大塚:アハハハ、クックしましたねぇ。『LOVE PUNCH』と『LOVE JAM』の2枚のアルバムでみなさんに見せていたものを踏まえて、やっともっと自然食っぽいものを織り交ぜていける時期にきたのかなっていう感じですね。3枚目で“やっと本番です”みたいな。
――自然食っぽいっていうのはけっこう納得。生音の比率がグンと上がってますもんね。
大塚:かなり生音をベースにしました。サウンド的には今までのようなテイストもありつつ、もっと違うものも作りながらレパートリーを増やしていきました。
――今回、ストック曲は?
大塚:シングルを除くと2曲がストックですね。最後の2曲、「Birthday Song」と「LOVE MUSiC」。そんなに全然ストックが多いわけではないんですけど、今回はこのアルバムにふさわしい、一番色の合うストックを選んでみました。
――今回のアルバムって、全編に優しく温かい空気が満ちているような印象を受けますけど、この2曲は特にたっぷりの愛情を感じさせてくれる曲ですね。「Birthday
Song」は、ぜひとも誕生日に聴きたい感じ。
大塚:これは18、19歳のときの曲ですね。特に“誰かに”っていうのはなかったんですけど、サビがパッと出てきたんで、そのまんま1曲作ってしまって。生音がすごく合いそうだなって思っていたんで、今回のアルバムにはいいかなって。
――ブルース・ハープがかなりイイ雰囲気で。
大塚:いいですよねぇ(ニッコリ)。映画『タイタニック』に出てくる三等船客のパーティみたいな感じってリクエストしましたね。ホントに楽しんで音楽してる人たちみたいな、そういうノリ。
――で、「LOVE MUSiC」は、タイトルがすべてを物語る名曲です。
大塚:これは東京に出てきてすぐに作った曲で。Bメロを別の曲のサビから持ってきたんで、2曲合作なんですよ。そういう作り方は今までなかったですね。
――思いっきり贅沢ですよね。
大塚:そうですね。なんかこの曲はすべて含んでるというか、温かみのある音楽っていう今回のアルバムのテーマにちょうどハマってます。
――ちょっと大人っぽい雰囲気も出てますよね。
大塚:私もちょっと丸くなったっていうことですかね(笑)。
――いや、でもアルバムにはちゃんとトンガッてる、楽しさ満点の曲もあったりするじゃないですか。例えば、ライヴで大活躍しそうな「U-ボート」とかね。
大塚:U-ボートってご存知ですか? なんかね、バナナボートみたいなやつなんですけど、そこに座って海の上を引っ張ってってもらうんですよ。それに今年の夏、沖縄で乗って。もう楽しすぎて死ぬかもしれないって思ったんですよ、その時(笑)。
――で、曲ができちゃったと(笑)。
大塚:そうです(笑)。私、元々はジェットコースターとか危険なものが大嫌いだったんですけど、U-ボートに乗ったときに、なんか“私は乗り切ったんだ!”みたいな感じがすごくして。で、それを曲としてそのまんま書いてみました。これはけっこうライヴをちゃんと意識して作ってみたんですけど、そういうのって今年、ライヴツアーを経験したからこそできたものなんじゃないかなって思いますね。
――あとは「東京ミッドナイト」のスカな感じも新鮮ですごく良かったですよ。
――他にも聴きどころ満載なわけですが、それはもうCDを聴いてもらった方がいいかなと。で、こんな素敵なアルバムができてしまった大塚
愛さんの2006年はどんな感じになりそうですかねぇ。
大塚:来年も引き続きシングルなりアルバムなりっていう制作活動ができればいいなっていうところと、あとは『東京フレンズ』の映画があると思うんで、それもがんばる(笑)。で、もちろんライヴもやりたいなって思ってますね。
――いいですねぇ。ちなみに冬の間にやってみたいことってあります?
大塚:“恋人はサンタクロース”っていうか(笑)、ゲレンデをスノボとかで“えいっ!”みたいなやつをやってみたいですね。で、雪だるまになって転がるみたいな。アハハハ。
――スノボはできるの?
大塚:できないです。でも直線は走れます。曲がれないです。むしろ転がって落ちたほうが速いかも(笑)。