2025年4月にメジャー1stフルアルバム『Ｒ』をリリースし、現在リリースツアー＜Bimi Release Party Tour 2025 -Ｒ-＞真っ最中のBimiが、スタジオライブ動画「Studio Performance Video」を公開した。アルバムに参加したフィーチャリングアーティストとのパフォーマンスが全曲公開されていく。

◆スタジオライブ動画

BARKSではすべてのスタジオライブパフォーマンスについてBimiに訊くインタビューシリーズを全7回に渡り展開する。第4回目は「軽トラで轢く -味変- feat. 椎名佐千子」。演歌特有の恨み節を現代のニュアンスで表現したインディーズ時代の楽曲を今作に収録するにあたり、今年で演歌歌手デビューから23年を迎えた椎名佐千子が歌い上げ、Bimiもラップを追加した。劇的なアップデートを遂げた同曲にBimiはどんな思いを込め、パフォーマンスにどういう手ごたえを感じたのだろうか。

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◼︎椎名佐千子パフォーマンス直後コメント
スタジオライブを収録する機会がこれまでほとんどなく、さらには演歌とヒップホップのコラボレーションというなかなかない組み合わせなので、最初は不安と期待が入り混じっていました。でもBimiさんの力強いラップのエネルギーに負けないように歌に入り込んでいって、テンションがどんどん上がっていきましたね。Bimiさんに引っ張っていただきました。女の情念を感じていただけるように精一杯演じているので、普段あまり見せない表情にも注目していただけたらうれしいです。

Bimiさんはエネルギーが溢れていて、隣にいるだけで自然と気持ちが盛り上がっていきました。でも曲が終わると本当に穏やかで優しい、普段のBimiさんがそこにいて。その切り替えもすごいなと思いましたね。

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──演歌を取り入れたインディーズ時代の楽曲「軽トラで轢く」のリアレンジバージョン「軽トラで轢く -味変-」は、演歌パートを演歌歌手の椎名佐千子さんが歌唱しています。

Bimi：キングレコードだからこそできる座組ですよね。おまけに後から佐千子さんが俺の高校の先輩であることが判明して。すげえ偶然だなと思いました。

──スタジオライブの収録では、椎名さんが歌い始めた瞬間にBimiさんがDJ dipさんとアイコンタクトをしてニヤッと笑っていましたね。

Bimi：佐千子さんが歌い始めた瞬間に「きた……！」と思いましたね。これで老人ホームを巡業しよう！　そんで老人に「バカ」「ボケ」って言ってもらおう、ヘドバンもしてもらおう！　って感じでした。やっぱ老人はどうしたって俺らより余生が短いじゃないですか。だったら演歌も「軽トラで轢く」くらい刺激があって、楽しいほうがいいですよね。ていうか老人ほどヒップホップやったほうがいいですよ。新しい生きがいにどうですかね？　老人がヒップホップやったら誰も勝てないっすよ。

──そうですよね。2025年は戦後80年。戦前生まれでご存命の方もいらっしゃいますし、戦後直後の方もいろんな経験をしてらっしゃるでしょうし。

Bimi：戦争のことを歌われたら太刀打ちできないっすよ。今こそ老人がハイパーポップとかに乗せて戦時中や戦争の悲惨さみたいなのをラップして、オートチューンとかかけてくれたらいいですよね。だから「軽トラで轢く」はちょっとそういう狙いもあったんです。10年くらい前にPUNPEEさんが加山雄三の「お嫁においで」をリミックスして流行ったじゃないですか（※加山雄三 feat. PUNPEE「お嫁においで 2015」）。でも俺はオリジナルでそれをやりたかったんですよ。

──それがインディーズ時代の「軽トラで轢く」につながっていくと。

Bimi：演歌をメインにして、ビートはトラップやドリル系にしたかったんですよね。イチから演歌とトラップを作って混ぜたものはなかったと思うので、実際インディーズ時代もBimiサウンドならではの面白いものになったなとすげえ手応えあったんです。歌詞も演歌に受け継がれている“恨み節”と“情念”をどうやって若者に刺さるものにできるだろうかと考えた結果、ワンナイトから付き合ったけど結局男は浮気を繰り返して「こいつマジ殺そう」と腸（はらわた）が煮えくり返っている女をテーマにして。

──Bimiらしいすべてが絶妙なミクスチャーサウンドですよね。一度撥ねるだけでは気が済まないから何度も轢けるように軽トラをチョイスするという詞の内容も含めて。

Bimi：その後ちゃんと運ぶところまで考えてるっていう（笑）。軽トラがいちばん運びやすいんでね。本物の演歌歌手の方に《軽トラで轢きます》と歌ってもらえた瞬間はやっぱ震えました。「俺らがやってたことは間違ってなかった」と思って、dipのほうを見て笑っちゃってましたね。

──椎名さんは「Bimiさんの力強いラップのエネルギーに負けないように歌に入り込んでいって、テンションがどんどん上がっていきました」「Bimiさんに引っ張っていただきました」とおっしゃっていました。

Bimi：それはこっちの台詞ですよ（笑）。最初歌ってるの佐千子さんですもん。やっぱ本物は違いますね。演歌・歌謡の世界の人たちの歌っているときの手の動きとか表情とか、本当に行ききるくらい入り込んでないとできないですもん。役者と音楽どっちもやってる人間でもあの域にはなかなか行けないから、まじで演歌を極めてる人だからできることなんだと思います。

──「軽トラで轢く -味変-」は同じ高校の先輩である椎名さんが参加なさって、楽曲のシンボルがご老人が乗っているでお馴染みの軽トラで、結果的にBimiさんのルーツが出た楽曲になっているのが面白いですね。自然と銚子の港町の風景が思い浮かびます。

Bimi：地元に老人が多いのと、母ちゃんがカラオケ全盛期世代なのもあって、ちっちゃい頃から大人たちとカラオケ行くことが多かったんですよ。だからそこで歌われてた演歌や歌謡曲がずっと記憶に残ってて。地元で人に恵まれていたんですよね。10代の頃に仲良くなった先輩や後輩も音楽が好きだったし。

──Bimiのミクスチャーは、いろんな世代の人との出会いと交流も影響しているんですね。だから演歌とドリルビートの融合がナチュラルに成立しているんだなと腑に落ちました。

Bimi：やっぱヒット曲ってだいたい結局いいんですよね。その時代の背景とかを知ると流行るのも必然だなと感じるし、だからこそその時代を生きた人に根付くんだなと腑に落ちる。親のおかげで小さい頃からいろんな人に会わせてもらって、いろんな人に可愛がってもらってたんですよね。だからほんとそれは今でもありがたくて。どんなこともやっぱ結局人だと思うんで。人に触れてきてよかったなと思います。

取材・文◎沖さやこ

メジャー1stアルバム『Ｒ』

2025年4月9日（水）発売
https://elr.lnk.to/RCD

品番：KICS-4189
商品形態：CD only
定価：¥3,600（税込）
仕様：限定スリーブケース（初回プレス分のみ）

［収録内容］
M1. 辻斬り
M2. 百鬼夜行 feat.Whoopee Bomb
M3. 無敵 feat.呂布カルマ
M4. Bright feat.YUKI（from MADKID）
M5. 額 -HITAI-
M6. Right-Hand Chance
M7. 軽トラで轢く-味変- feat.椎名佐千子
M8. 暴食
M9. All the things feat.Sit（from COUNTRY YARD, mokuyouvi）
M10. Nemo
M11. ゴースト feat.新藤晴一（from ポルノグラフィティ）
M12. 27th-味変-
M13. Bonus Inst -R- (Prod. DJ dip)

ライブ情報

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