[クロスビート編集部員リレー・コラム] 中嶋編「ザ・スターティング・ライン」
現在発売中のクロスビート3月号の輸入盤レビューで紹介しているパーソン・エルは現在活動休止中であるザ・スターティング・ラインのフロントマン、ケニー・ヴァソーリによる別プロジェクト。そのファースト・アルバム『ザ・ポジティヴズ』のプロデューサーは、2009年解散を発表したコープランドのアーロン・マーシュだ。そしてパーソン・エルは3月から始まるコープランドのラスト・ツアーに前座として参加する。
同じく3月号でライヴ・レポートを掲載しているフィンチのネイト・バーカロウはザ・スターティング・ラインの1作目にゲスト・ヴォーカルで2曲参加しているし、2009年11月に来日公演を行なったメイのセカンド・アルバム『ジ・エヴァーグロウ』のデラックス・エディションにはケニー・ヴァソーリがゲスト参加。こんな風に、レーベルメイト同士はもちろん同じシーンで活躍するバンドとの交流も盛んなのが2000年代前半のUSエモ/ポップ・パンク・シーンであり、その中心にあったのがドライヴ・スルー・レコードだった。
しかしそれも今は昔。レーベル一番の大物だったニュー・ファウンド・グローリーがメジャーでの契約を終了したことに象徴されるように、ビッグ・ビジネスの波に揉まれたバンドたちは次々と失速していった。
その中でもスターティング・ラインはよく戦ったと思う。ミッドタウン(ヴォーカルのゲイブ・サポータは現在コブラ・スターシップで活躍中)やサムシング・コーポレート(2010年3月にアメリカで再結成ライヴが決定)が次々に活動を休止していった中、彼らは2008年までレーベルを変えながら踏ん張っていた。だから、彼らのラスト・ショウを収めたCD+DVD『Somebody's Gonna Miss Us』を観ても、悲しいというよりは「おつかれさま」という気持ちになる。途中、フォー・イヤー・ストロングがコーラスで飛び入りする場面があるのだが、彼らはまさにドラスル全盛期に育ったキッズ。彼らのような若手が、この遺伝子を次に運んでいくに違いない。
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MAE(Multisensory Aesthetic Experience)
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Four Year Strong
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