キッス「ヒップホップ・アーティストがロックの殿堂はおかしい」

4月にロックの殿堂入りするキッスのジーン・シモンズが、「ギターを弾かず、歌いもしないヒップホップ・アーティストが殿堂入りするのはおかしい」と話した。
正式名称<Rock & Roll Hall of Fame>とロック&ロールと謳っているだけに、こういった疑問や批判が出てもおかしくない。ジーン御大は、Radio.comにこう話した。「自分らの組織をどうやって運営しようが勝手だが、あれはロックじゃないだろ!グランドマスター・フラッシュがロックの殿堂? Run-D.M.C.がロックの殿堂? いい加減にしろよ! 彼らがいいアーティストじゃないって言ってるわけじゃないんだ。でも…、サンプリングして喋ってるだけだろ。歌ってさえいないじゃないか!ギターをプレイせず、自分で曲書いてないんなら、そこに入るべきじゃない」
続いてジーンは、殿堂入りしたドナ・サマーやマドンナについてこう意見を述べた。「ドナは長年、俺の隣人だった。彼女のことはよく知っていたし好きだったよ。俺のソロ・アルバムにも参加してくれた。でも、もしドナに“君はどんなアーティストだ?”って訊いたら、彼女が“ロック”だって答えると思うか? もしマドンナに同じ質問して、彼女が“ああ、ロックよ!”なんて言うのか? そのうち、ボストン・ポップス・オーケストラが殿堂入りするんだろうよ」
ロックの殿堂入りに対しては、先日、バンド・メイトのポール・スタンレーも批判的な発言をしている。「結局のところ、ほとんどの人は気付いていないが、Rock And Roll Hall Of Fameっていうのは個人が創立した制度で、自推の委員会なんだ。認識は現実になるっていういい例だ。みんな“ロックの殿堂入り”って聞いて、それに信ぴょう性を与えた」
しかしながら、「ファンには大きな意味を持つ。それはわかる。彼らは確証を得るわけだ。だから、俺は心よく受け取るよ。彼らの代わりに受け取るんだ」と考え、承諾することにしたと話していた。
ジーンは先ごろ、Rock and Roll Hall of Fameの主催者はオリジナル・メンバーしか殿堂入りさせない意向だったので、来月開かれるセレモニーでパフォーマンスしないことにしたと明かしていた。
Ako Suzuki, London