プロディジー、現代の音楽シーンを震撼させるモンスター・バンドが放つ最新鋭の激ヤバ最新アルバム『Invaders Must Die』特集

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プロディジー THE PRODIGY 5年ぶりの最新アルバム『Invaders Must Die』リリース大特集

リアム・ハウレット、キース・フリントへのロング・インタビューを含む総力特集

INTERVIEW-03

──本作はいわゆるパンク的な戦い方とヒップホップ的な戦い方とレイヴ的な戦い方を融合したUKのカウンターカルチャーのイコンでもあるプロディジーをモダンにアップデイトした傑作と言えると思うのですが。

リアム:そういってもらえて嬉しい。ありがとう。

キース:とても優れた観察力だ。スゴイ。

リアム:俺たちにできることはいいアルバムを作るということで、正直に言って、俺たちはそういったアルバムを作ったと思う。

キース:そういった要素が俺たち独特の要素で、それが俺たちなんだ。それは間違いない。

リアム:俺たちの初期には、困惑していた人が大勢いた。テクノが好きだったらテクノ・アーティストになってテクノを作るべきだと考えていた。大勢の人たちが俺たちのことを誤解していた。俺たちは誤解されていた。「どうしてこいつらはヒップホップも好きで、テクノも好きで、ロックも好きだなんて言えるんだ? どれもこれも好きなはずないだろ? 本来はこうでなきゃ、ああでなきゃ」と言っていた。俺たちはそういった音楽全部が好きで、それらは俺たちの好きな俺たちのカルチャーで、俺たちの音楽はそういう音楽が好きであることの産物なんだ、と言ってきた。今はもっと人々がオープンになって、今のオルタナティヴ・ミュージック・シーンはそういった要素を導入したシーンだ。ある意味、俺たちの音楽もそのシーンに属してると考えてもいいかもしれない。境界線を超えている音楽だ。俺たちが活動し始める前は、ロック・クラブではダンス・ミュージックがかかることはなかった。ロンドンのロック・クラブでロック・ナイトがあったら、ダンス・ミュージックはまったくかかることはなかった。でも、「Voodoo People」はかかって、『Kerrang!』も取り上げてくれた。Moratはこの雑誌のジャーナリストで、彼が…

キース:俺たちのアルバムを支持してくれた。

リアム:アルバムを支持してくれた。彼がそうしてくれたおかげで、みんなが応援してくれるようになって、俺たちのこともみんなに理解してもらえるようになったんだ。

──今のUKの社会的状況とバンドの楽曲は関係していると言えますか?

リアム:そういったことはこのアルバムでは重要ではなかった。そういったことを反映しているアルバムを作ることには興味はなかった。パーティー・アルバムとしていい作品を作りたかったんだ。ダークな作品は作りたくなかった。今の社会状況を反映したものだったら、もっとダークな内容になっていただろう。でも、もしかしたらそのリアクションとしてパーティー・アルバムを作りたいと思ったのかもしれない。今は困難な時代だからな。そういったことは考えてなかったけど、そろそろ…

キース:俺たちの音楽は、現実逃避なんだ。プロディジーのショーも現実逃避だ。世の中が辛い状況になっていれば、俺たちのショーに足を運んでくれ。俺たちがそれを変えてやるよ。ハッピーな時を過ごして互いに抱擁し合うってもんじゃなくて、ちょっと羽目を外せるような時間だ。世知辛い世の中であれば、このバンドは必ず生き残っていける。俺たちはそういう時期にこそ生き残れるバンドで、最高な状態となる。そういった状況だと俺たちは逆に強くなっていって、バンドが最高の状態になるんだ。

──結婚のようですね。

キース:残念なことに俺たちはこのバンドと結婚してるんだ。いや、残念なことでは全然ない。二重婚してるようなもんだな。

──2月5日に東京でスペシャルなギグが決まりましたね! どのようなショウになりそうですか?

リアム:東京でのライヴはとても楽しみにしていて、小規模なクラブ・ギグとなる。俺たちは小さなギグだとワクワクするんだ。昔のような強烈な感じだ。元々俺たちはそういったバンドだからね。それに今作の音楽にも合っていると思う。自分たちの昔に戻るようだ。イギリスでもツアーをしたばかりで、最初の方にやった幾つかの会場と同じサイズだと思う。

キース:強烈なライヴだ。

リアム:強烈で熱くて汗だくになるようなライヴだ。まるでみんなが自分の上に乗りかかってくるような感覚のライヴで、俺たちはそういうギグが大好きだ。

キース:日本に行くのが大好きなんだ。日本のテレビ用インタビューだから、もちろんそういう風に言うよな。アメリカに行くのが大好きだなんて言うはずがない。でも本当なんだ。<サマー・ソニック>でのライヴは最高だった。

リアム:とんでもなくよかった。

キース:スタジオコーストでのあの経験でバンドはエナジーを得たし、曲作りの助けとなった。あのショウはとにかく凄かった。このアルバムを作り終えた後にも俺たちを待ってくれている熱心なファンがいてくれている。俺たちはそういた意味でも日本のファンに感謝しているよ。日本のファンは最高だ。だから、2月のギグは超強烈なものとなる。それに耐えられるようだったら是非観に来てくれ。とんでもなく凄いものになる。会場を引き裂くほどに暴れるからな。

リアム:16曲やると思う。ちょうど終わったばかりのツアーでは、新曲を5、6曲演奏している。オーストラリアに行った後に日本に行くんだ。すごく楽しみだよ。

──日本のファンにメッセージを。

キース:日本のファンには、バンドを理解してくれて、バンドに忠実にいてくれて、そして、君たちのくれるエナジーにありがとうと言いたい。俺たちの大ファンでい続けている君たちのことは非常にリスペクとしている。

リアム:ニュー・アルバムを気に入ってもらえたら嬉しい。ありがとう。

Interview by Yuzuru Sato
translation by Mariko Shimbori

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