フィルハーモユニーク、現代人が住む荒れ果てた土地を潤す待望の1stアルバム『ウラシマノウタ』リリース特集

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フィルハーモユニーク 待望の1stアルバム『ウラシマノウタ』2009.11.25リリース特集

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INTERVIEW

──ついに初のフル・アルバムが完成しました。今の心境は?

五郎川陸快: ようやく完成した、という安堵感でいっぱいです。

中村聡志: 14ヶ月くらい時間をかけて作ったアルバムでして、ようやくみなさんの元へ届くんだななぁ、という気分です。

──デビュー以降、五郎川さんは弾き語りで全国をまわる「旅」をしたり、またバンドとしてもさまざまな経験をして完成させた1枚。バンドの足跡が、ここにはしっかり刻まれているワケですね。

五郎川: 最初は、弾き語りで全国をまわった経験のなかから生まれた楽曲を元にアルバムを作ろうとしていたんです。でも、レコーディングの途中段階でその音を聴いた時に、弦やピアノといった音が目立ち、バンド感が伝わるサウンドになっていないことに気付いたんです。それで、もう一度フィルハーモユニークとはどういうバンドなのか? それを自分のなかで洗い直して、その答えになるようなアルバムを作ろうという目的を持ち、悩みながら完成させたアルバムなんです。

──今回のアルバムでバンド感やフィルハーモユニークらしさを伝えるために、どういった部分にこだわって制作したのですか?

五郎川: 聴いていて暖かさを感じるというか、人間味のある音にこだわったものにしようと、4人で話し合って決めました。

今泉慎也: 五郎川の作った曲のイメージを元に、これをどう自分達らしい音で表現するのか、全員で話し合いながら音を決めていった感じですね。

──レコーディングは、一発録りですか?

五郎川: そうですね。ライヴ感を出したいと思って。なかでも印象的だったのが「みちしるべ」でしたね。シングル曲だったので、ちょっと前に録りましたが、これが上手くいかなかったら、今日は終わりにしようという緊張感のなかでレコーディングしたんですよ。でも、その緊張感のおかげで、納得のいく曲に仕上がったのかなって。

中村: このバンドは緊張感があったほうが、いいサウンドに仕上がることが多い。だから常に、その気持ちを忘れずにレコーディングに取り組んでいます。でも、決してそれはプレッシャーとして感じるのでなく、楽しみながら緊張しているというか。

原拓馬: また、今回メンバー一人一人が主張のある音を作ろうというのも、隠れたテーマとしてありました。だから、それぞれが曲をしっかり聴いて、そこでどう自分を表現したらいいのか、じっくり考えたうえでレコーディングに臨んだんです。結果、いろんなアイデアが4人のなかから生まれてきて、楽しい作業になりましたね。

──4人とも異なる音楽的な趣味とかありそうですから、ユニークなアイデアがいっぱい浮かんだんでしょうね。

五郎川: そうですね。みんないい意味で趣味がバラバラなんで。だけど、4人とも“歌”が好きで、また歌詞をしっかり届ける音にしたいという思いは共通しているので、まとめるのが大変ということはなかったですね。

──では、それぞれのパートで、こだわったことがあったら教えてください。

中村: このバンドの特長は、暖かさのなかにある芯の通ったヴォーカルがポイントだと思っているので、ボクはできるだけそれに寄り添うような音にしようと心がけました。

原: ボクはこのバンドのギターとしてやるべきことは、曲そのものを彩ることだと考えた。だから、曲自体が持っている風景を底上げするような音色にすることを心がけましたね。

今泉: これは自分らしさというより、フィルハーモユニークらしさに繋がるんですけど。五郎川の作り出すアイデアには、定番のコード展開みたいなものがないんですよ。それを演奏していると、すごく面白い。結果、他のバンドにはないグルーヴ(うねり)が、どの曲にもあらわれているんじゃないかなって。

──では、歌詞やソングライティングについて、五郎川さんに伺います。なぜ『ウラシマノウタ』というタイトルなんですか?

五郎川: 光の速度で物体が移動すると、時間の経過がゆっくりになっていくという“ウラシマ効果”からタイトルをとったものです。このアルバムが、聴いた人すべてを照らす光になり、また長きに渡って愛される音楽であればいいと思って名付けました。

──なるほど。

五郎川: 現在って、週がわりで新しい音楽が発信されて、もはや使い捨て状態になっていると思うんです。でも、音楽ってそもそも賞味期限なんてないし、ボクらはこれからずっと歌い続けていくもの。そういう思いもアルバムには込めているんです。

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