サーティー・セカンズ・トゥ・マーズ来日インタビュー(1)ジャレッド・レトに愛された「日本のファンと×××」

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去る5月7日、渋谷DUO MUSIC EXCHANGEで行なわれた自己初の来日公演を大盛況のうちに終了させたサーティー・セカンズ・トゥ・マーズ(以下、30STM)(参照:「全米を虜にしたサーティー・セカンズ・トゥ・マーズの、日本での記念すべき第一歩」)。

熱狂的な声援を集めたフロントマンのジャレッド・レトは、その翌日、「日本でライヴをやることはずっと何年も夢見てきたことだけど、昨夜は本当にエキサイティングな経験ができたと思う」とそのライヴを振り返りながら、次のように語った。

「日本の観衆についてはいろいろと聞かされていたんだ。すごく行儀が良くて、すべてのことに注意を払ってくれるってね(笑)。アコースティックで歌っているとき、特にそれを実感させられたよ。それから、改めて感じたのは“同じライヴ”というのは絶対にあり得ないんだということ。毎晩オーディエンスが違うんだから当然のことさ。しかも楽曲の解釈というのは個人個人によって異なっていて当然のものだし、だからこそ1人ひとりの反応にも違いが出てくる。俺自身、それを毎回ステージで感じ取っているんだ。それはとても刺激的なことだし、そういった日々のライヴでの経験が楽曲を育て、次の作品へのインスピレーションになっていくんだ」

ハリウッド俳優でもあるジャレッドは、並大抵ではない眼力の持ち主。しかも相手をまっすぐに見据え、ほとんど瞬きもせずに話しかけてくるし、ひとつひとつの発言にも説得力がある。そうした言葉を横で聞きながら、彼の実兄でもあるドラマーのシャノン・レトは、柔和な笑みを浮べながら「愛する弟の意見にまったく同感」といった相槌を繰り返す。そんな彼に「あなたの個性的でパワフルなドラミングは圧巻でした」と告げると、「そんな言い方をしてもらえるなんて光栄だ」と、いきなり恐縮した表情になったのも、なかなか印象深かった。

ところで、ツアー中に次のアルバムに向けての曲作りをするのはロック・バンドの常だが、それはもちろん30STMにとっても同じこと。日本滞在中、アコースティック・ギターを片時も手放さずにいたジャレッドは、「昨日は1日で5曲作ってしまったし、今日もまた1曲できた」と満足そうな表情。そこで僕が「ということは、明日はレコーディング?」と冗談まじりに突っ込むと、ギタリストのトモ・ミリセヴィックは「いいアイディアかもしれない。曲が生まれてから3日間で音源になるなんて、歴史的に見てもすごいことなんじゃない? タイトルは『日本より愛を込めて』になるのかな」と言って笑った。そして、それに続いたジャレッドの“衝撃の発言”がコレである。

「日本でレコーディングするのも、確かに悪くないかもね。大好きなウドン・ヌードルも食べられるし」

そう、今回の東京滞在中、彼らがとても気に入っていたのが、うどん。ハリウッド・スターでありロック・スターであるジャレッド・レトの素顔は、意外に庶民的だったりするのかもしれない。この話の続きは、また近いうちに改めて。

文●増田勇一
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