いい音爆音アワー vol.114 「なんちゃってレゲエ♪特集」

いい音爆音アワー vol.114 なんちゃってレゲエ♪特集
2020年 8月19日(水)@ニュー風知空知
本来の、と言うか本家のレゲエ(ルーツロックレゲエ)と言えば、ラスタファリズム(1930年代にジャマイカの労働者・農民が起こした、アフリカ回帰を願う宗教的思想・運動)の思想に基づく、メッセージ性の強い歌詞や、ドレッドロックス(特有の髪型)、ラスタカラー(緑・黄・赤)、さらにはガンジャ(大麻)などがつきものですが、そういう思想的なところは置いといて、レゲエ・ビートのあの、“ンチャカ・ンチャカ”ウラ打ちの、気持ちよさだけ拝借したポップミュージックを、私は「なんちゃってレゲエ」と呼んでかわいがっております。「レゲエの皮をかぶったポップス」と言ってもいいでしょう(これも私が言っているだけ)。
スカも含めてこのレゲエ・ビートは、ほぼどんな曲でも合わせることができ、しかも元がどんなにシビアな曲であっても、たちまちハッピーに脱力させてしまうという、万能かつ魔法のようなリズムなのであります。
今回は、そんな「なんちゃってレゲエ」を中心に(そうでないものもある)、できるだけバラエティ豊かに選曲してみました。
福岡智彦 (いい音研究所)
セットリスト
Lily Allen「Smile」
こちらは全英1位。「なんちゃってレゲエ」は強し。
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1st シングル(2006年7月3日発売)
1st アルバム『Alright, Still』(2006年7月13日発売)収録
作詞・作曲:Lily Allen, Iyiola Babalola, Darren Lewis, Jackie Mittoo, Clement Dodd
プロデュース:Future Cut
レーベル:Regal
全英1位、全米49位 アルバムは全英2位、全米20位
・ジャマイカのレゲエバンド”The Soul Brothers”の「Free Soul」のトラックをサンプリングしている。作曲者のJackie Mittooはそのバンドのキーボード奏者。Clement Doddはプロデューサー
・”Future Cut”はIyiola BabalolaとDarren Lewisのプロデュース・チーム
リリー・アレン:
1985年5月2日、ロンドン生まれ。父は俳優のKeith Allen、母は映画プロデューサーのAlison Owen。
2005年、いくつかの音源をMySpaceで公開すると話題になり、BBCのラジオ1で取り上げられ、Regal Recordingsとの契約が決まった。
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2018年6月8日、4th アルバム『No Shame』リリース。
太田裕美「パスしな!」
レゲエばかりか、「なんちゃってダブ」♪
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17th アルバム『I do, You do』(1983年10月1日発売)収録
作詞:山本みき子(銀色夏生)/作曲:川島UG/編曲:バナナ
レーベル:CBSソニー
おおた ひろみ:
1955年1月20日、東京都荒川区生まれ
1973年1月〜、NHKテレビ「ステージ101」に、“ヤング101”の一員としてレギュラー出演(→1974年3月)。メンバーには谷山浩子もいた。
同年12月、NETテレビ(現:テレビ朝日)のオーディション番組「あなたならOK!」に出場し、優勝。
1974年11月1日、シングル「雨だれ/白い季節」でデビュー。
おおたか静流「月がとっても青いから」
昭和歌謡の名曲をスカでカヴァー。
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カヴァー・アルバム『Repeat Performance II』(1993年6月23日発売)収録
作詞:清水みのる/作曲:陸奥明/編曲:福田裕彦
カヴァー:オリジナルは菅原都々子(1955年)
レーベル:テイチク
おおたか しずる:
1953年4月11日、東京都生まれ
武蔵野大学人文学部卒業
1989年、加藤みちあきとのユニット”dido”(ディド)でデビュー。
1990年11月21日、テイチクより、シングル「花〜すべての人の心に花を〜」でデビュー(「AXIA」CMソング)。
1992年1月15日公開、周防正行監督作品「シコふんじゃった」の音楽を担当。
1992年より、名曲カヴァー・シリーズ『Repeat Performance』を断続的にリリース。
槇原敬之「一歩一会」
レゲエは散歩ビートでもあるな…♪
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47th シングル「理由」(2016年8月24日発売)のカップリング
21st アルバム『Believer』(2016年12月14日発売)収録
作詞・作曲・編曲・プロデュース:槇原敬之
