CANTA、テクニカルでメロディアス、光り輝くロックサウンドが溢れるくらいに詰まったベスト『きらきら』リリース記念大特集
CANTA 結成6周年記念 CANTAの歴史を凝縮したキラキラのベストアルバム『きらきら』リリース記念大特集 全曲徹底解説-01-
MASAKI「これもライヴではよく登場してる曲。一番太い弦だけ2音下でヘヴィーに感じさせる(1音下げのチューニングから1番太い弦をさらに1音下げた)チューニングにも関わらず、曲の雰囲気で明るく感じるっていう」
雷電湯澤「CANTAの王道の1曲。ライヴならではのタオル投げパフォーマンスもあるし。僕はフロントの2人がタオルを投げて天井に引っかかるのを毎回楽しみにしてて(笑)」
ルーク篁「MASAKIは狙ってるよね。実はこの曲、聖飢魔IIを解散した後、初めてコンピュータの中で作った曲で。そういう意味でいうと、当時の自分のやりたいことが凝縮されてる。パンキッシュな衝動もあるし、テクノの要素もあるし、自分の中ではいろんな実験をしてたよね。この曲のデモ・ヴァージョンを持ってヴォーカリストを探してたな…」
MASAKI「記念すべき1stアルバムの1曲目。デビュー・ライヴの1曲目でもある、正にCANTAのスタート地点ですね」
雷電湯澤「そう。今はなき新宿リキッドルームでCANTAが産声を上げた瞬間だね」
ルーク篁「こういうルーズなダレた感じの曲をやりたかったんだよね、CANTAは。だけど、だんだんライヴをやるうちに作る曲が変わっていって。もっとノリノリな曲や、パンキッシュなのが増えていったっていう」
雷電湯澤「この曲って、お客さんの前で演奏すると開放的にならない?」
ルーク篁「そうかもね。パンツ一丁で人前に出てしまいました、それでも大丈夫です、みたいな(笑)。そういう図太さのあるテイクになってるね、今回のは」
ルーク篁「“きらきらver.”は歌だけ差し替えてます。オリジナル・テイクは3月くらいに録ってるんだけど、僕、花粉症なので鼻声の歌だから(笑)、どうしても歌だけ入れ直したくて。非常によくなりましたよ、前より表現力が豊かになってるし」
雷電湯澤「声の抜けもいいし(笑)」
MASAKI「この曲のPVを撮ってる時、俺、撮影セットにつまずいてひっくり返った痛い思い出がある(笑)」
雷電湯澤「あ、思い出した! ひっくり返って両足が天を向いていたもんね」
ルーク篁「フランス語で“さらば!”。二度と会わないだろううなって人に対して使うらしいんですよ。普通の“さよなら”は“au revoir<オ・ルヴォワール>”だから」
雷電湯澤「あら、おフランスの方ですか?」
ルーク篁「ウィ、ウィ クレープ大好き」
MASAKI「16ビートのノリは今までもあったけど、これまでにない曲っていうか。新車両がやってきた!みたいな感覚がありましたね」
雷電湯澤「結構神経遣うわりに、かなりぶっ飛びチューンになるもんね、ライヴでやると。CANTAの良い面を合体させた、“合体ロボ”みたいな曲じゃないかな」
ルーク篁「神経遣うっていうのは、1小節にある16個の音をひとつも重ねずにキックとスネアとタムで埋めてくれって俺が言ったからじゃない?」
雷電湯澤「そうそう! 無理なこと言うんだ、隊長が(笑)」
ルーク篁「で実際は聴いてみると…苦労したわりには、そんなもん? みたいな(笑)。この曲、ライヴで歌っててなんか燃えるんだよね」
MASAKI「ライヴではアンコールや後半戦に演奏することが多いですね。ベースはホールト・オン・スケールという特殊な音遣いを、特殊奏法で弾いてるっていう」
雷電湯澤「普通じゃあり得ないよね。で、ライヴでは中間部でいつの間にかセッションになっていて。遊ぶ要素、満載みたいな」
MASAKI「お客さんもサビで歌って楽しんでもらってるんじゃないですかね」
ルーク篁「2枚アルバムを出してライヴをやってきて、3rdアルバム制作の時、“やっぱライヴではみんなで大騒ぎしたいな”と思って作ったノリノリの曲だからね。歌詞では“Come On!””Oh,Yeah!”を連発してるけど、やっぱ、こういう勢いがライヴには大切でしょ」
MASAKI「スゴい好きな曲ですね、個人的に。なんかサビに哀愁を感じるんですよ」
雷電湯澤「メロは秀逸だね。ダークなんだけど疾走してる感じ。例えるなら、何でも吸い込むブラックホールがものスゴい勢いで通過していく、みたいな」
ルーク篁「うーん、よく解らない例えだ(笑)。実は1回、ボツにしたけど、やっぱサビのメロディーはいいよな、と思って復活させたんだよね。やっぱ復活させて良かったわ、MCUもラップやってくれたし」
雷電湯澤「2ndアルバムに入ってるモノの、デビュー・ライヴで既に演奏してたんだよね」
MASAKI「そう。曲の最後のベース・ソロ、ライヴでは、ちゃんとオチを付けるんだけど、今回のレコーディングでは“後でフェイド・アウト処理するから弾いちゃってください”って言われて弾きまくってて。そしたら今回、全部、入ってしまったっていう」
雷電湯澤「ま、それもいいんじゃない」
ルーク篁「この曲、俺の中では“説教ソング”なのね。だから作った当初は、みんなに嫌がられるかな? と一抹の不安もあったのね。そしたら今では意外なことに人気ナンバーになってるっていう…もしかして、みんな説教されたがってるのかな?」
MASAKI「これは別名”タオル・ソング”と言われてまして…」
雷電湯澤「MASAKIはベースを弾くよりタオルを振ってる方がメインになってる(笑)」
ルーク篁「この曲、オリジナルのテイクもアルバムのラストに入ってたから、ラスト曲にしたくなかったけど…なっちゃいましたね(苦笑)。なんだろう…フランス料理のフル・コースのデザートみたいな感じでいいのかもしれないね、シンプルで短めの曲がアルバムの最後にあるのは」
雷電湯澤「もう1回聴いちゃおうかな、って気持ちになるもんね。実はソレが作戦だったりして(笑)」