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DIRTY AMERICANS are
Myron(マイロン)Vo Jeff Piper(ジェフ・パイパー)G Pete Bever(ピート・ビーヴァー)B Jeremiah Pilbeam(ジェレミー・ピルビーム)Dr ――ダーティ・アメリカンズというバンド名はインパクトがありますが、どうしてこんな名前に?
マイロン:命名したのはドラマーのジェレミーなんだ。奴がオレ達に会った時「Good Old American Bandに入りたいんだ」って言ったんだ。それがそのままバンド名になってしまった。
――音はオールド・ロックの匂いがプンプンするけど、キミ達の出身地であるデトロイトでは、こういう音は主流なのかな?
ジェフ:そうだね。これまでデトロイトから出たバンドって、古くはボブ・シーガー、MC5、グランド・ファンク・レイルロード、テッド・ニージェント、アリス・クーパーもそうだし、良いロックンロールの産地ってことは言えるんで、そういったものを受け継いでいることは間違いないね。
ピート:でもデトロイトでは、オレ達はちょっと浮いた存在なんだよ。このバンドの前身のワークホース・ムーヴメントのころからそうなんだけど、デトロイトのどのロックシーンにも属してない異色の存在だった。
ジェレミー:オレ達の音楽はどこにもカテゴライズできないほど幅広いものなんだよ。
――そういうシーンの中で、自分たちの音楽性を押し通すということは、相当'70年~'80年代への思い入れが強いってことだね。
ジェフ:オレ達が好きだったレッド・ツェッペリン、モトリー・クルー、ガンズ・アンド・ローゼスなんかは、時代を超越した存在だ。だからオレ達も時代にとらわれない、時代を超えた音楽をやっているつもりだ。
――しつこいけど、それにしても、ここまでオールド・ロックのエッセンスが濃いというのは、意識的にそうしようという意図がなければ、こうはならないと思うけど。
ピート:曲作りはギターリフからすべて始まるんだけど、それを'70年代や'80年代風のレトロなものにしようというつもりは全然ないんだ。ただ、このアルバムのアートワークなんかはサイケデリックだし、オレ達の服装やなんかが古いロックを思い起こさせるのかもしれない。ビンテージ・ロックは、オレ達が子供のころからずっと聴いてきたものだから、オレ達の中にあるロックのイメージはこういうものだから、それが自然な形で出ているんだと思うよ。
ジェレミー:ビンテージ・ロックはどれも時代を超越したものが多くて、ジミ・ヘンドリックスなんかも今だにレコードが売れ続けている。偉大なロックバンドはみんなそうだ。
マイロン:昔のバンドじゃなくても同じことが言える。'90年代のサウンド・ガーデンなんかも同じさ。オレ達も、わざと昔風のことをやってるんじゃなくて、自然にやりたいことをやった結果、こういう音楽になってるというだけなんだ。
ジェフ:レトロな要素を持っているというのは褒められていることだと思っているよ。
――このアルバム『STRANGE GENERATION』って、良い意味で洗練されてなくてノイズだらけだね。一発録りの曲も多いということだし。その生々しさと潔さが新鮮で感激したんだけど。
ジェフ:まさにそういう音楽性が“ダーティ”というコトバに象徴されているんだよ。ロックンロールっていうのは完璧であってはならないんだよ。だから音も完璧なものじゃない。2曲目の「Car Crash」が一発録りだったかな。一発録りの方が簡単なんで、できるだけそれでいこうと思ったんだけどね。
――一発録りって、全員で一斉に録音するの?
ピート:曲によって違うんだ。演奏の3人が同時に録音することもあるんだけど。7曲目の「Dead Man」なんかはオーケストレーションが入っているから無理なんだけどね。
マイロン:オレはヴォーカルだから無理なんだよ。オレだけは後でかぶせてる。
――ギターがナチュラルディストーション主体で良い音してるよね。イクイップメントを教えてもらえるかな。「Burn You Down」のファズギターは強烈だね。
ジェフ:ギターはレスポールとSG、アンプは'70年代初期のマーシャルで50Wのヘッドをフル10にしてる。エフェクターはワウペタル、それとビッグマフからラインでつないでいる。これを左右に振ると、クリームみたいな厚みのあるサウンドになるんだ。あとは秘密のボックスさ。「Dead Man」のギターソロで使っているから、よーく聴いてほしいな。「Burn You Down」は、ビッグマフをVOXのAC30やマーシャルのブルースブレイカーズ(JTM45)なんかの複数のアンプにつないで出したんだ。
――キミ達の楽曲はメロディがふくよか。ブルース色はあまり色濃くないね。
ジェフ:多少はあると思うけど、ヴォーカルスタイルは確かにブルース色はないね。
ピート:'70年代のバンドが影響されたのは、それより前のものだろ。そのころって今ほど音楽の種類が多くなかった。だからブルースなんかの影響がストレートに出てたんだと思う。でも21世紀の今は、そのころとは比べものにならないほど多くの音楽が出てるからね。オレ達はメロディックなロックからの影響を強く受けたんだと思う。
――「Strange Generation」はシビアな反戦メッセージが込められている。歌詞に重い意味を乗せることについてどう考えている?
マイロン:この曲は、9/11にオレの身に起こったことを歌っているんだ。その時、オレは中学生に勉強を教えていた。そこで感じたことを歌詞に込めたんだ。だから厳密に言うと反戦歌じゃない。でも、深刻なメッセージを歌詞に込めることは、このバンドにとっては重要なことさ。でもそれを露骨に出すんじゃなくて巧妙にしたいけどね。
ジェレミー:そう。その方が効果的に伝わるんだよ。直接的じゃなく、うまく比喩的に表現したいよね。
――「Strange Generation」がいう奇妙な世代とは?
マイロン:オレの教えていた子供達のことなんだ。同じ世代の子供達でも好きな音楽が違うんだよな。でもそういう違いがあるのに、9/11では同じ場所で同じ恐怖を共有した。そういう状況に、何かを感じてしまったんだ。うまく説明できないんだけど。
――これからどんな音を作って行きたいですか?
マイロン:昼間の仕事をせずに音楽だけで生活できるようになればいいな…。
ピート:一つの目標に向かうってことじゃなく、今やれていることをずっと続けていければいい。
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