モーニング娘。新曲「笑顔YESヌード」のサウンドを丸裸にする(後編)
(⇒ 「笑顔YESヌード」を丸裸にする 前編はこちら)
ヴォーカル面では、やはり藤本美貴が光る。
後藤真希や安倍なつみのカリスマ性、松浦亜弥の表現力と並び、彼女の声質は天賦のもの。彼女の声には、まるでヴィンテージのアコースティックギターのような、華やかさと芯がある。そのため、同曲のようなパンチあるヴォーカルが必要となる楽曲では特に存在感を発揮する。
サビで、彼女の声の混ざっているフレーズがそれ以外のフレーズより耳に残るのは、彼女たちの声をユニゾンで重ねる際に、藤本の声を中心に、つまり芯に据えた上で他のメンバーの声を重ねているからだ。
女性ヴォーカルの場合、特に歌声に強さを持つ声を出すのは難しく、つんく(♂)は自らプロデュースしているグループには必ず自らの声をコーラスに混ぜることによって声の厚みを増している。なお、藤本の声がミキサー卓上での作業(たとえば音圧を上げるコンプレッサーを多くかければよいというような)に起因するものではないことは言うまでもない。
また、彼女は“声の転がし方”や“音の終わらせ方”といったテクニックも身につけている。同曲ではあまりわからないかもしれないが、2003年に発売した藤本美貴のソロアルバム『MIKI 1』を注意深く聴いていると、彼女が、次のフレーズやリズムにつながるような音の終わらせ方や、声を転がすことで曲のアクセントとなる手法を用いていることがわかる。
さらに、この楽曲でもうひとり、ヴォーカリストとして素晴らしい原石を発見できる。新加入の光井愛佳だ。
Bメロを中心に彼女のパートがあるので歌声を聴くことができるが、彼女の声には藤本のそれとはまた違った存在感がある。まだ未完の13歳は、もしかするともしかするかもしれない、という期待を抱かせる逸材。その成長はイチ音楽ファンとして注目しておきたいところだ。
<あなたの希望を聞かせてよ / 唇乾く前に>
<あなただけの 私だから / 遠慮せずに 強くしてよ>
<もう 乱れてる / このままじゃ壊れるわ / でもね でもね / Lovely Lovely>
歌詞の世界は、タイトル「笑顔YESヌード」とあるように、少女の“好きな男の胸の中で大人になりたい願望”を心地よい語感で描いている。強いて言うと、モーニング娘。デビュー曲「モーニングコーヒー」や「抱いてHOLD ON ME!」のような世界観であり、スーパー・ダンス・グループ、SPEEDの初期の楽曲や小室哲哉プロデュースの楽曲でよく用いられた。刺激的なフレーズが各メンバーから「あぁ・・・」という吐息とともにこぼれ落ちるたび、背徳的な気分に苛まれつつも思わず聴き込んでしまう。
もちろん気になる点もなくはない。最初に述べたとおり、この楽曲、かなり凝ったサウンドとなっている。そのために若干サビが弱く聴こえるのだ(イントロ~Aメロのインパクトが強すぎるのかもしれない)。
<笑顔YESヌード>というフレーズをサビ前に持ってくることでアクセントをつけているが、どうしてもサビ全体がさらっと流れてしまう印象は拭えない。ただ、インパクト重視の大衆的なアイドルソングではなく、“モーニング娘。が歌うファンク”という位置づけならば、これはこれでひとつの形としてありではないだろうか。
それ以上に、我々は評価しなければならない。メロディーを追って行くとわかるが、音が跳ねる場所や音を溜めておかないといけない場所が曲中に散りばめられ、サビは裏拍を意識して音を切っていかないとリズムがすぐバラバラになる。モーニング娘。ナンバーの中でもかなり難しい部類に入るであろうこの曲を彼女たちが歌いこなすことができる、“ヴォーカリストとしての平均値が確実に上昇している” という事実を、だ。
同曲のPVでは、さらに危険な世界が展開される。見所は高橋 愛! 愛ちゃんの柔肌を這い、そして胸元に迫る指先がなんとも艶かし過ぎる!! PVとはいえどもその先の展開に思わず釘付けになってしまう映像だ。
BARKSではもちろん1Mbpsの高画質で、しかもフルサイズで配信。その辺のサイトとは比べ物にならないクオリティーでお届けするぞ。
なお、カップリングは「サヨナラのかわりに」。こちらは3月の卒業シーズン、すべての卒業生に、そして(つんくの楽曲ではないものの)もうすぐモーニング娘。を卒業していく吉澤ひとみに贈られたような曲だ。加えて通常盤の初回プレス分にはフォトカードが同梱されている。フォトカードは…田中れいなが子猫っぽくてコケティッシュにカワイイ。
■高橋 愛に迫る指先が悩ましい! 「笑顔YESヌード」のPV視聴はこちら!
https://www.barks.jp/watch/?id=1000017378
■「笑顔YESヌード」のCD情報はこちら!
