【インタビュー】リーブル、進境著しいツインボーカルユニットが物語る次世代POPS「聴き手を鼓舞したいという気持ち」

2024.12.25 20:00

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■リーブルの名前の由来のとおり
■自由にやっていきたい

──「空中ブランコ」の歌詞はどういうふうに書いていったんですか?

陽介:カップルでもなんでもいいのですが二人組がサーカスを観に来ているイメージがあって、その情景が思い浮かぶように書いていきました。書き方としてはちょっと理論的に考えてるかもしれないですね。宇多田ヒカルさんの「Traveling」は最初の2行だけですぐ情景が浮かんでくるじゃないですか。ああいう歌詞が好きなんです。あとは空中ブランコというのはお互いの信頼関係があってこそ成り立つものだと思っていて、そのような人間模様も歌詞に落とし込みました。

──“ここまでやってこれたのも”とみゆうさんが歌って、“もう その先は言わなくていい どっちかじゃなくお互い褒め称えてればいい”の部分を陽介さんが歌うところが、会話のような構成で面白いですね。

陽介:だいたい僕が書く男の子はちょっとネガティヴだったり、切ないことを言うタイプなんですね。「空中ブランコ」の二人に関しては、女の子のほうが明るくて、その陽気さが男の子に伝染して元気になっていくような関係性が見えていたんです。だから、最後の“少しずつ飛べなくなってしまうだろうけど”の部分とか、ちょっとマイナスなことを言うのは僕かなと思って歌いました。“どっちかじゃなくお互い褒め称えてればいい”の部分も僕自身の気持ちが出ていますね。”いつもありがとう“や”あなたのおかげで“と言われるのは、照れくさくてちょっと苦手なんです。

──そういう価値観を反映しつつ、登場人物を想定して歌詞を書くと。

陽介:そうですね。バーッと殴り書きしたあと、ストーリーとして整合性がない部分を修正していったり。歌詞を書く時は、とにかく謙虚でいたいと思って書いてます。それこそ“お互い褒め称えてればいい”の部分もそうですけど、あまり上から目線な歌詞にならないように。あと、何かしら問題提起していても、最後はちゃんと自分なりにいい方向に持っていくことは意識しています。バッドエンドのまま終わる歌詞はあまりないと思う。

──聴く側としてもハッピーエンドが好き?

陽介:あまりにもマイナスな言葉ばかり歌ってる歌は好きじゃないですね。やっぱりみんなの背中を押せる歌にはしたくて。リスナーとしては学生の頃からONE OK ROCKとかもよく聴いていて、聴きながら鼓舞されることがたくさんあったので、“聴き手を鼓舞してなんぼだよな”という気持ちはあります。ちゃんとポジティヴなものを届けたい。

──あと、女性目線の歌詞が多いですよね。それも等身大の女の子感があって、同世代の方は共感しやすそうな印象があります。

みゆう:確かに、私自身も陽介くんの歌詞に感情移入しやすいと感じることはよくあります。たまに難しい漢字が出てくるので、“どういう意味だろう?”と思ったりしますけど(笑)。オシャレな表現も多いし、自分では思いつかないワードも歌っていて楽しいです。

──女性目線になるのは、みゆうさんが歌うことを想定しているからですか?

陽介:というよりも、読んでる本の影響かな。作家の綾瀬まるさんの本が好きだったり、女性目線の物語をよく読むので、自然と影響を受けてるのかもしれないです。言い回しや比喩が綺麗な小説が大好きなんですよ。音楽を作る上でいろいろな音楽を聴くことが大事なように、歌詞に関してもいろいろな人の素晴らしい言葉使いを吸収したうえで、自分の歌詞を書きたいと思っています。まあ、もともと読書好きだったわけではなく、最初は“知的なほうがモテるかな~”程度のカッコつけだったんですけど(笑)。最近はもちろん好きで読んでますし、歌詞のことを頭のどこかに置きながら、ですね。

──自身にとって挑戦的な「空中ブランコ」を経て、これからどんな曲が生まれてくるか楽しみです。今後、どういうユニットにしていきたいと思っていますか?

みゆう:これからもポップスを軸に自由なジャンル感でやっていきたいと思っています。私も曲作りを始めたので。たとえば、私が作る曲はポップで、陽介くんが作った曲はカッコいい感じで、みたいなバランスでもいいし。たまにちょっとロック系の曲があったりしてもいい。リーブルの名前の由来のとおり、自由にやっていきたいです。

──ロック系の曲はギターがメインになるものも少なくないですよね。DTMによる打ち込みほか鍵盤は陽介さんが担当しているとして、バンドサウンドの場合は、どう構築しているんですか?

陽介:初期はリズムが打ち込みだったり、バンド仲間に手伝ってもらったりしてましたけど、最近のデモはみゆうちゃんにギターを弾いてもらってますね。

──それは今後ますます楽しみですね。みゆうさんからは今、どんな曲が生まれているんですか?

みゆう:最初は洋楽チックな曲でしたね。でも最近、みんなから「いいね」と言ってもらえた曲はポップスっぽいかも。そんなに凝ったものは作れないので、メロディを中心に考えて…メロディが思い浮かんだら展開を考えるのは早いんですけど、メロディが出てこないとめっちゃ長考しちゃいます。

──陽介さんが抱くリーブルの展望はいかがですか?

陽介:とても安易な言葉になってしまうんですけど、リーブルでみんなを幸せにしたいです。みゆうちゃんが結構カラッとした性格なので、今まではみゆうちゃんが「やろう!」って感じで動いてくれて、僕は「みんながそう言うなら…」みたいな受け身のスタンスになってしまっていたんです。それはよろしくないと思うので、これからは、“みんなを幸せにしつつ自分も幸せになりたい”を目指して曲を作っていこうと思っています。そのなかで、“大きいステージに立つ”みたいなアーティストとしての目標をしっかり作って頑張っていきたいです。

──お話を聞いていて、お互いを補い合っているような相性の良さが伝わってきました。

みゆう:性格的に私は何にも考えず「いいじゃん!」というタイプで。陽介くんに「いや、ちょっと一旦待って」と言われてから一緒に考えて、「そういう意見もあるね。じゃあどうする?」って話をすることは多いです。

──アクセルとブレーキ的な(笑)。ユニットとしては理想的ですね。

陽介:だからこそいろいろな可能性があるのかなって。いざブレーキが壊れた時どうなるのか?とか(笑)、そういうことが起きても面白いんじゃないかと思っています。

取材・文◎後藤寛子

■デジタルシングル「空中ブランコ」

2024年12月25日(水)0:00配信開始
配信リンク : https://libre.lnk.to/blancoPR

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