コールドプレイ、ブリクストン特別の一夜
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会場になったのはロンドン南部にあるブリクストン・アカデミー。約4500人収容という大型ホールだが、コールドプレイの大きさを考えると、この会場は小さすぎるほど。何しろ、3作目『X&Y』までのセールスは全世界で3300万枚以上の売り上げを記録するなど、コールドプレイは世界的なスーパーバンドに成長を遂げている。
今や彼らのライヴはアリーナ級の会場やスタジアムでしか観られないほどだから、今夜ここで彼らのライヴが観られるのは大変にラッキーなことなのだ。しかも、チケットの一般販売はなく、ファンクラブ会員などの招待オンリー。さらに、この夜のライヴは、BBC Radio 1で生放送されるという、コールドプレイのファンなら泣いて喜ぶ、特別の一夜になっていた。
午後8時45分、遂にコールドプレイの4人がステージに姿を現す。以前、音楽紙「NME」の撮影セッションのときにも着用していた、フランス革命時の軍服からアイデアを得たというミリタリー調の服装を全員着ている。アルバム1曲目のインスゥルメンタル「天然色の人生」でスタート、いかにもコールドプレイらしいメロディが光る「ヴァイオレット・ヒル」の後は「クロックス」「イン・マイ・プレイス」とお馴染みのヒット曲だ。
新曲「美しき生命」では、早くも観客との大合唱になり、大変な盛り上がりをみせる。時折、ヴォーカルのクリス・マーティンが、曲間にジョークを交えた軽妙なおしゃべりで観客を笑わせながら、演奏は進んでいく。「ストロベリー・スウィング」の後、一旦ステージから退場。アンコール第1部では、何とクリスが2階席に飛び入りして、アコースティックで「イエロー」を披露するシーンも。
その後、再びステージに戻った4人は、アンコール第2部で「フィックス・ユー」「ラヴァーズ・イン・ジャパン」を演奏し、ライヴを締めくくった。色とりどりの紙吹雪が観客の頭上を舞うという壮麗なラストだった。
『美しき生命』は、6月12日にイギリスでリリースされて以来、発売3日間で30万枚のセールスを記録したという。タイトルはメキシコの女性芸術家フリーダ・カーロの作品名から取り、U2などを手がけた鬼才、ブライアン・イーノらによるプロデュース、そして、良質のメロディはそのままに、ラテン調の要素を取り入れ、拡がりのある音作りを展開するなど、新たなる音楽性に挑戦した内容。
これまでのコールドプレイのイメージを「改革する」かのようなコンセプチュアルな野心溢れるアルバムに、バンドの大変な意気込みが感じられる。このバンドは一体どこまで大きくなっていくのだろうか、考えるだけでも心躍る。
コールドプレイは私たちの予想を遥かに超えたところで進化していく。そして同時に、彼らの音楽は変わらぬ人間の感情と生きることの美しさをこれからも私たちに実感させてくれるのだろう。バンドと観客が一体化したブリクストン・アカデミーの会場で、私はそれを確信した。
名取 由恵(在ロンドン音楽ライター)
<コールドプレイ、2008年6月16日@ロンドン・ブリクストン・アカデミー>
1.天然色の人生 (Life In Technicolor)
2.ヴァイオレット・ヒル
3.クロックス
4.イン・マイ・プレイス
5.美しき生命(Viva La Vida)
6.Chinese Sleep Chant
7.ゴッド・プット・ア・スマイル・アポン・ユア・フェイス
8.42
9.スクエア・ワン
10.トラブル
11.ロスト!
12.ストロベリー・スウィング
EC1
13.堕ちた天使(If I Should Fall From Grace With God:ザ・ポーグスのカヴァー)
EC2
14.フィックス・ユー
15.ラヴァーズ・イン・ジャパン
※『美しき生命』スペシャル ロンドン・コンサート・プレゼント当選者レポート
なんと!本場ロンドンでコールドプレイを見られるツアーに当たるとは本当に運がいいと思いながらロンドンへ。街中がコールドプレイの広告ばかりで更にテンションが上がりながら会場へ。これが余り大きくない会場でまさにプレミアムライブ! 新しいアルバムからの曲はもちろん「イン・マイ・プレイス」など過去の曲も披露!! 前にフジロックで見た時よりバンドらしいスケール感がUP。そして、アンコールでは「イエロー」の大合唱。堪能しました!次は我が日本、サマソニでの大合唱が楽しみです。──東京都:ユウスケさん
ロンドンもコールドプレイも初めてで、緊張ばかりの体験でした。ライブは当たり前ですがイギリス人ばかりでした(笑)会場も日本にはないような2階席のバルコニーなど、そんな周囲の雰囲気ばかり気になってたら、コールドプレイが登場。改めてクリスの声が素晴らしいと実感。新しい曲から馴染みのある曲まで聴けて大変に満足でした。特にipodのCMの曲が良かったです。帰りにロンドンでCDを買って帰りました。──東京都:SAWAさん
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