そうそうそう。なんかね、どうやら俺は最近、ストレートなロックンロールを所望しているようで。そういうのが出てくるんですよ。この曲が、再始動して一番最初のレコーディングだったんですけど、エマーソン(北村/Key)とかには“この曲、シアターブルックの流れの中でちょっと唐突じゃないっスかね”っていわれましたけど、“いいんです!”と。俺もそれは思いましたよ、こんな8ビート、いままでやってないですからね。

――そうですよね。復活第1弾なんで、シアターらしいグルーヴィ・チューンでくるのかなと思いきや。

タイジ: 俺もそういくのかなと思ってたけど。モノ創りの方法として“ここにいこう”って最初に決めてしまうと、その過程で湧き出てきたアイデアを排除してしまう可能性があるから。その可能性を排除せずに全部の選択肢を残しながら、そのなかで出てきちゃうものを優先して創っていくんで。いま作ってるアルバムもそういう風にやってます。

俺が思う“いっちばんカッコええバンド”が重要なアルバムを出そうとしてるってことだから……これはハズせないですね。

――なるほど。カップリングの「未来を今」は、シビレまくりでしたよ。凄いです! サウンドも歌詞も。

タイジ: 無茶苦茶いいでしょ? これ、演奏は休止前の2006年のレコーディングなんですよ。こっちはアンサンブル的にもものすごいピターッてきてるでしょ? 演奏も集中してるし、すごくいいんですよ。で、「裏切り~」のほうはけっこう演奏も荒っぽいでしょ? 新人バンドみたいで。面白いんですよね。

――「未来を今」の歌詞にはどんなメッセージがあるんですか?

タイジ: 結局何がいいたいのかも分からんもんね(笑)。言葉的なところで、ここんとこずっとテーマにあるのは、<すべての人生は無意味だが、すべての人生に何らかの意図はある>ってこと。

――「裏切り~」の一節にもそれと似たフレーズがありましたよね。

タイジ: ありますね。カルロス・カスタネダという作家の本が強力で、わりと感化されてますね。

――「裏切り~」には妖精、「未来を~」には精霊が出てきますが。タイジさんには、普通の人には見えないなにかが見えてたりして。

タイジ: あぁ~、白い龍、見ましたよ。あのね、奄美で皆既日蝕のパーティがあって。僕はそのパーティにThe SunPauloで出演していて。朝9時ぐらいかな。山に向かってもくもくした雲みたいなのが見えて、……え! 違う、これ雲じゃない……UFO? もくもくじゃなく、ピカってしてたんですよ。それで、あっ……龍だ! って。龍って白いんやなぁ、っていうか、白い色をした龍もおるんやな。

――シアターもタイジさんも、なにか呼んじゃう神秘的なパワーがあるんですね。きっと。

タイジ: 俺のはね、人間としての選択肢が広いってことです。自分のなかの“ない”ということはないってこと。

――おぉー、なるほど。では最後に、現在制作しているアルバムについて教えて下さい。

タイジ: 客観的に考えても、ものすーーっごい重要なアルバムやというのは間違いないですからね。だからね、いま一生懸命、しこしこと頑張っておりますな。いっちばんええロックバンドっていう自負があるんですよ。いろいろ人気のバンドはいるけど、そういうんじゃなくて。だから、俺が思う“いっちばんカッコええバンド”が重要なアルバムを出そうとしてるってことだから……これはハズせないですね。楽しみっスよ。どんなんになるのか。

取材・文●東條祥恵

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