ボビー・コールドウェル、『パーフェクト・アイランド・ナイツ』で華麗なる復活

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78年のデビュー作「風のシルエット」をはじめ、
“ミスターAOR”と呼ばれるにふさわしい数々の名曲を
世に送り出してきたボビー・コールドウェル。
この10年ほどジャズ・スタンダードに傾倒していたボビーだが、
3/24にリリースされた『パーフェクト・アイランド・ナイツ』では
久々にファン待望のAOR路線を披露した。

華麗なる復活を遂げたボビー・コールドウェルに、新作を中心に話を訊いた。
最新アルバム


『パーフェクト・アイランド・ナイツ
VICP-62985 \2,520(tax in)
2005年3月24日発売

01.イン・ジ・アフターライフ
02.クレイジー・フォー・ユア・ラヴ〔イヴニング・ミックス〕
03.ドナ
04.ホエア・イズ・ザ・ラヴ
5.パーフェクト・アイランド・ナイト
06.アワ・デイ・ウィル・カム
07.アイ・ニード・ユア・ラヴ
08.キャント・ゲット・オーヴァー・ユー
09.コール・ミー・アップ
10.エクストラ・マイル
11.レイン
12.スキヤキ(フォーエヴァー)
13.クレイジー・フォー・ユア・ラヴ〔モーニング・ミックス〕
14.上を向いて歩こう


メッセージ・ビデオ

「敦煌」ビデオへ ボビーからのメッセージを
どうぞ。上の画像を

──英語ヴァージョン、日本語ヴァージョンを両方入れたのはなぜですか? 1番で英語、2番で日本語といった感じで両方やってしまうこともできますよね。

ボビー:いい質問だね。ライヴではそうしようかな。でもどうして別のヴァージョンとして両方作ったのか、自分でもよく理由はわからないんだよ。なんとなく、かな。

──もう1曲のカヴァーは、デニース・ウィリアムスとデュエットですね。デュエットはお好きですか?

ボビー:デュエットは好きだから、毎回のように入れているね。今回はこの曲でデュエットをやろうと決めていたんだ。デュエットの相手については、何年か前から何か一緒にやろうと話をしていたデニース・ウィリアムスが最初から第一候補だったんだ。彼女もこの曲がすごく好きだったと言うので、すごくスムースに進んだよ。

──「Call Me Up」のイントロには、可愛らしい声が入ってますね。

ボビー:僕の娘の声さ。あの曲はすでに録り終えて完成していたんだけど、あとから曲の内容をいろいろ考えていたら、電話の鳴る音とか留守電の音とか、イントロになにかの音を入れたくなったんだ。大人の声とか、いくつか試してみたんだけどうまくハマるものがなくてね。それで娘を連れてきて録ることにしたんだ。娘のレコーディングは、なんと2テイクでOKだったよ!

──前2作、『Blue Condition』と『Come Rain or Come Shine』はスタンダードでしたが、あれはボビー自身のルーツに回帰したということですか?

ボビー:いや、スタンダードは僕のルーツとはいえないな。子供の頃からシナトラとかエラ・フィッツジェラルドとかたくさん聴いて育ってきたし、音楽にも人生にも多大な影響を与えているのは間違いないけど、ルーツとはちょっと違うな。しばらくスタンダードをやっていたのは、偉大なアメリカの資産といえるような名曲を残し、伝えていこうという思いからなんだ。ロッド・スチュワートみたいなアーティストもこういったものを取り上げていることを見ると、多くのアーティストにそういう思いがあるんじゃないかな。アメリカの歴史を次の世代に伝えていくのは重要なことだよ。

──ソングライターとしての活動の中では、日本のアーティストにも曲をたくさん提供してますね。日本の音楽、日本のミュージシャンについてどう思いますか?

ボビー:以前と比べてずいぶん変わってきたように思う。前は日本でレコードを作るときにアメリカ人のアーティストを呼んだり、日本のアーティストがアメリカに来てレコーディングしたりしていたけど、その必要もなくなってきたんじゃないかな。今はギタリストにしてもソングライターにしても、素晴らしい才能を持った人たちがいっぱいいるね。僕の体験でいうと、以前ブルーノート東京で1週間セットが組まれていたとき、日本のドラマーを使ったことがあった。推薦してもらった「日本一のスタジオドラマー」にテープを送ってやってもらったんだ。あれは誰だっけ? そうそう、ムラカミ(編註:村上ポンタ)だ。実際やってみたらものすごくいいプレイヤーで。もうぶっ飛んだよ。それまでのドラマーには戻ってきてもらわなくてもいいやと思ったくらい(笑)。日本のプレイヤーも音楽も、本当にすごくクォリティが上がってると思うよ。

──今後のツアーも楽しみにしてます。

ボビー:すでにサンディエゴで、新しいセットで6曲くらいやってきてるんだけど、お客さんも気に入ってくれたみたいだね。きっといいパフォーマンスができると思うよ。


取材・文●田澤 仁
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