【短期集中連載】増田勇一のサンフランシスコ日記(6)最終回
JOE PERRY PROJECTを観て深酒をした翌日は、完全なオフ。これは滅多にないこと。当然ながら仕事を忘れて観光と買い物に明け暮れるしかない…と朝から気合充分だったのだが、どうもホテルの窓から見える街の様子がおかしい。繁華街のど真ん中なのに、道行く人の数が昨日までよりも極端に少ないのだ。
なんと本日11月26日は、サンクスギヴィング・デイ。頭のなかで「ガーン!」という音がするのが聞こえた。張りついた笑顔のメイドさんに「ハッピー・サンクスギヴィング!」なんて言われてもちっとも嬉しくない。大概の商店は休みだし、この日に限ってたいしたライヴが見つからなかったのも単純にそのためだったのだ。ちなみに前夜、JOE PERRY PROJECTと重なっていたために観られなかったのはVADER。そして27日、帰国当日だから観損ねることになるのが判明していたのがHATEBREEDとTRIVIUM(とその他たくさん)。26日にはクラブも休業しているところが多く、営業していてもカラオケ・パーティーとか。いっそのこと、そこで歌って賞金稼ぎなんてのも悪くはないが、ジャパン・バッシングの一因になるかもしれないから遠慮しておくことにしよう。
こういう日こそ営業していそうなのが、博物館とか美術館。で、ちょうどいい具合にリチャード・アヴェドンの写真展を開催中だったサンフランシスコ近代美術館に、ガラにもなく(そういえばメリーのガラは元気だろうか?)出向いてみたところ、休館。フェリー・ターミナル周辺の店ならばやっているかと思えば、こちらも大半が休業。ヒッピー発祥の地として知られるヘイト・アシュベリーにも行ってみたが、飲食店以外はほとんど休みで、人影もまばら。しかし、こうして閑散としたサンフランシスコを一人で歩くのもオツなもの……なわけがない。が、ホテルに戻っても仕方がないし、ぶらぶらしているしかない。結果、この日はバスやケーブルカーを乗り継ぎながら、写真など撮りつつ散策。最後は「きっと観光客向けのところなら活気があるはず」とにらんで出向いたフィッシャーマンズ・ワーフ(実際、その判断が正解だった。みんな他に行くべきところがなかったらしく、かなりの混雑ぶり)で食事をして、そこでサンフランシスコ最後の夜を終えることになった。
そして翌27日には現地を発ち、28日の夕刻に帰国。それから4日後の12月2日には無事にジョー・ペリーとの電話インタビューも完了。「先週、フィルモアで観させてもらったんですが」と言うと、電話の向こうの渦中の人は、ライヴの冒頭3曲をカメラマン・ピットで撮影していた日本人の存在を思い出したようだった。しかし、仕事とはいえ30年以上前から好きなバンドのメンバーから自宅に電話がかかってくるという事態は、ちょっと冷静に考えてみるととても非現実的。まさかこっちが日本茶すすりながら話しているとは、さすがのペリー氏も思っていなかったに違いない。
増田勇一
▲ケーブルカーに乗ってフィッシャーマンズワーフへ。DIR EN GREYの某メンバーも本当はここでカニを食べたかったに違いない。 |
▲あと1日だけ滞在が長ければ、このライヴも観ることができたのに。ちなみにこの会場界隈は、街のメインストリートのくせしてかなりデンジャラス。 |
こういう日こそ営業していそうなのが、博物館とか美術館。で、ちょうどいい具合にリチャード・アヴェドンの写真展を開催中だったサンフランシスコ近代美術館に、ガラにもなく(そういえばメリーのガラは元気だろうか?)出向いてみたところ、休館。フェリー・ターミナル周辺の店ならばやっているかと思えば、こちらも大半が休業。ヒッピー発祥の地として知られるヘイト・アシュベリーにも行ってみたが、飲食店以外はほとんど休みで、人影もまばら。しかし、こうして閑散としたサンフランシスコを一人で歩くのもオツなもの……なわけがない。が、ホテルに戻っても仕方がないし、ぶらぶらしているしかない。結果、この日はバスやケーブルカーを乗り継ぎながら、写真など撮りつつ散策。最後は「きっと観光客向けのところなら活気があるはず」とにらんで出向いたフィッシャーマンズ・ワーフ(実際、その判断が正解だった。みんな他に行くべきところがなかったらしく、かなりの混雑ぶり)で食事をして、そこでサンフランシスコ最後の夜を終えることになった。
そして翌27日には現地を発ち、28日の夕刻に帰国。それから4日後の12月2日には無事にジョー・ペリーとの電話インタビューも完了。「先週、フィルモアで観させてもらったんですが」と言うと、電話の向こうの渦中の人は、ライヴの冒頭3曲をカメラマン・ピットで撮影していた日本人の存在を思い出したようだった。しかし、仕事とはいえ30年以上前から好きなバンドのメンバーから自宅に電話がかかってくるという事態は、ちょっと冷静に考えてみるととても非現実的。まさかこっちが日本茶すすりながら話しているとは、さすがのペリー氏も思っていなかったに違いない。
増田勇一
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