「First Love」はJUJU? 宇多田?歌詞検索でカバーがオリジナルを超える
歌詞検索サイト「歌ネット」によると、2010年10月に入って、カバー曲から楽曲を知るリスナーが急増しているらしい。
2010年は、徳永英明、コブクロ、Superflyなど様々なカバー・アルバムがヒットを飛ばしている。そんな中、ちょうど9月下旬から10月はJUJU、稲垣潤一、倖田來未などのカバー・アルバム、またカバー曲を集めたコンピレーションCD『COVER WHITE』『COVER RED』などの発売が相次いだこともあり、、オリジナル歌手よりもカバー歌手の名前で歌詞が検索されることが一気に増えたとのこと。
過去にも坂本冬美「また君に恋してる」のように、カバー曲のヒットは見られたが、これだけ同時多発的にカバー曲が注目されるのは過去にもなかなか例がない。
下記一覧は、この1ヶ月間で歌詞検索数が伸びたおもなカバー曲。JUJUの歌う「First Love」(オリジナル:宇多田ヒカル)、倖田來未の「言えないよ」(オリジナル:郷ひろみ)など、検索率50%以上でオリジナルを超えている楽曲も少なくない。「歌ネット」は10代~20代利用者がコアのため、特に伸びた楽曲は、オリジナルを知らない世代からの注目が増えたところも大きいのだろう。
なお、佐藤竹善「サヨナラ」(オリジナル:GAO)のように、一度発表された楽曲でもコンピレーションCDに収録されることで再評価・再認知されるカバーも多いことが分かる。
ちなみに、カバー曲が増えると同時に、オリジナル曲の検索数も伸びており、CDの売上げやカラオケでも双方の名前でリクエストが増える傾向にある。良い曲には時代を超えるチカラがあり、確かな歌い手によるカバーには新たな世代へ名曲を伝承させるパワーが内包されているということだ。
素晴らしい歌は、素晴らしい歌い手とともに、人々の心へ届いていく…当たり前の話だが、新たな感動を呼び起こしてくれるカバーは、時代をつなぐ意義あるエンターテイメントなのかもしれない。
楽曲(オリジナル) | カバー・アーティスト | 今秋発売のアルバム | 2010年9月 | 2010年10月 | カバー上昇度 |
First Love(宇多田ヒカル) | JUJU | JUJU『Request』 | 40% | 65% | 24% |
言えないよ(郷ひろみ) | 倖田來未 | 倖田來未『ETERNITY』 | 0% | 61% | 61% |
愛が止まらない(Wink) | 稲垣潤一・相川七瀬 | 稲垣潤一『男と女 3』 | 25% | 58% | 33% |
はじまりはいつも雨(ASKA) | 岩崎宏美 | 岩崎宏美『Dear Friends V』 | 0% | 47% | 47% |
M(プリンセス・プリンセス) | つるの剛士 | V.A.『COVER WHITE』 | 34% | 40% | 6% |
RIDE ON TIME(山下達郎) | 大橋純子 | V.A.『COVER RED』 | 0% | 39% | 39% |
サヨナラ(GAO) | 佐藤竹善 | V.A.『COVER WHITE』 | 13% | 30% | 17% |
Tomorrow never knows(Mr.Children) | 和田アキ子 | V.A.『COVER RED』 | 0% | 28% | 28% |
小さな恋のうた(MONGOL800) | 倖田來未 | 倖田來未『ETERNITY』 | 0% | 27% | 27% |
異邦人(久保田早紀) | 石井竜也 | V.A.『COVER WHITE』 | 3% | 21% | 18% |
ラブ・ストーリーは突然に(小田和正) | 広瀬香美 | V.A.『COVER RED』 | 8% | 19% | 11% |
未来予想図II(DREAMS COME TRUE) | 中西保志 | 中西保志『スタンダーズ4』 | 0% | 13% | 13% |
※数字は「歌ネット情報分析サービス」調べ。各月の下旬2週間で(オリジナル曲+カバー曲)=100%として算出。