レーベル:Buppu
「理由」はオリコン48位 アルバムはオリコン5位
・テレビ朝日「じゅん散歩」(2015年9月28日〜 高田純次)のテーマソング(2020年2月14日放送回から楽曲使用を取り止め。前日覚醒剤取締法違反などの疑いで逮捕されたため)
・ag+eg: 石成正人
まきはら のりゆき:
1969年5月18日、大阪府高槻市生まれ
1990年10月25日、シングル「NG」とアルバム『君が笑うとき君の胸が痛まないように』でWEA Musicよりデビュー。
1991年6月10日、3rd シングル「どんなときも。」リリース。
1992年5月25日、5th シングル「もう恋なんてしない」リリース。ミリオンセラー。
2003年、SMAPに提供した「世界に一つだけの花」が大ヒット(累計300万枚以上)。
2006年2月22日、14th アルバム『LIFE IN DOWNTOWN』リリース。アルバム総売上枚数が井上陽水を抜き、男性ソロ歴代1位となる。
2020年8月3日、懲役2年、執行猶予3年の判決を受ける。控訴は行わず、当面の活動休止を表明。
坂本龍一「Moving On」
さり気なく、でもいつの間にか覚えてしまうメロディ
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アルバム『Sweet Revenge』(1994年6月17日発売)収録
作詞:J-Me Smith/作曲・プロデュース:坂本龍一
レーベル:güt(フォーライフ)
アルバムはオリコン7位
・歌と言うか、語り:J-Me
・J-Meはニューヨークのクラブで知り合った無名のラッパー
・サトシ・トミイエがパーカッションのプログラミングで参加
さかもと りゅういち:
1952年1月17日、東京都中野区生まれ
1978年10月25日、初のソロ・アルバム『千のナイフ』をリリース。
同年11月25日、YMO、1st アルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』リリース。
1983年、大島渚監督映画「戦場のメリークリスマス」(83年5月28日公開)に出演。
1987年、映画「ラストエンペラー」に出演し、音楽を手掛ける。アカデミー賞作曲賞を受賞。
1990年4月、活動の拠点をニューヨークに移す。
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Janet Kay「Lovin’ You」
日本でも(と言うか、だけ?)大ヒット。
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シングル(1977年発売)
作詞・作曲:Minnie Riperton, Richard Rudolph/プロデュース:Alton Ellis
カヴァー:オリジナルはMinnie Riperton(1975年1月)
レーベル:All Tone
UKのレゲエチャートで1位
・「All Tone」はアルトン・エリスが立ち上げたレゲエ・レーベル
ジャネット・ケイ:
1958年1月17日、ロンドン生まれ
1977年、スタジオで歌のリハーサルをしているところを、偶然”Aswad”のTony “Gad” Robinsonに認められ、彼が彼女をジャマイカ生まれのロックステディ・シンガー、アルトン・エリス(Alton Ellis)に紹介した。エリスはその時、「Lovin’ You」のレゲエ・カヴァーを歌ってくれる人を探していた。ケイの「Lovin’ You」はUKのレゲエチャートで1位を獲得。
1979年、Dennis Bovellが書いた「Silly Games」をシングルリリース。全英2位となった。
1983年4月、ロイド・チャーマースをプロデューサーに迎えたカヴァー・アルバム2枚(『So Amazing』『Sweet Surrender』)をリリースしたが、その後音楽活動から遠ざかる。
1991年、日本企画盤『LOVIN’ YOU~BEST OF J.K.』リリース(『So Amazing』『Sweet Surrender』からセレクトした音源に、「Lovin’ You」をプラスしたもの)。「Lovin’ You」も新規に録音され、シングル・カットされると日本で大ヒットする。
以降、Sony Music Japanからアルバムを何作もリリースしている。
The Police「So Lonely」
ポリスはレゲエ・ロックから始まりましたね。
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3rd シングル(1978年11月3日発売)
1st アルバム『Outlandos d’Amour』(1978年11月2日発売)収録
作詞・作曲:Sting/プロデュース:The Police
レーベル:A&M
全英6位 アルバムも全英6位
・よく「Sue Lawley」と聴き間違えられた。いわゆる「空耳」。Sue Lawleyは英国の有名なニュースキャスター。
・ミュージックビデオは香港の市街と東京の地下鉄内で撮影されている。
次回の爆音アワーは・・・