「音楽、もういいかな」って時もあった── Acid Black Cherry、ツアーファイナルで語る
ジャンヌダルクのヴォーカルyasuのソロプロジェクト「Acid Black Cherry」初となる全国ツアーのファイナル公演が先日、日本武道館で行なわれた。この公演でyasuは、ジャンヌダルクを休止してAcid Black Cherryを始めるまでに抱えていた苦悩をファンに語った。
●Acid Black Cherry、ツアーファイナルの様子をフォトアルバムで
https://www.barks.jp/feature/?id=1000032013&p=19
モーツァルトの「レクイエム」が流れ、荘厳で重々しい空気が立ち込める中、公演開始時刻を少し過ぎて場内は暗転。円形のステージを囲むように張られた紗幕には “Acid Black Cherry” という文字と、1stアルバム『BLACK LIST』収録曲「sins」の歌詞の一節が浮かんでは消えていく。
悲鳴にも似た歓声の中、yasuが姿を現した。
ピアノの旋律と歪んだギター、そして撃ち込まれるようなドラム&ベース。鎖といばらで縛られた十字架を背にし、燃えさかるたいまつに照らされたyasuは、1曲目「sins」を歌い上げ、歌詞のごとく「7つの大罪」に苦悩し続けるかのような激しいパフォーマンスを魅せる。武道館の東西南北360度全方位に入った超満員のオーディエンスは息をのみつつ、最初から完全にyasuの作り出す世界へ引きずり込まれてしまう。
“みなさんどうもこんばんは! Acid Black Cherryです。全国27ヵ所、全国ツアーやって帰ってきました。今日は久しぶりの武道館。最後にやったのが3年前。(走ってみて)ステージ上手から下手(かみて/しもて)までが遠いっ! 俺、確実に年とってるや~ん(笑)”
トークでは持ち前のキャラクターで会場に笑いを起こしつつ、歌では曲に描かれたドラマを攻撃的に、衝動的に、そして感動的に表現するyasu。特にバラードで聴かせる伸びやかで混じり気のない彼の高域は、ダイレクトに胸の内側に入ってくるかのような心地よさを味わわせてくれる。
一方、“Acid Black Cherryのコンセプトは 「エロ」” と公言しているとおり、「Black Cherry」の歌詞の一部<AH~中に出して!>を、より過激なフレーズに変えた “ライヴ仕様” で披露するなど、エロティックな面も決して忘れない。また、そんなAcid Black Cherryのパフォーマンスに応えるかのように、yasuの “咲け!” という煽りに会場を埋め尽くしたファンは両手を広げ、花びらを大きく広げて受粉を待つ「めしべ」のごとく、見事に “咲く”。
そんな大盛り上がりを見せたライヴの終盤。アンコールでyasuは、ジャンヌダルクを休止し、Acid Black Cherryとして活動を行なうまでの心中をファンに向けて静かに語った。
「音楽、もう(辞めても)いいかな」と思った時もあったという彼が、その思いを撤回し、Acid Black Cherryとして活動するきっかけとなったのが、ジャンヌダルク休止後からソロ活動始動までの、“何をしていいかわからなくなっていた期間” にもらったファンからの手紙。“次の曲が早く聴きたいです” という多くのファンからの想いを受け取り、ファンのその想いに応えるためにソロ活動を始めることにしたという。
“「元気もらってます」って言葉を(みんなから)よくもらいますが、それは、僕がみんなに言いたいこと。”
“ファンへの感謝の気持ちでできた曲” という紹介のあと、昨年行なわれた代々木の野外ライヴでも披露された、<君が笑うなら 僕は歌うよ / 君が望むなら 僕はそばにいよう>という歌詞の名もなき楽曲。そしてみんなで参加できるような曲を作りたいと思って作ったという、こちらもタイトルがついていない楽曲を続けて披露。なお、これら楽曲は、ファンに直接届けたいというyasuの想いから、今後音源化される予定はなくライヴでのみ披露するとのこと。
また、アンコール最後の曲は、アルバムのラストトラックに収録されている「Prologue End」。スポットライトに照らされたyasuが、万感の思いで静かにこの曲を歌い始める。埋め尽くしたオーディエンスは、yasuの姿をただじっと見つめる。伸びやかに響き、そして残響とともに消えていくyasuの歌声。そしてオーディエンスの胸には熱いものが込み上げ、溢れ出す。歌が終わり、しばらくの静寂と余韻の後、武道館の全方位から降り注いだ割れんばかりの温かい拍手と、その拍手を一身に浴びるyasuの姿。
普段、yasuの歌に元気づけられ、勇気づけられているファン。多くのファンの声に元気づけられたyasu、そして生まれたAcid Black Cherry。そんなファンへの感謝の気持ちを歌という形で届けるyasu。その歌と込められた想いに感動し、感謝するファン。
互いに支え、支えられているファンとyasuとの絆を象徴しているかのような情景が、最終日の日本武道館には存在していた。
未発表音源3曲を加えた全15曲を披露した今回の公演。これでまたしばらくAcid Black Cherryのライヴツアーはおあずけとなるが、代わりに9月には、Acid Black Cherry主催のライヴイベント<SWAPPING ROCK PARTY!VOL.2>の開催が決まっている。
●ツアータイトルにもなったアルバム『BLACK LIST』のCD情報
https://www.barks.jp/cdreview/?id=2000468636
