【インタビュー】you kiyo shuji、Janne Da Arcデビュー25周年イヤーの総括とツアー<CONNECT>の未来を語る「万全の態勢でいたい」

■当時使っていた楽器を用意したので
■あの頃のモードに戻ってツアーに臨めた
──Janne Da Arcがもはや血の中に流れているんでしょうね。kiyoさんも「衣装を着ると当時のモードに切り替わる」ってステージでおっしゃってましたね?
kiyo:そうですね。あと、隣を見るとshujiがいるので当時のことをいろいろ思い出すし。たとえば“shuちゃんの合図でこの曲やってたな”とか。それと今回のツアーではなるべく、当時使っていた楽器や機材を使うようにしていたので、操作の仕方を全部思い出したりしながら準備してました。
──最近、使っていなかったキーボードのメンテナンスをしたり?
kiyo:当時はデータをフロッピーディスクに入れていたので、それを他のメディアに置き換えたり。当時使っていたけどどうしても動かない機種は、改めて中古で買い直しました。
──ちなみにどんな機材ですか?
kiyo:僕がインディーズの頃から使っているYAMAHAのW5というシンセサイザーだったり。それと今回、レスリースピーカーを使ったんです。
you:使ってたよな。

──レスリースピーカーをライブハウスに持ち込んだんですか?
kiyo:そう。洗濯機ぐらいの大きさがあるじゃないですか(笑)。
you:自分らで機材の搬入搬出をしていた頃から使ってたよな、レスリーって。みんなで“タンス”って呼んでたんですよ(笑)。
kiyo:それにめっちゃ重いんですよ。当時からメンバーに迷惑ばっかりかけてた(笑)。
──最新デジタル機材なら、その音や効果も再現できると思いますが、それでも当時の機材でなければいけなかったと?
kiyo:はい。“それでも”…なんですよね。
you:大事ですよ。シミュレーターは使わない。
kiyo:昔のデータを見て確認する作業も楽しかったですね。当時、作っていたけど世に出してない曲も出てきて、音源聴きながら“若いなぁ”と思ったり(笑)。
──未発表曲も掘り起こされたとは、レア音源じゃないですか!?
kiyo:そうですね。インディーズ時代に実家のベッドに寝転びながら作っていたような曲だったりとか(笑)。そういう過程も含めて、当時のモードに戻ってツアーに臨めたんですよね。

──なるほど。youさんの場合はステージ中央に出てソロを弾いたり、コーラスを全力で歌ったり、会場を煽ったりとフロントマンの役目も担っていましたよね。
you:そこは前列に立つギタリストとして僕がやらなきゃいけないポジションというか、お客さんに対してもそういう姿勢で臨んだツアーだったんですけど、本当に会場のみんなに助けられてたなって思います。
──逆にパワーをもらった部分もありましたか?
you:ですね。フロアをなるべく隅々まで見ながら弾いていたんですが、泣いている人もいれば思いきり笑顔の人もいて、それぞれの想いが直に伝わってきたので、すごい体験をさせてもらったなって。さっきshujiも言ってましたけど、僕らより遥かにJanne Da Arcへの募る想いがみんなの中にあったんだなって感じたツアーでしたね。
──使用した機材に関しては、kiyoさんのように当時を再現しようと?
you:ギターはJanne Da Arc当時のオリジナルモデル(Fernandes JDA-CUSTOM)で弾きましたね。アンプとかは今のシステム。現在使用しているケンパーで、そのなかのモデルを使用しました。
──shujiさんの場合は?
shuji:基本的なセット構成は変わってないですけど、各太鼓はサイズが小さくなってます。ベードラは当時26インチだったのが、今は24インチ。タムも小さくなってます。
kiyo:当時もっとデカかったんだ?
shuji:タムは12、14、16、18だったのが、今は10、12、16、18。
you:いや、昔のセット組まれたら舞台上のスペースが大変や(笑)。
shuji:それに昔のセットって、サウンド的に古い感じがするから。
kiyo:なるほどね。

