【インタビュー】LEEVELLES、新体制への決意とアニメ『この恋で鼻血を止めて』オープニング曲を語る「未来の話を一緒に」

2025.05.15 20:00

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■一段上がったなと思ってもらえるような集大成を
■どこかのタイミングで見せたいと考えています

──あれ、そうなると、Aメロから鳴るバッキングのギターは小川さんが?

小川:そうです。

──シューゲイザーサウンドと言ってもいいくらい歪んでいるんですけど、それぐらいの歪みが必要だと考えたんですか?

小川:そうですね。今回ギターアンプは、これまで使ってたマッチレスからフェンダーのデラックスリバーブに変えたんですね。あの歪みはアンプで作ってるんですよ。抜ける音が欲しくて、ちょっとずつ歪みを足していったんですけど、おっしゃっていただいたようにバンドがしっかり演奏しているところにEDMの要素を加えるってことをやりたかったんです。もちろん狙ってやっているもので、レコーディング当日、音作りしていたら、結果、荒々しい音になったんですけど、それが逆に良かったと思います。

──そして、宮地さんのベースは1番のAメロの終わりから弾き始めるメロディアスなフレーズがBメロでは跳ねるリフに変わるところが一つの聴きどころではないかと思うのですが、そこも含め、どんなふうにアプローチしていきましたか?

宮地:おっしゃっていただいたところは、退屈な日々に天使の梯子みたいに光が射し込むようなイメージで弾きたいと思って、ちょっと思い切ったフレーズにしてみました。2番Bメロではそのままメロディも弾いていいます。サビとか、サビの後に繰り返すイントロのリフレインは、毎日に対してわくわくしている感じを出したくて。アクセルを徐々に踏み込むじゃないですけど、“わぁ!ワクワク!”じゃなくて、“なんだかワクワクしてきた”っていう感じを出そうと思って、ちょっと前のめりで弾きました。

──いつも弾いている5弦のプレシジョンベースですか?

宮地:はい。普段はフェンダーとエキゾチックの5弦のプレベを使っているんですけど、今回はエキゾチックで弾きました。あと今回、先輩から借りているダークグラスの歪みを使ってみたんですけど、それがすごく良くて。普段よりもちょっと攻めた音になっていると思います。

──そんなバンドサウンドは、2番Bメロ以降、演奏の手数がぐっと増え、バンドならではの醍醐味を味わうことができるのですが、小川さんは今回、ボーカリストとしてどんなアプローチを? 「花占い」レコーディングドキュメントを見せてもらって、“ここまでシビアにボーカルのレコーディングに取り組んでいるんだ!?”とちょっとびっくりしたのですが、今回も同じくらいシビアにやっていったんですか?

小川:はい。言葉の母音や子音の発音も大事にしつつ、シビアにやっていきました。いつも市川さんというボーカルディレクターの方にディレクションしていただいているんですけど、歌う前に、こういう風に歌いたいという方向性の擦り合わせをした上で、たとえば今回だったら、“僕ら気付けば大人になった”の“大人になった”という歌の着地を「そういう風に考えているんだったら、こうしてみたらどうだろう」みたいな案も出していただきつつみたいなやり方で録っていきました。僕の中にないものをいつも引き出してくれるので、毎回おもしろいんですよ。だから、今回もボーカルレコーディングはすごく楽しかったです。

──今回は、どんなところを引き出してもらいましたか?

小川:サビの“2人髪を靡かせて”と歌うメロディーがどんどん上がっていくんですけど、デモではちょっと軽めだったんですよ。それを下からすくい上げるような歌い方に変えるようにディレクションしていただいてから、その部分がけっこうフックになっているなと思って。デモではちょっと空回りしている気がしていたんですけど、それがどうしてなのかわからなかったんですよ。そのことを相談したら、「すくい上げるように歌って、タイム感をちょっと後ろにしてみるといいかもしれない」って的確なアドバイスがもらえたんですよ。それともう一つ、オチサビの“いつか立ち止まった時はきっと”のニュアンスもすごく大事にしていたんですけど、歌のタイミングがちょっと遅いんです。本来だったら、ジャストにタイム感を合わせると思うんですけど、「歌詞の立ち止まっている感じは、そういうところでも表現できるんだよ」って教えていただいて。“確かに”と思って、後ろ髪を引かれるような歌い方にしてみました。そういうところでも歌の表現の幅は、今回また広がったと思います。

──早口になって言葉を畳み掛けるところは、リズムを取るのがすごく難しいんだろうなと思いながら聴いていましたが。

小川:そこも一つ挑戦だったんですけど、別々の軸で進んでいた歌と楽器隊が段々と寄り添いながら、最後一つになるっていうことをやりたかったんですよ。歌はわりと単調というか、実は歌だけで見ると、それほど難しいことはしていないメロディーラインなんです。ただ、楽器隊のリズムに合わせることによって、複雑に絡み合っていく。それはけっこう狙い通りうまいことできたと思いますね。

──なるほど。歌詞はもちろんですけど、演奏やアレンジでも物語を紡ぎ出そうしているLEEVELLESならではの魅力が、皆さんのお話を聞いて、さらにはっきりとわかって興味深かったです。それでは最後に、今後の活動予定も含め、2025年の抱負を聞かせてください。

小川:毎年、目標を一つ掲げて、それに向かってその1年間を走ってきたバンドなので、2025年も“さらに一段上がったな”と思ってもらえるような集大成を、どこかのタイミングで見せたいと考えています。ライブなのか、リリースなのか、それがどんな形になるのか、まだわからないですけど。そういうものをみなさんに見てもらいつつ、未来の話を一緒にできたらいいなと思っています。

取材・文◎山口智男
撮影◎TOYO

■7thデジタルシングル「Brand New Day」

2025年4月4日(金)配信開始
購入リンク:https://leevelles.lnk.to/brand.new.dayPR
※TVアニメ『この恋で鼻血を止めて』オープニングテーマ

■TVアニメ『この恋で鼻血を止めて』

▼放送情報
・4月2日よりフジテレビB8stationにて毎週水曜25時15分~
・4月3日よりBSフジ「アニメギルド」にて毎週木曜24時30分~
▼概要
地球を揺るがす超大作!エキサイティングヒーローラブコメディが爆誕。
時は未来。どこにでもいる平凡な女性のモカは刺激のない退屈な日々を送っていた。しかしある日、彼女が働くオフィスがエイリアンの戦いに巻き込まれてしまう。モカを助けたスーパー宇宙人のヤーセンだったが、彼が捕獲していた心原虫という寄生虫が誤ってモカに寄生してしまった。その虫に寄生された者は「退屈すると死んでしまう」という。日々死の脅威にさらされるモカと、彼女を救いたい不器用でまっすぐなヒーロー、ヤーセンの運命は…。
▶オープニングテーマ:「Brand New Day」LEEVELLES
▶エンディングテーマ:「Dead or Love」Soala

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