「俺たちがロックだ!」44MAGNUM公演に赤坂BLITZが“過激に楽しく”熱狂

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お馴染みの往年のメンバーたちは“現役感充分”であるどころか、彼らの影響下にある世代のミュージシャンたちを脅かし得るだけの勢いと貪欲さを維持しているし、STEVIEとSHUSEという新戦力もまた、このバンドにかつてとは異なった種類の躍動感と切れ味をもたらしていた。

結果的に2時間20分近くにも及んだライヴの最後を締めくくったのは、昔から彼らの看板曲であり続けている「SATISFACTION」。オーディエンスがこの曲を大合唱するさまを見渡しながら「みんなの笑ってる顔を見たいんだけど」と語っていたPAULだが、その言葉が投げかけられる頃には、すでにほぼすべての観客が笑顔になっていたはずだ。彼に「東京! 超楽しいんだけど!」という言葉を吐かせたファンの熱意も、今回の公演を成功させた重要な一因だったといえる。

余談ながら、ステージの中盤、スタッフをねぎらう感謝の言葉を発したPAULに対し、客席からは「(みんなが協力を惜しまないのは)PAULがいるからだ!」という声が飛び、期せずしてPAULコールが発生するという場面も。

さらにこの夜、PAULの口からは「俺たちを武道館、いや、東京ドームに連れて行ってくれ!」という大胆発言や、なにやら宣戦布告めいた「俺たちがロックだ!」という言葉も飛び出した。そして、それに同調して大歓声をあげる観衆。かつて「世界でいちばん熱いバンド」を自称していた44MAGNUMのライヴは、今や過激さと円熟味、アットホームな楽しさを一度に味わえるものとなっていた。序盤、PAULは、やや反応の薄かった2階席の関係者たちに向かって「そのうちオマエらのケツを蹴り上げるぜ」と挑発の言葉を浴びせていたが、最後にはその2階席も「SATISFACTION」の合唱に加わっていた。

「また今度会うときも、みんなの楽しんでる顔を見せてください!」

PAULは最後、そう言ってステージから去った。実際、その“今度”がいつのことになるのかは、今のところ具体的には公表されてはいない。しかし、それがいつ、どんな機会であろうと、44MAGNUMがステージに立ち続ける限り、フロアにはかならず笑顔が集まっているに違いない。

文●増田勇一
写真●植田信
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