ケイジナイン東京公演速報、代官山に“熱いバンド”4組が集結
10月9日の代官山UNITは熱かった! 先頃お知らせしたケイジナインの初来日公演を観たわけなのだが、彼らのみならず、出演者すべてがとにかく熱かったのだ。
まず最初に登場したのは、ちょうど10月10日に2年ぶりの新作『スーパー・ブルーム』を発表したばかりのエフシー・ファイブ。スウェーデンで録音されたという超強力な同作からの楽曲を中心に構成された激烈なライヴ・パフォーマンスは、約20分というコンパクトなものではあったが、早くもフロアにはモッシュの輪が出現するほどだった。10月18日からは、このニュー・アルバム発表に伴う全国ツアーも予定されている。こちらも楽しみにしていたいところだ。
続いて登場したのはデンマークからやってきたピンボーイズ。男女のツイン・ヴォーカルを擁するバンドならではのカラフルなステージは、場内を陽気に盛り上げ、いかにも一夜漬けなんだけども愛嬌たっぷりな、たどたどしい日本語のMCも実に微笑ましかった。意外だったのはツイン・ギターの絡みにメタルのフレイヴァーが感じられたこと。なんでも大阪ではアイアン・メイデンのカヴァーを披露したとか? これまた短い演奏時間ではあったが、“もうちょっと観てみたい”と感じさせながらステージを去ることになったのは、むしろ理想的な幕切れだったと言えるはずだ。
三番手に登場したのはPay money To my Pain(P.T.P)。エフシー・ファイブについてもそうだが、「日本にもこういうバンドがいる」という現実を、僕は素直に喜びたい。9月12日に発売された彼らの1stアルバム、『Another day comes』は、間違いなく2007年度の必聴盤のひとつ。この夜のパフォーマンスはあくまで攻撃的な楽曲を中心に展開されたが、彼らの武器は爆走型の重量級チューンばかりではない。アルバムではそうした多面性というか奥の深さも堪能することができるし、僕自身、そうした魅力をフルに味わうことのできる機会となるはずの、11月5日、同じ代官山UNITでのワンマン・ライヴを楽しみにしている。この夜は足を負傷して松葉杖をついていたギタリスト、PABLOの姿が痛々しかったが(終盤、それを破棄してブチ切れていたけども)、次回はステージのフロントラインで大暴れして欲しいものだ。
そして最後に登場したのは、ロサンゼルスからやってきたケイジナイン。僕自身が驚かされたのは、ライヴにおける彼らの演奏ぶりが、作品以上に直球型のストロング・スタイルで、想像していた以上にメタル・バンド的な体質を感じさせるものだったたこと。しかも“いまどきのメタル”ではなく、むしろ80年代的な匂いがするのだ。もちろんこれは、彼らのサウンド・スタイルを“古い”と言っているのではなく、彼らがロック・バンドとしての普遍性みたいなものを持ち合わせていて、その音楽自体がしっかりと深い根を持ち合わせているということ。改めて考えてみれば、僕が彼らの『エル・モティヴォ』という作品に惹かれた最大の理由も、そこにあったのかもしれない。実際、彼らの音楽は“新しいから”ではなく、“曲がいいから”“ライヴがいいから”といった理由で支持されるべきものだと思う。
余談ながら、終演後に対面したメンバーたちが、ステージからうかがえる通りのフレンドリーな連中だった事実も付け加えておきたい。僕が素直に「思っていた以上にメタル野郎だったんですね、あなたたちは」と言うと、彼らは皆、笑顔で親指を立てて喜んでいた。
ぶっちゃけ、ケイジナインもピンボーイズも、まだまだステイタスを確立済みとは言えないバンドではある。が、“これから”が確実に面白くなりそうなバンドたちの現在進行形の姿を、海外と温度差のない日本のバンドたちのライヴと共に楽しむことができるというのは、常日頃から“邦楽/洋楽”の垣根に邪魔くささを感じている人たちにとっては、願ってもないもの。こうした機会が今後、どんどん増えていくことになるのを望みたいところだ。