──O-EASTでは、アンコールでファンの方々のメッセージがいっぱいに書かれたツアーの横断幕を各自が持って登場されました。実際にツアーでファンの方々と同じ空間を共有して、印象的だったことを教えてください。
you:当然、いろいろな意見があるやろなと思ってステージに立ってたんですが、ライブ中に「ありがとう!」という言葉しか聞こえてこないんですよ。それは予想外でした。もちろんありがたいし、すごく嬉しかったんですけど、僕らが感謝を伝えに行ったのに、それを遥かに超える想いや声を返してもらった。SNSでも当然、いろんな意見があるやろうと思っていたわけですよ。
──賛否両論ということですか?
you:そう。もちろん否定的な声もあったとは思いますが、それ以上にSNSでも「ありがとう!」「もっと見たい!」「見に行けばよかった!」という声が多くて、ビックリしました。
──当初は不安のほうが大きかっただけに。
you:そうなんです。
shuji:正直、僕たちのほうが「ありがとう」なんですけどね。ツアーを経て、最後にO-EASTでやって、Janne Da Arcが残したものの大きさも改めて感じられたので、個人的な意見としては“望まれる限り、いつでも動きます”という想いが強くなりました。
──素晴らしい。
shuji:もちろん昔から「復活してください」という声は多くいただいてて、自分自身は“いつでも動けますよ”っていう気持ちでしたけど、こればかりは一人じゃどうにもならないことなので。でも、今でもそう思ってくださっているファンの方が多いことが、今回よくわかったので、できる限り、みんなのために何かしてあげられたらという気持ちが強くなりました。
──実際、歓声の大きさや会場の期待感とか熱量がすごくて、どれだけ待ち焦がれていたんだろうと思いました。
kiyo:手紙もいただきましたし、ツアー中にお配りしたアンケートでも「こういう機会を作ってくれてありがとう」「今まで溜まっていたものをぶつける場所を作ってくれてありがとう」という声がすごく多かったんです。Janne Da Arcの解散直後に、この3人でツアーをしたその時は、“ごめんなさい”っていう想いを持って廻っていたんですよ。今回はある意味、前より堂々とJanne Da Arcの曲を演奏できた。やりたかったことが少し実現できてよかったという気持ちでしたね。

──改めてJanne Da Arcの曲の魅力について思ったことがあったら教えてください。
kiyo:魅力というか、“このオケで、よくyasuは歌ってたな”ってずっと思ってました。
shuji:ははははは!
kiyo:特に僕はキーボードということもあって、主旋律の裏メロを弾くのが好きなんですよね。でも、さっきshujiが言ったように、今回はイヤモニから主旋律が聴こえてたこともあって、“このアレンジでこのメロディを歌うのはすごいな”って(笑)。
──キーボードが弾く裏メロに惑わされず、よく歌っていたなってことですか?
kiyo:それに、“このコード感で、あのメロディをよく歌ってたな”とか。今回の一連のライブを通して、最後までそう思いながら弾いていました(笑)。
──当時は歌いにくいだろうなってことに、気がつかなかったんですね(笑)?
kiyo:自分のことで必死だったので、“僕のフレーズも聴いてー”みたいな感じだったんですよね。だから、今あらためて本当に、yasuはすごい!
you:キーボードって際立つところとそうじゃないところがある楽器ですからね。僕は逆に歌を聴いて演奏すると自分のフレーズが弾けなくなるんですよ。改めて“変わったバンドやったな”とは思いましたね。ある意味、難解というか。
──楽曲構成がこだわりに満ちて、各プレイが凝っていますからね。それでいて歌のメロディを大事にしていたバンドなんだなって。
kiyo:確かに。メロディと楽器隊が違う世界を作り出すことで、曲に幅とか奥行きが出ていたのかなと、大人になった今思います。
──ジャンル的にもプログレ、ハードロック、ポップなど様々な要素がブレンドされています。
kiyo:そうですね。ギターも変わったことしてますし。キーボードもギターにぶつからないようにいろいろなことしてますからね。
──目立つ隙があれば主張するみたいな(笑)。
kiyo:ははは。そうですね。当時はそういう時代だったというのもあるかもしれないけど、楽しかったです。






