音を出す理由が明確に、迷いなくできたアルバム『竜舌蘭』スペシャル・インタヴュー【2】

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new album
『竜舌蘭』
2004年10月27日発売
東芝EMI
TOCT-25489 ¥3,059(Tax in)

1. 赤い月に吠える夜
2. 青い亀裂
3. バイオレットの空
4. 二つの足音
5. 千日紅
6. くのいち
7. タクシー
8. 東京
9. うみのうま
10. 初秋
11. 考え事
12. 大人のひみつ

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──今作の制作前にそれぞれ考えたことはありますか?

アッコ: ソロで自分が得たものを反映させたかったですね。3人になったとき自分ができることは何か?というのを、初めて真剣に考えたんですよ。これまでは自分が表現したいことばかり考えてたから。

ユウ: 私はソロでは歌に専念したから、バンドとして楽しめるアルバムにしたかったですね。演奏して気持ちいい曲だったり、歌って気持ちいいリズム感だったり。

ターキー: いつも思ってることなんですけど、呼吸を大事にしようと思ったんですよ。ドラムって生の楽器で、打ち込みとかじゃないから。多分、上手いドラマーとかって聴いていて呼吸が分かるんですよね。だから、そういうところにいきたかった。音の切れるタイミングとかを大事にしたかったですね。

──ヴォーカリストとしてはどうでしたか?

ユウ: 今回は一番自然にできたと思ってます。今まで考えすぎてた部分があったんですよ。“もっと自分らしく”“もっとGO!GO!らしく”とか、意識することで余計不自然になっていた。何も考えないようにして、純粋に楽しく、気持ちよく歌って、結果的に一番納得がいくものになりました。

──最近書いた曲が多いんですか?

アッコ: そうですね。「考え事」「タクシー」「東京」「二つの足音」の4曲は前からある曲ですけど。

──M1「赤い月に吠える夜」、M2「青い亀裂」なんか、すごくストレートなロックで、かなりこれまでと違う雰囲気だなと思ったんですよね。

ユウ: 「赤い月に吠える夜」は今まで演ったことのない、初めての演り方で作った曲なんですよ。一番最後にできた曲なんですけど、ドラムから作った曲で、ドラムのビートを最初に作って、私はそれに曲を乗っけたっていうやり方で。

──今作は切ない歌詞が多いですよね。詞の内容も直球勝負というか、リアルな感じがしたんですよね。世界観も含めて。


ユウ: そうですね、シリアスな感じが強いと思います。

アッコ: すごい矛盾してるんですけど、詞を書いて自分が言いたいことって、言葉にならない感情だったりすると思うんですよ。でも、切ない感じというのは、合ってるかもしれない。

──アッコさんはオフの間、一ヶ月の長いヨーロッパ旅行に行かれてたそうですね。

アッコ: よかったですね。一人で行ったのも初めてだったし。すごくいろいろな考え方が変わったんです。言葉、宗教、自分が日本人ということも初めて意識させられたし。自分が自由な人間なんだと実感することで、より音楽を楽しめるようにもなったし。

──特に思い出のスポットは?

アッコ: 「バイオレットの空」ってギリシャからイタリアに船で渡ったとき、地中海の夕日がホントに絵葉書みたいな紫色で、その空のことなんですよ。イタリアの空、水色じゃない深い青がすごい綺麗で。

──「バイオレットの空」の歌詞は、政治的にも受け取れる部分がありますけど、当時の国際情勢を反映してたりするんですか?


アッコ: 今回はそういう内容も含まれてますね。音楽にそういう思想を持ってくることをすごく悩んだんですけど、世界情勢が自分の日常を占める割合が大きくなっていて、言わずにはいられなくなって。GO!GO!が今の状態でそういうのを発言するのもやってみたかったし。

取材・文●バークス

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