増田勇一
まず最初に登場したのは、ちょうど10月10日に2年ぶりの新作『スーパー・ブルーム』を発表したばかりのエフシー・ファイブ。スウェーデンで録音されたという超強力な同作からの楽曲を中心に構成された激烈なライヴ・パフォーマンスは、約20分というコンパクトなものではあったが、早くもフロアにはモッシュの輪が出現するほどだった。10月18日からは、このニュー・アルバム発表に伴う全国ツアーも予定されている。こちらも楽しみにしていたいところだ。
続いて登場したのはデンマークからやってきたピンボーイズ。男女のツイン・ヴォーカルを擁するバンドならではのカラフルなステージは、場内を陽気に盛り上げ、いかにも一夜漬けなんだけども愛嬌たっぷりな、たどたどしい日本語のMCも実に微笑ましかった。意外だったのはツイン・ギターの絡みにメタルのフレイヴァーが感じられたこと。なんでも大阪ではアイアン・メイデンのカヴァーを披露したとか? これまた短い演奏時間ではあったが、“もうちょっと観てみたい”と感じさせながらステージを去ることになったのは、むしろ理想的な幕切れだったと言えるはずだ。
三番手に登場したのはPay money To my Pain(P.T.P)。エフシー・ファイブについてもそうだが、「日本にもこういうバンドがいる」という現実を、僕は素直に喜びたい。9月12日に発売された彼らの1stアルバム、『Another day comes』は、間違いなく2007年度の必聴盤のひとつ。この夜のパフォーマンスはあくまで攻撃的な楽曲を中心に展開されたが、彼らの武器は爆走型の重量級チューンばかりではない。アルバムではそうした多面性というか奥の深さも堪能することができるし、僕自身、そうした魅力をフルに味わうことのできる機会となるはずの、11月5日、同じ代官山UNITでのワンマン・ライヴを楽しみにしている。この夜は足を負傷して松葉杖をついていたギタリスト、PABLOの姿が痛々しかったが(終盤、それを破棄してブチ切れていたけども)、次回はステージのフロントラインで大暴れして欲しいものだ。
そして最後に登場したのは、ロサンゼルスからやってきたケイジナイン。僕自身が驚かされたのは、ライヴにおける彼らの演奏ぶりが、作品以上に直球型のストロング・スタイルで、想像していた以上にメタル・バンド的な体質を感じさせるものだったたこと。しかも“いまどきのメタル”ではなく、むしろ80年代的な匂いがするのだ。もちろんこれは、彼らのサウンド・スタイルを“古い”と言っているのではなく、彼らがロック・バンドとしての普遍性みたいなものを持ち合わせていて、その音楽自体がしっかりと深い根を持ち合わせているということ。改めて考えてみれば、僕が彼らの『エル・モティヴォ』という作品に惹かれた最大の理由も、そこにあったのかもしれない。実際、彼らの音楽は“新しいから”ではなく、“曲がいいから”“ライヴがいいから”といった理由で支持されるべきものだと思う。
余談ながら、終演後に対面したメンバーたちが、ステージからうかがえる通りのフレンドリーな連中だった事実も付け加えておきたい。僕が素直に「思っていた以上にメタル野郎だったんですね、あなたたちは」と言うと、彼らは皆、笑顔で親指を立てて喜んでいた。
ぶっちゃけ、ケイジナインもピンボーイズも、まだまだステイタスを確立済みとは言えないバンドではある。が、“これから”が確実に面白くなりそうなバンドたちの現在進行形の姿を、海外と温度差のない日本のバンドたちのライヴと共に楽しむことができるというのは、常日頃から“邦楽/洋楽”の垣根に邪魔くささを感じている人たちにとっては、願ってもないもの。こうした機会が今後、どんどん増えていくことになるのを望みたいところだ。
増田勇一
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