https://www.barks.jp/cdreview/?id=2000421793
ヴォーカル面では、やはり藤本美貴が光る。
後藤真希や安倍なつみのカリスマ性、松浦亜弥の表現力と並び、彼女の声質は天賦のもの。彼女の声には、まるでヴィンテージのアコースティックギターのような、華やかさと芯がある。そのため、同曲のようなパンチあるヴォーカルが必要となる楽曲では特に存在感を発揮する。
サビで、彼女の声の混ざっているフレーズがそれ以外のフレーズより耳に残るのは、彼女たちの声をユニゾンで重ねる際に、藤本の声を中心に、つまり芯に据えた上で他のメンバーの声を重ねているからだ。
女性ヴォーカルの場合、特に歌声に強さを持つ声を出すのは難しく、つんく(♂)は自らプロデュースしているグループには必ず自らの声をコーラスに混ぜることによって声の厚みを増している。なお、藤本の声がミキサー卓上での作業(たとえば音圧を上げるコンプレッサーを多くかければよいというような)に起因するものではないことは言うまでもない。
また、彼女は“声の転がし方”や“音の終わらせ方”といったテクニックも身につけている。同曲ではあまりわからないかもしれないが、2003年に発売した藤本美貴のソロアルバム『MIKI 1』を注意深く聴いていると、彼女が、次のフレーズやリズムにつながるような音の終わらせ方や、声を転がすことで曲のアクセントとなる手法を用いていることがわかる。
さらに、この楽曲でもうひとり、ヴォーカリストとして素晴らしい原石を発見できる。新加入の光井愛佳だ。
Bメロを中心に彼女のパートがあるので歌声を聴くことができるが、彼女の声には藤本のそれとはまた違った存在感がある。まだ未完の13歳は、もしかするともしかするかもしれない、という期待を抱かせる逸材。その成長はイチ音楽ファンとして注目しておきたいところだ。
<あなたの希望を聞かせてよ / 唇乾く前に>
<あなただけの 私だから / 遠慮せずに 強くしてよ>
<もう 乱れてる / このままじゃ壊れるわ / でもね でもね / Lovely Lovely>
歌詞の世界は、タイトル「笑顔YESヌード」とあるように、少女の“好きな男の胸の中で大人になりたい願望”を心地よい語感で描いている。強いて言うと、モーニング娘。デビュー曲「モーニングコーヒー」や「抱いてHOLD ON ME!」のような世界観であり、スーパー・ダンス・グループ、SPEEDの初期の楽曲や小室哲哉プロデュースの楽曲でよく用いられた。刺激的なフレーズが各メンバーから「あぁ・・・」という吐息とともにこぼれ落ちるたび、背徳的な気分に苛まれつつも思わず聴き込んでしまう。
もちろん気になる点もなくはない。最初に述べたとおり、この楽曲、かなり凝ったサウンドとなっている。そのために若干サビが弱く聴こえるのだ(イントロ~Aメロのインパクトが強すぎるのかもしれない)。
<笑顔YESヌード>というフレーズをサビ前に持ってくることでアクセントをつけているが、どうしてもサビ全体がさらっと流れてしまう印象は拭えない。ただ、インパクト重視の大衆的なアイドルソングではなく、“モーニング娘。が歌うファンク”という位置づけならば、これはこれでひとつの形としてありではないだろうか。
それ以上に、我々は評価しなければならない。メロディーを追って行くとわかるが、音が跳ねる場所や音を溜めておかないといけない場所が曲中に散りばめられ、サビは裏拍を意識して音を切っていかないとリズムがすぐバラバラになる。モーニング娘。ナンバーの中でもかなり難しい部類に入るであろうこの曲を彼女たちが歌いこなすことができる、“ヴォーカリストとしての平均値が確実に上昇している” という事実を、だ。
同曲のPVでは、さらに危険な世界が展開される。見所は高橋 愛! 愛ちゃんの柔肌を這い、そして胸元に迫る指先がなんとも艶かし過ぎる!! PVとはいえどもその先の展開に思わず釘付けになってしまう映像だ。
BARKSではもちろん1Mbpsの高画質で、しかもフルサイズで配信。その辺のサイトとは比べ物にならないクオリティーでお届けするぞ。
なお、カップリングは「サヨナラのかわりに」。こちらは3月の卒業シーズン、すべての卒業生に、そして(つんくの楽曲ではないものの)もうすぐモーニング娘。を卒業していく吉澤ひとみに贈られたような曲だ。加えて通常盤の初回プレス分にはフォトカードが同梱されている。フォトカードは…田中れいなが子猫っぽくてコケティッシュにカワイイ。
■高橋 愛に迫る指先が悩ましい! 「笑顔YESヌード」のPV視聴はこちら!
https://www.barks.jp/watch/?id=1000017378
■「笑顔YESヌード」のCD情報はこちら!
https://www.barks.jp/cdreview/?id=2000421793
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