Diggy-MO’:ありがとうございます。1曲1曲にテーマがあって、それを積み重ねた結果、こういうアルバムになったって感じですね。
Bro.Hi:普段もよく聴いてますよ、車の中とかで。(SOUL’d OUTの曲は)自分にとってもキラー・チューンなので(笑)。
Shinnosuke:僕も個人的に、このアルバムはヒップホップだと思ってるので、そんな風に捉えてもらえるのはうれしいですね。
――70分以上の大作ですが、アルバム全体をコントロールするのは大変じゃなかった?
Shinnosuke:そうでもないですよ。ポイントになる曲がいくつかあるので、あとはインタールードを含め、微調整しただけだから。
――中心になるのは、タイトル・チューンの「To All Tha Dreamers」ですか?
Shinnosuke:そうですね。アルバムのために作った曲ではないんですけど、楽曲の制作に入る前から“これは強力な1曲になるだろう”っていう手応えはあったので、自然とアルバムの中心になっていったというか。
――“強力な1曲”というのは?
Shinnosuke:この曲に関しては、3人が持ってるいろんな音楽性、これまでSOUL’d
OUTが培ってきたものを含め、自分達の代表的な曲にしようという気持ちがあったんです。夢のある音楽をやっていきたい、っていうのは昔から言ってきたことでもあるし。
――「このあたりで代表曲が必要だ」という気持ちがあった?
Shinnosuke:いま作らなくちゃいけない、みたいな危機感があったわけではないですけど…。
Bro.Hi:自然にそういうモードになったんですよね。やりたいことのひとつだったし。
――なるほど。今回のアルバムは、メンバー3人の個性が強調された作品でもありますよね。たとえばDiggy-MO’さんのラップにしても、ファーストに比べて、かなり生々しいテイストになってて。
Diggy-MO’:うれしいですね。ラップの表現力ってことで言えば、例えばいまファーストを聴き返してみると、かなり変わってきていると感じる。もちろん軸になってる部分は変わってないんだけど、細かいところの表現力は上がってると思う。それが(アルバムにも)出てるんだと思います。
――Bro.Hiさんのソロ曲「EDGE」も収録されてますね。ヒューマン・ビート・ボックスとDJのコラボレーションというスタイルが新鮮でした。
Bro.Hi:その手法はライヴでは普通なんだけど、楽曲としてはあまりなかったから、いつかやってみたいと思ってて。レコーディングはセッションというより、ビートを構築していくイメージ。いいものができたと思います。
――「EDGE」に限らず、さまざまな音楽的手法が駆使されていて。ホントに幅が広いですよね。
Shinnosuke:でも、すべて自分達のなかにあるものですからね。もちろん、デビューしてからの成長もあると思いますけど。
Diggy-MO’:1曲1曲に対して、その曲に合ったポジションを与えてあげるってことは心がけてますけどね。
Shinnosuke:あとは、アルバム全体をエンターテインメントとしてプロデュースしていくってことですね。
――エンターテイメントであると同時に、しっかり現実に即したメッセージ性もあって。現実に起こったことが音楽に影響することはありますか?
Shinnosuke:あると思います。特に歌詞については。
Diggy-MO’:現実に起こったことを語感として捉えるということはありますよね。ただ、大事なのは(楽曲を聴いた)“後”だと思うんです。音楽を聴いたり、本を読んだり、映画を観たときに何かを感じる。その後、その人が何をイマジネーションするかってことが大事だと思ってるので。
――なるほど。でも、ホントにブレのないチームですよね。プレッシャーとかってないんですか?
Diggy-MO’:まあ、基本的に好きなことをやってますから。さらけ出される機会が増えると、そのぶんクオリティを問われることになるので、そこはしっかりやっていきたいですけど。納得できる曲ができれば、充実感もあるし……楽しいよね?