■みんな10年くらいやっているので
■若手に思われがちですけど実際はいろいろ経験している──HIKARU.（カメレオ）

──では、サウンド的にもバンドのスタイル的にも3バンドを比較したときに、ここは共通点だと思うところ、逆にここは決定的に異なる部分と感じているところは？

HIKARU.：ひとつ思うのは、DIVのちょび君もそうだし、ユナイトの未緒さんもそうなんですけど、バンド歴が長い。これは3バンドに共通していることで。前のバンドから数えるとみんな10年くらいやっているので、今のシーンでは若手に思われがちですけど、実際はいろいろ経験しているんです。

──そのノウハウが今に生きているわけですよね。

結：たしかにそこは大きいですね、最初は。

CHISA：そのノウハウって最初の1年くらいで全部尽きません？　やっぱり2年目くらいから、どうしていいかわからなくなっていくことも多いんです。その後、バンドとして活動を継続するなかで新しくつかむことがすごく多くて。

HIKARU.：そうだね。時代も変わるし。

結：ヴィジュアル系はとくに移り変わりが激しいから。ユナイトがスタートした当時はキラキラしたバンドが主流だったけど、今はそんなこともなかったり。この2、3年で見ても、ほんとに早いんですよね。

HIKARU.：あのバンドがこうやって売れたからこうやろうといってもダメですからね。

──どんどん新しいもの、違うものっていう発想を持ってないとシーンではやっていけない。

結：まず飽きられちゃうよね。

HIKARU.：それに自分もワクワクしないし。

▲CHISA（DIV）

──他にないことを追求していくひとつの方法論に、カメレオのようなカタチが生まれたという。

HIKARU.：そうです。残念な結果に（笑）。

CHISA：はは。カメレオには純粋にファンとしての気持ちで“次に何やってくれるんだろう”っていう楽しみがある。でもDIVはカメレオが何かやったからこっちも頑張らなきゃっていうのじゃないんで。新しいものの提示の仕方もそれぞれですよね。カメレオは、「次のアーティスト写真が楽しみ」みたいなのもあるじゃないですか（笑）。なんか面白いのこないかなって。

──ハードルは上がる一方ですよね。

HIKARU.：そうなんですよ、次、何しよう（笑）。

結：ミュージックビデオもすごく面白くて。ストーリー性のある映像が楽しみなので、きっともっとすごいことをやってくれるのかなと（笑）。面白さという意味で、カメレオはユナイトやDIVとは違う着眼点がありますよね。

──ユナイトも最新シングル「レヴ／ice」のアーティスト写真では曲の二面性を表現しましたが？

結：ユナイトは毎回、楽曲の世界観に合うヴィジュアルイメージを展開しているんです。特にこれまで、タイトル曲はいろんな人が目にするということで正統派な感じだったんですけど、今回は新メンバーにドラムの莎奈が加わってバンドとしても起点になる時期だったので、変わった感を出していきたかったんですね。最新シングルはダブルA面でニ面性を出したから、ヴィジュアルイメージもそれぞれの世界観のものを組み合わせて。その反響も大きかったですね。ジャンルにとらわれずに激しい曲も聴きやすい曲もいろいろやっていこうっていうスタンスが、3年経ってようやく浸透してきたのかなと感じましたね。

──DIVは見せ方やルックス的なイメージについてどう考えているんですか。

CHISA：僕らは、最近のテーマが“もっと自由に”というもので。何やってもDIVですっていうことをテーマにしていますね。ただ、もともとヴィジュアル系って、そういう自由なジャンルだったと思うんですよね。好きな格好して、好きなように髪を染めて、化粧をしてみたいな。今はこうじゃなきゃヴィジュアル系じゃないとか、これはヴィジュアル系だけどこれはヴィジュアル系じゃないみたいな、そういうふうに堅苦しくなってきちゃってると思うんです。そこをざわつかせたい。こんな格好でもヴィジュアル系ですみたいなね（笑）。ただ、僕らはサウンド面ですかね、他のバンドにない側面を挙げるとすれば。最近だとEDM系をバンドでやっていたり、ラウド系に負けないサウンド作りは意識してやっていますね。

──そういう話を聴いていると、3バンドともにこれからまた大きくなっていく上で個性が際立つ、いいタイミングのフェスだと言えそうですね。

CHISA：そう思います。3バンドがそれぞれ全力で走り続けているから、同じステージに上がりたいと思えるというか。

HIKARU.：ある程度活動をしてきて、それぞれのバンドとしてのスタイルが固まってきたこの時期だからいいのかもしれないね。

結：だから普通のライヴだけのイベントにはしたくないですね。“DANGER CRUEは面白いことやってるな”って感じさせるものにしたい。ギスギスした空気じゃなく、温かい空気で当日会場に来たファンや、興味を持ってきてくれた人たちが、最後の最後まで残るイベントになったら。まあ、＜Christmas Party＞だし、パーっとやることは間違いないです。

取材・文◎吉羽さおり

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