コールドプレイ『美しき生命』を紐解く、インタヴューVol.1

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◆コールドプレイから最新メッセージ映像
 https://www.barks.jp/watch/?id=1000022149

──新作『美しき生命』はサウンド面で様々な実験がごく自然に鳴っている一方で、永遠に聴いていたいと思わせるくらいユニバーサルなメロディがありますね。実験性と普遍性を共存させたいという想いは、最初からあったんですか?

クリス・マーティン(Vo&G):そう言ってもらえるのは嬉しいな。それって、まさしく僕たちがやろうとしてたことだよ(笑)。

ジョニー・バックランド(G):いいメロディがまずあって、それを基本に、いろいろ実験したいと思ってたんだ。いいメロディを作ろうという実験もしてたれど、僕たちに興味があったのは、みんなに何か意味のある音楽を作るということで、このアルバムではそれを、これまでとは違った方法でやろうとしたんだ。そうすることで、新しい要素を入れたかった。だから、僕たちが主に気にかけていたのは、“これで人は何かを感じてくれるのだろうか”ということかな。

クリス:僕は、変化に富んだアルバムにしたかった。例えば、歌が気に入らなくても、ギターは楽しめる、といったようにね。だから、好きになってもらえる選択肢が2つあるってことなんだよ。

──なるほど。今作のプロデューサーであるブライアン・イーノは「何でも新しいことに挑戦してみよう」とアドバイスしたそうですが、具体的に面白かったアイディアや、やってみて楽しめたっていうエピソードは何かありますか?

ジョニー:ブライアンが催眠術師をスタジオに呼んで、僕たちを催眠にかけたんだけど、それは凄く面白かったよ。

クリス:楽しかったよな。僕たち4名とプロスペクト(コールドプレイのウェブ日記など担当者)とブライアン、それとマーカス(・ドラヴス。もう一人のプロデューサー)の全員が、あそこの床に横になって、催眠術師が催眠をかけたんだ。そのまま下の階に行って演奏したんだけど、全員こんな感じでさ(と、催眠にかかった時のフラフラな表情を披露)。それを、もう一人のプロデューサーのリックがレコーディングしていて、翌朝スタジオに入った時に聴いてみたんだ。そしたら、催眠にかかっていなかったらやっていなかったと思うようなこと、をやっていたんだよね。

──へえ、面白いですね。その時のビートとか使いましたか?

クリス:うん、その時のサウンドも使ったよ。今回のアルバムに収録されているものもあれば、次のアルバムに収録されることになるものもある。とにかく、楽しかったな。ブライアンや催眠術師のおかげで、僕たちも自由にアルバムを作れた。バンドでも会社でもライターでも、成功すると、それまでやってきたことをそのままやり続けなければならないというプレッシャーを感じたりするだろ? ブライアンと仕事することでそういったことから解放されて、どんなことでも試してみることが出来たんだ。解放感があったよ。

──この夏は<サマーソニック08>のヘッドライナーでの来日も決まりましたね。

クリス:最高だよ! 僕たちが初めて日本でライヴをやったのが<サマーソニック>だったんだよね。その時もよかったけど、今回はもっとよくなるよ。うん、凄く楽しみ。

ジョニー:また日本に行くのが待ち遠しいね。

クリス:それも、<サマーソニック>ということでね。どうしてかは分からないけど、僕にとって<サマーソニック>は特別なんだ。まさか自分たちがヘッドライナーとして出演するなんて考えてもいなかったから、本当に興奮するよ。だって、初めて出た時には、僕たちは当時のラインナップで70番目くらいのバンドだったからね(笑)。

インタビュー:妹沢奈美
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