またひとつ、“ロック史に残る遺産”登場!
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またひとつ、“ロック史に残る遺産”登場! |
![]() 『BOWIE AT THE BEEB ~ The Best Of The BBC Sessions 1968~1972 ~』 東芝EMI 2001年1月17日発売 TOCP-65666~7 3,670(Tax in) DISC1 M1~M18 DISC2 M19~M38 1.イン・ザ・ヒート・オブ・ザ・モーニング ※上記リンクで聴ける音源はオリジナルアルバムからの視聴音源であり、当アルバム収録のライヴ音源ではありません。 さらにデヴィッド・ボウイ楽曲全60曲が試聴するには |
“ロック史に残る遺産”というのは、なにも正規にレコーディングされたアルバムやシングル・レコードだけではない。
ライヴ・レコーディングはもちろん、映像の記録、そしてときには放送局に出演した時の貴重な演奏資料もある一つの音楽的歴史事実を伝えるのには非常に有効だ。そんな伝説的な貴重音資料を保管している世界でもっとも優秀な放送局と言えば、イギリスの国営放送BBCにほかならないだろう。 イギリスでは“ポップス”という文化があたかも国の宝のように扱われているふしがあるのだが、そんなポップスターの原石を早くから見つけ、そのアーティストに放送オンエア用のみの貴重なスタジオ・セッションをさせてきた同局からは、これまでにもビートルズやレッド・ツェッペリン、クイーンをはじめ幾多のアーティストの貴重音源が後に世に発表されてきた。 そして今回発表されるのは、あの“グラムロックの王者”“宇宙人ロックスター”のデヴィッド・ボウイの若き日の記録だ。 アーティスト名義や音楽性を二転三転させたしがない下積み期間中の初々しい若者が、ロック史に残るモンスターへと化していく過程がここには綴られているが、ここに封じ込められている瞬間のひとつひとつどれも重要。 歌い方がぎこちなく音楽性も後から考えると信じられないくらいにポップで甘い初期も、あのミック・ロンソンを擁したスパイダーズ・フロム・マーズとの、『世界を売った男』『ハンキー・ドリー』『ジギー・スターダスト』といったアルバムからのナンバーの堂々とした演奏っぷり、そしてスターダムにのしあがった後のスタジオ作からはなかなか感じ取れなかった、宇宙人ボウイの妙な人間臭さ。 頂上に向かってベクトルを最高潮にして疾走するものだけが見せる希有な表情がここにある。 シングルのB面のみで発表されていたナンバーやヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカヴァー曲をはじめとする未発表曲が数多く収録されているという事実ももちろん大事だが、熱心なコレクター以外の心にも響く普遍的な輝きがここにある。 (太澤 陽) |