上原ひろみ、初めてのストレート・アヘッドなアルバムをスタンリー・クラーク・トリオとしてリリース

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2008年1月、まだ1年余り前のことなのに、すでに伝説となっているチック・コリアとの共演アルバム『Duet』をリリース、そして5月には日本武道館での2人だけのコンサートを大成功させた上原ひろみが、新たに伝説となるアルバム『ジャズ・イン・ザ・ガーデン』をリリースした。

このアルバムは上原ひろみの単独名義ではなく、スタンリー・クラーク・トリオ名義。そう、ジャズ界の巨人ともいえる超人気実力派アーティストである「リターン・トゥ・フォーエヴァー」のスタンリー・クラーク(b)とレニー・ホワイト(ds)に上原ひろみを加えた3人の名義としてリリースされたアルバムだ。

圧倒的なテクニックを誇る3人がタッグを組んだとなったら、どんな超絶技巧が乱れ飛ぶのかと思いきや、これが予想に反して実に渋みを感じる作品に仕上がった。上原にとっても、このようなストレートな作品は初めて。マイルス・デイヴィスの「ソーラー」からディズニー・スタンダードの「いつか王子様が」、さらにレッド・ホット・チリ・ペッパーズの「アンダー・ザ・ブリッジ」、「さくらさくら」、そして上原ひろみの新曲「ブレイン・トレーニング」、「シシリアン・ブルー」の2曲を収録している。

そのテクニックと前衛的でクロスオーバーなジャズ解釈が前面に出がちな彼女だけに、こういったアコースティックを中心としたストレートなジャズ作品は、ファンも待ち望んでいたのではないだろうか。相手がソロのときは確実にバックをサポートし、自分のソロでも決して出しゃばることなく少ない音数で自己を主張する。スタンとレニー・ホワイトという大物とがっぷりと組み合ったフェイクなしのガチンコ対決だ。

2008年はTBS「レコード大賞」(優秀アルバム賞)、日本ゴールド・ディスク大賞(ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー)他を受賞。2009年も3月には代々木第一体育館にて行なわれたイベント<DO YOU DREAMS COME TRUE? SPECIAL LIVE !>でもDREAMS COME TRUEと共演して拍手喝采を浴びた上原ひろみ。2009年も、その活動の速度を緩めることはなく、秋にはソロアルバムの発売も予定しているということだ。

◆iTunes Store 上原ひろみ(※iTunesが開きます)
◆上原ひろみオフィシャルサイト
◆上原ひろみレーベルサイト
◆スタンリー・クラーク・トリオ・レーベルサイト
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