今、フランスで“ガリ”が大人気?

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アニメなどの分野では早くから日本の文化を受け入れつつも、こと音楽に関してはエンターテインメント大国であるアメリカすらも容易には受け入れないフランス社会。現状、日本人アーティストに対する評価は“ヴィジュアル系”という一部のジャンルに限られているが、それを突破口に新たなジャンルが支持されつつある。

たとえば“GARI”。日本人だと思わず寿司の付け合わせを連想してしまいそうな名前だが、これはフランスで今、一気に人気を集めている日本人のポストロック・バンドの名前なのだ。

英語と日本語を巧みにデジタル・サウンドに乗せる彼らのスタイルは、現地でもRage Against The Machineに例えられるほど。墨絵のような独特のデザインのCDジャケットも注目を集めている。音楽を含めた彼らのアート・センスは“Japaneseness”と絶賛され、ヨーロッパとアメリカ双方の影響を受けつつも、日本独特のオリジナリティを持つバンドとして高く評価されている。

彼らが注目されるようになったのは、7月にパリで行なわれたライヴ・イベントがきっかけ。フランスで開催されたライヴ・イベントに、GARIの作品のフランス盤をリリースしている現地レコード会社から招聘(しょうへい)され、参加することになった。

その1週間前には東京・渋谷で80人の前でパフォーマンスしていたバンドが、1週間後、パリで5,000人の観衆を熱狂に巻き込むとは、さすがに本人たちも想定外だっただろう。会場の外では入場規制のためにGARIを体感できなかった観客が溢れ、販売されたCDは即完売。翌日からは現地メディアからの取材攻勢に追われた。

フランスでのライヴツアー後は日本へ帰る予定の彼らだったが、急遽フィンランドへの遠征ライヴも決定。その熱狂はフランスにとどまらず、ヨーロッパ全土へと拡がりを見せている。

ヴォーカルのYOW-ROWは、現地メディアからの“日本の音楽のオリジナリティは?”という質問に対し、“ワビサビ”という名詞を挙げた。ブラジルから全世界に広まった“サウダージ(=郷愁感)”のように、日本という異国の音楽感覚が、ヨーロッパに認知されるという新しい現象が起こっているのは確かなようだ。

GARI オフィシャルサイト
http://gari.net/
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