グリーン・デイ 来日&グラミー受賞大特集!! 2005 ライヴレポ編

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そして、グリーン・デイのライヴ名物の“キミも一日グリーン・デイ!”のコーナー。毎度、ビリー・ジョー使用のギターを観客代表が手にしグリーン・デイと共にセッションできる、ファンにしてみれば夢のようなコーナーだが、今回は豪華に、ビリー・ジョー、マイク、トレという、なんと3人分のパートを観客から募集! 残念ながら、さすがにトレのドラムは叩くのが難しかったようで断念したみたいだが、ギターとベースに選ばれた2人は実に楽しそうに、“一生の思い出ができた!”とばかりに、夢心地に本当にうれしそうにプレイしていた。“キッズに夢を与える存在”としてのロック・スター像というものを、彼らは心から信じているのだろう。何度見ても微笑ましい、好企画であると思う。

……と、ここまではものすごく“いいぞ、いいぞ!”と観ていたが、その後、僕個人的にはちょっとだけ注文をつけたくなった。本音を言えば、この辺りから『アメリカン・イディオット』の物語の後編をやって欲しかったのだが、ライヴはヒット曲集の続きへ。

これも「キング・フォー・ア・デイ」~アイズレー・ブラザーズの名曲「シャウト」への流れなどダンス・タイムっぽくて面白くはあったのだが、せっかくああいう意味のある一大物語をアルバムとして発表したのだから、そこはもう少しアピールしても良かったんじゃないかな、と思ってしまった。

そして、2000年の大ヒット「マイノリティ」で本編を締めくくってアンコールへ。「マリア」を披露した後、目下大ヒット中のロック・バラード「ブールヴァード~」で観客とともに大合唱。そして、SUMMER SONICでも披露したクイーンの名曲「伝説のチャンピオン」をカヴァー。サマソニの時はこれで終わってしまい、“なんでグリーン・デイ程のバンドが他人の曲で終わりなの?”と思ってやや不安になったが、最後は彼らのライヴのラストの定番「タイム・オブ・ユア・ライフ」でしっとりと締めくくった。

これが今回のグリーン・デイのライヴの概要である。もう、演奏力では間違いなく現在のパンク・ロックのトップ。注文を付ける点は一切ない。ただ、今だからこそロック・オペラ『アメリカン・イディオット』はステージで完成させて欲しかったんだけどなぁ……。

最後に、ステージで大量に爆発する花火の量と大掛かりなセットを目の当たりにして、“彼らもずい分ビッグになったのだなあ”と、初めてライヴを見た10年近く前のことを思い出して、改めて感慨にふけったりもしたのだった。

取材・文●沢田太陽
写真●TEPPEI

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