増田勇一のライヴ＆取材日記：2008年10月総集編（1）

10月6日のオフスプリング公演初日速報以来、ライヴ＆取材日記の更新を怠ってきたが、もちろんそれ以降、ライヴも取材もなかったというわけではない。現実はむしろその逆。ライヴと取材が立て込みすぎて原稿を書く時間をなかなか捻出できなかったのだ。というわけで、10月いっぱいまでの“僕自身の動向”をざっくりとご報告しておこうと思う。

[10月7日]
日中に取材1本。夜は国際フォーラムにてレディオヘッドの追加公演を鑑賞。これは仕事ではなく、普通にチケットを購入して純粋に楽しむために観たライヴ。一言でいえば、本当に素晴らしいライヴだった。ちなみにこの日はトム・ヨークの誕生日。客席から「ハッピー・バースデイ！」という声が飛んだとき、ちょっと照れくさそうに表情を崩した彼の姿が妙に可愛らしかった。かつて『OKコンピューター』当時にプロモーション来日した際、風邪のために鼻水が止まらず、ティッシュを片時も手放せなかったトムが、その状態のまま写真撮影に臨むことになり、鼻のまわりを真っ赤にしながら「ゴメンね。せっかく撮ってもらうのにこんな状態で」的なことを言ったときのことを、ふと思い出してしまった。そんな彼も、この日で40歳（のはず）。でも彼自身はあの頃と比べても、そんなにも変わっていないのかもしれない。

そしてこの夜、ライヴ終了後はそのまま次の取材現場に直行。深夜と言っていい時間帯、都内某所にて清春のインタビュー。こちらは現在発売中の『フールズメイト』誌12月号に掲載されている。ちなみに清春はこのとき、10月30日のバースデイ・ライヴを控えていたわけだが、その夜をもって彼も40代に突入。この偶然について、実は僕自身、この夜の時点ではまだ気付かずにいたのだが。

[10月8日]
午後、都内にてシンダー・ロード（CINDER ROAD）というアメリカはボルチモアを拠点とするニュー・バンドを取材。彼らのデビュー・アルバム『スーパーヒューマン』は、日本でも11月26日にリリースを迎える。詳しいことはまた機会を改めてお伝えしたいと思うのだけども、今回の取材に応じてくれたフロントマンのマイクは、80年代の“華のあるロック”が心底大好きな若者。その種の音に飢えている人たちは、今からこのバンド名をおぼえておいたほうがいいだろう。ちなみにこのインタビューは11月20日発売の『CDジャーナル』誌に掲載予定だ。

[10月11日]
午後、都内にてメリーのインタビュー。今回の取材相手はガラと結生。話の主題は11月26日発売のニュー・シングル、「冬のカスタネット」。表向きは“クリスマス・ソング”的なたたずまいをしているこの曲だけども、もちろん単なる季節ものではなく、実にディープなインサイド・ストーリーが伴った作品でもある。こちらについても、詳しくは発売中の『フールズメイト』誌を参照のこと。

メリーのインタビュー終了後は地下鉄で新木場に向かい、STUDIO COASTでスリップノットのライヴを堪能。スペシャル・ゲストとして登場したマシーン・ヘッドの“頼りがいのある兄貴”っぷりも含め、両バンドの持ち味をしっかりと味わい尽くさせてもらった。この夜、スリップノットは、いわゆるパイロを使用しなかったのだけども、それを補って余りあるほどに運動量豊富なステージングからは目を離すことができなかったし、コンパクトかつ出し惜しみのない演奏メニューも見事だった。こういうライヴは観る側も体力を消耗するものだが、それと引き換えに活力も得られるというもの。そして言うまでもなく、帰宅後の僕にはたくさんの締め切りが待ち受けていた。

というわけで、この続きはまた明日にでも。

増田勇一