detroit7、ワンマン大盛況! 荒々しいサウンドの中に時折見せる“女”が絶妙

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女性ヴォーカルのパワフルな3ピース・ロック・バンドdetroit7。インディーシーンではその名を知られていた彼らだが、メジャー移籍を果たしたのは今年7月の『detroit7 EP Vol.1』より。11/23にメジャー2枚目のEPとなる『detroit7 EP Vol.2』をリリースした。そんな中、12/14(水)、東名阪・ワンマンツアー<百花繚乱>が渋谷CLUB QUATTROで開催された。

黒いワンピースで登場したヴォーカル/ギターの菜花知美はオープニングから持ち前の低くセクシーなヴォーカルと、ときに切なくメロディックに、ときにスピード感抜群の鋭いリフを、と多彩なギタープレイを披露し、観客を沸かせる。

菜花が、「アリガトー。今日はなんか、たくさんの人が来てくれて」と口数少なく感謝の言葉を述べたとおり、この日のクアトロはフロアはもちろん、後部のドリンクバー周辺までびっしりの満員だった。

以前から演奏には定評のあった彼らだが、現ラインナップでの数々のライヴ、そして夏フェスでの活躍を経てか、バンドの一体感は以前よりさらに増している印象を受けた。ハンパじゃない力強さを持ちながらも決して乱暴ではない、正確なリズム隊。その地面から沸き起こるようなぶっといグルーヴの迫力もさることながら、フロントマン菜花の表現力も素晴らしい。ギター・ヴォーカルの3ピースだからこそ出せる濃厚な一体感にオーディエンスの熱いテンションが絡み合って、独特の磁場のようなものを形成していた。

菜花の、髪を振り乱し、憑かれたようにギターをかき鳴らすその姿は、まさに“パンク”の一言。その勢いのままギターを床に叩きつけてくれれば、“LONDON CALLING”のキャプションをつけたいところ(こちらを参照に)。しかし、叩きつけるような荒々しいガレージのサウンドの中に、リリックやメロディに時折見せる“女”のバランスが絶妙なのだ。たとえばセットリストでいうと、美メロに乗せて女心を歌ったM6「Merry-go-round」、M7「To be Free」あたりと切り裂くギターに吐き捨てるようなヴォーカルのM8「LOVE & CONFUSED」だが、このギャップにクラっと悩殺されてしまうのだ。

今回のステージでは、新曲の「R&R☆」を含め、2枚のEPからの選曲を中心に計18曲を披露。フルアルバムへの期待も高まるが、ぜひこのままの勢いとテンションで、突っ走ってほしいものだ。


■セットリスト 2005/12/14@shibuya CLUB QUATTRO
01. Inside
02. HOWL
03. Ordinary Madness
04. BUZZ OFF
05. R&R☆
06. Merry-go-round
07. To be Free
08. LOVE & CONFUSED
09. 落涙
10. いびつな花
11. Baby in Galaxy
12. Raise High
13. KISS THE MOON
14. SHOT MY RIGHT TEMPLE
15. COME ON
16. GRACIAS
17. おわりはじまり
【Encore】
01. Beautiful Song
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