KOTOKO、ダークでヘヴィな映画主題歌「リアル鬼ごっこ」インタビュー
KOTOKO:映像の中でも、なるべく表情を作らず冷たい感じにしようと思って。ただ、私自身は結構ダークな映像も好きなのに、今まで“笑顔と青空!”みたいな曲ばかり撮ってきたので、そのへんは難しかったですね。ダークになりすぎると、“ダークの女王”である先輩のMELLさんっぽくなっちゃうし(笑)。監督にも“KOTOKOちゃんらしくていいから”と言われたので、私らしいダークの表現で行こうと考えた結果、暗くもあり、派手でもあり、鋭くもあり……単なるダーク系と違う感じになったのは面白いかな、っていう気はします。ホント、こういう面もずっと見てほしいと思っていたので、今回出せたのが嬉しいですね。その分やり甲斐もあったし、気合も入りました(笑)。
KOTOKO:そうなんです! 映画の映像と私のほうで撮った映像が上手いことミックスされているので、どこまでが映画でどこからがPVなのか、パッと見ただけではわからないと思うんですよ。映画は新年の公開なので、まずPVを観ていただいてから映画館に行ってもらえると、二倍に楽しいんじゃないかな。
KOTOKO:いえ、違います。当初は「A:M」っていうタイトルを考えてたんですよ。これは歌詞に出てくる“august murder”っていう私が作った造語の略字で、意味は“尊厳ある殺戮”。いわれのない暴力を受けた人たちが立ち上がり、最後には自分たちが正しいと思う答えを勇気を持って執行する……ということに対して、“尊厳ある殺戮”っていう表現をしてるんです。逃げ惑っているだけだった人々が、“これじゃいけない”って思い直したときの魂を尊重してあげたい、っていう意識があったんですよね。
KOTOKO:あの……そうなんですよ。カップリングということで、高瀬さんとも“楽曲的な世界観は似通ったものにしよう”って話してたし、歌詞の面でも“人間の怖さ”っていうテーマは同じですね。すごくシリアスな感じの曲だったせいか、聴いたときに“神っているのかな?”っていう疑問が私の中に沸いたんですよ。イジメの質にせよ何にせよ、最近ちょっとおかしくなってるじゃないですか? 地球環境に対しても口では“ヤバイ”って言ってるけど、自分の身に降りかかってこないことに対しては、結局みんな傍観者でしかないんですよね。だけど、もう、それじゃ済まされないところまで来てるんじゃないの? 警告音が鳴ってるんじゃないの? って。そういう私なりのメッセージとか、現代社会における不条理みたいなものに対する自分の意見――結局、行き着くところは一人ひとりの意識なんじゃないかなぁっていう、私なりの問題提起をしたのが「siren」なんです。
KOTOKO:実は、最初は「リアル鬼ごっこ」に合わせて無機質に歌ってみたんですけど、“なんか違うなぁ”って。いろいろ試したんですが、高瀬さんのディレクションで、逆に感情を出して苦しそうに歌ってみたら、そっちのほうが全然良かったんです。同じようなテーマを歌っていながらも、表情はかなり違う2曲になったのが面白いなと思うし。すごく私的には満足できる2曲に仕上がったので、できるだけ沢山の人に聴いてもらえると嬉しいですね。
KOTOKO:2007年は作品の面で色々と出会いがあったので、それが自分の中でどれほど身になっているのかを占う年になると思うんですね。ライヴ活動を通じて“歌手としてどうあるべきか?”を自分に問いかける機会も多かったですし、そこで自分なりに考えたものを、今度はアルバムという形で表現できたらいいなぁと。あと、今年は全国ツアーが無かったぶん、来年は精力的に各地でライヴをしたいですね。スタンス的には“聴きたいな”って思ってくれてる人のところには足を運びたいので、よりたくさんの人の“特別な時間”を作るお手伝いをしたいなと思っています。
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