●記事に出てきた「Black Cherry」の映像も。Acid Black Cherryの動画一覧
https://www.barks.jp/artist/?id=2000173603&m=watch
●Acid Black Cherry、ツアーファイナルの様子をフォトアルバムで
https://www.barks.jp/feature/?id=1000032013&p=19
モーツァルトの「レクイエム」が流れ、荘厳で重々しい空気が立ち込める中、公演開始時刻を少し過ぎて場内は暗転。円形のステージを囲むように張られた紗幕には “Acid Black Cherry” という文字と、1stアルバム『BLACK LIST』収録曲「sins」の歌詞の一節が浮かんでは消えていく。
悲鳴にも似た歓声の中、yasuが姿を現した。
ピアノの旋律と歪んだギター、そして撃ち込まれるようなドラム&ベース。鎖といばらで縛られた十字架を背にし、燃えさかるたいまつに照らされたyasuは、1曲目「sins」を歌い上げ、歌詞のごとく「7つの大罪」に苦悩し続けるかのような激しいパフォーマンスを魅せる。武道館の東西南北360度全方位に入った超満員のオーディエンスは息をのみつつ、最初から完全にyasuの作り出す世界へ引きずり込まれてしまう。
“みなさんどうもこんばんは! Acid Black Cherryです。全国27ヵ所、全国ツアーやって帰ってきました。今日は久しぶりの武道館。最後にやったのが3年前。(走ってみて)ステージ上手から下手(かみて/しもて)までが遠いっ! 俺、確実に年とってるや~ん(笑)”
トークでは持ち前のキャラクターで会場に笑いを起こしつつ、歌では曲に描かれたドラマを攻撃的に、衝動的に、そして感動的に表現するyasu。特にバラードで聴かせる伸びやかで混じり気のない彼の高域は、ダイレクトに胸の内側に入ってくるかのような心地よさを味わわせてくれる。
一方、“Acid Black Cherryのコンセプトは 「エロ」” と公言しているとおり、「Black Cherry」の歌詞の一部<AH~中に出して!>を、より過激なフレーズに変えた “ライヴ仕様” で披露するなど、エロティックな面も決して忘れない。また、そんなAcid Black Cherryのパフォーマンスに応えるかのように、yasuの “咲け!” という煽りに会場を埋め尽くしたファンは両手を広げ、花びらを大きく広げて受粉を待つ「めしべ」のごとく、見事に “咲く”。
そんな大盛り上がりを見せたライヴの終盤。アンコールでyasuは、ジャンヌダルクを休止し、Acid Black Cherryとして活動を行なうまでの心中をファンに向けて静かに語った。
「音楽、もう(辞めても)いいかな」と思った時もあったという彼が、その思いを撤回し、Acid Black Cherryとして活動するきっかけとなったのが、ジャンヌダルク休止後からソロ活動始動までの、“何をしていいかわからなくなっていた期間” にもらったファンからの手紙。“次の曲が早く聴きたいです” という多くのファンからの想いを受け取り、ファンのその想いに応えるためにソロ活動を始めることにしたという。
“「元気もらってます」って言葉を(みんなから)よくもらいますが、それは、僕がみんなに言いたいこと。”
“ファンへの感謝の気持ちでできた曲” という紹介のあと、昨年行なわれた代々木の野外ライヴでも披露された、<君が笑うなら 僕は歌うよ / 君が望むなら 僕はそばにいよう>という歌詞の名もなき楽曲。そしてみんなで参加できるような曲を作りたいと思って作ったという、こちらもタイトルがついていない楽曲を続けて披露。なお、これら楽曲は、ファンに直接届けたいというyasuの想いから、今後音源化される予定はなくライヴでのみ披露するとのこと。
また、アンコール最後の曲は、アルバムのラストトラックに収録されている「Prologue End」。スポットライトに照らされたyasuが、万感の思いで静かにこの曲を歌い始める。埋め尽くしたオーディエンスは、yasuの姿をただじっと見つめる。伸びやかに響き、そして残響とともに消えていくyasuの歌声。そしてオーディエンスの胸には熱いものが込み上げ、溢れ出す。歌が終わり、しばらくの静寂と余韻の後、武道館の全方位から降り注いだ割れんばかりの温かい拍手と、その拍手を一身に浴びるyasuの姿。
普段、yasuの歌に元気づけられ、勇気づけられているファン。多くのファンの声に元気づけられたyasu、そして生まれたAcid Black Cherry。そんなファンへの感謝の気持ちを歌という形で届けるyasu。その歌と込められた想いに感動し、感謝するファン。
互いに支え、支えられているファンとyasuとの絆を象徴しているかのような情景が、最終日の日本武道館には存在していた。
未発表音源3曲を加えた全15曲を披露した今回の公演。これでまたしばらくAcid Black Cherryのライヴツアーはおあずけとなるが、代わりに9月には、Acid Black Cherry主催のライヴイベント<SWAPPING ROCK PARTY!VOL.2>の開催が決まっている。
●ツアータイトルにもなったアルバム『BLACK LIST』のCD情報
https://www.barks.jp/cdreview/?id=2000468636
●記事に出てきた「Black Cherry」の映像も。Acid Black Cherryの動画一覧
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